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明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

被曝被害の過小評価と向き合うために・・・『放射線副読本』読み解き会にご参加を(1月15日(土)午後2時から大津市にて) 明日に向けて(2143)

2022年01月12日 13時00分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220112 13:00)

1月15日(土)午後2時からから『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を読む会が行われます。全3回でBOOKの頭からしっぽまで読み込みます。
滋賀県大津市で行われますが、zoomでリモート参加もできます。



メールアドレスが間違えています。正しくはyomitokkiradiation@gmail.comです


被曝被害はかなり過小評価されてきた

昨年、被爆問題をめぐる大きな出来事がありました。広島の「黒い雨裁判」で原告が、第二審でも勝訴したことです。
第二審は、一審の内容を上回るものでした。一審では「黒い雨被爆者」の認定に「特定された11の疾病にかかっていること」が必要とされたのですが、二審はこれを「失当」と退けました。
「黒い雨に被災した可能性があれば被爆者として認定せよ、被爆者健康手帳を交付せよ、それでこそ真っ当だ」と判決で指摘されました。


高裁勝訴後の報告会にて 「頑張ろう」とこぶしを上げる原告のみなさん 20210714 守田撮影 

さらに昨年、NHKがドキュメント『原爆初動調査 隠された真実』を放映し、黒い雨などによる被爆・被曝事実が、アメリカによってもみ消されていたことが立証されました。
被爆影響はとても小さく見積もられていたのです。このためさまざまな疾病や傷害、障害が、被爆と無関係とされてきたのでした。
核戦略の維持と原発稼働を可能にするためにも、被爆影響は隠され、もみ消されてきたのです。

文科省が発行した『放射線副読本』もこの流れの中にありますが、丁寧に読み解いていくとこのことがどんどん見えてきます。
原爆による大量虐殺後に行われた被爆影響を隠し、もみ消してきたテクニックが『副読本』に流れ込んでいるからです。
ぜひこのテクニックを知って下さい。それがあなたと大切な人の命を守ることにつながります。


ひとつぶてんとう園での読み会より


今回はこれまでよりも丹念にBOOKを読み進めます

今回の3回シリーズ、ちょっと違った読み方をします。
従来は1時間読み解きを行い、30分解説、残りの時間で質疑応答をしていましたが、今回はBOOKを1時間半がっつりと読みます。
BOOKに盛り込まれた被爆を小さく見積もるテクニックをがっつり読み解きます!


例えば『副読本』では「放射線のものをすり抜ける性質」だけ教えている 5ページ

このため、これまで読み会に参加された方にもぜひご参加いただきたいです!
『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』にご興味を持ちながら機会を逸していた方も、ぜひご参加下さい。
まずはBOOKを貫いているテクニック・・・「それほど間違ったことも書かないけれど肝心なことも書かない」点を見破ります。


実際にはすり抜けない部分がモノを被曝させている。『読み解きBOOK』でこの点を強調 ページ「と」

とくに1回目では、半減期にまつわる騙しのテクニックをご紹介します。これまで「読み解きBOOK」を読んだ方の多くが「目からうろこが落ちた!」と言って下さっているところで必見!
例えばこれは、福島原発事故後に被曝の危険性がまったくないかのように吹聴した長崎大学の山下俊一氏が使ったテクニックです。
ぜひしっかりとおさえましょう!


「半減期詐欺」にご用心!


読み解き会、zoomで参加できます

「読み解き会」は3回連続で行われます。
月に1回で第2回が2月19日(土)、第3回が3月19日(土)、いずれも午後2時から4時までです。
毎回、僕がナビゲーターを務めます。

場所は3回とも滋賀県大津市・生涯学習センター
https://www.city.otsu.lg.jp/manabi/lifelong/c/index.html
資料代として1回あたり1000円(読み解きBOOK代は別途)、全3回申し込みで2500円です。
zoomを使ったリモート参加も可能。ぜひ全国・全世界からご参加ください。

主催は『放射線副読本』読み解き会・有志の会
連絡・申し込み先 080‐3791‐5345(安斎) 090-8523-6857(石堂)
FAX 077-522-6359 Mail:yomitokkiradiation@gmail.com

#放射線副読本 #放射線副読本すっきり読み解きBOOK #にょきにょきプロジェクト #半減期 #ナガサキ #フクシマ #山下俊一 #高村昇 #放射線防護 #原爆初動調査隠された真実

*****

12月19日に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。この連続講演にも触れています。

にょきにょきプロジェクト新BOOK 『AFTER TEN YEARS 命を守り育むために 福島原発事故から10年を振り返る』を以下からゲットして下さい!
https://nyoki2pj.com/lp/after10/

原発や放射線被曝の危険性の暴露など、取材・執筆活動のためのカンパを訴えます。以下からお願いします。
振込の場合: ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
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明日に向けて(2042)アメリカは原爆による被曝実態を隠した、実際の被害はずっと大きかったーNHKBS1スペシャル「原爆初動調査 隠された真実」よりー1

2022年01月10日 23時00分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220110 23:00)

NHKBS1スペシャル「原爆初動捜査 隠された真実」をご紹介します。

2021年12月29日、NHKBS1スペシャルで「原爆初動調査 隠された真実」という番組が放映されました。もともと同じタイトルで同年8月9日に放映されたものの拡大版です。(8月のものは1時間15分、今回は1時間40分)

広島・長崎への原爆攻撃後、初動調査に入ったアメリカ軍が、黒い雨などがもたらした残留放射線による深刻な被曝実態を把握していたながら、握り潰していた事実を掘りだした大スクープでした。

調査に入った米軍兵士の証言、遺稿などにも取材した秀逸な番組ですが、とくに隠されてきた長崎の被曝実態が明らかにされています。
8月に観たときに、「かなり画期的だ」と考えて文字起こしし、さらに12月の放映時も事前に「明日に向けて」で宣伝しました。するとFacebookの投稿が123件もシェアされるなど、かなり大きな反響がありました。この点を踏まえて、この拡大版も文字起こしすることにしました。8月のものに新たに放映された部分を付け足しました。

番組が明らかにしたのは、被曝被害がかなり矮小に報告されていたこと。とくに長崎の被爆実態が、これまで考えられてきたよりも圧倒的に酷かったことが示されました。西山地区など、大量の「黒い雨」が降り、高濃度な汚染を被りながら、まったく補償も援護も行われて来なかった地域があることがクローズアップされました。

国は「黒い雨」広島高裁判決を真摯に受け入れ、この新たな事実も認め、長年の原爆被害者の放置を謝罪し、いまなお生き延びられているみなさんに即刻、被爆者健康手帳を発行すべきですが、すでに年末に「黒い雨」被爆者認定から「長崎の方たちを外す」ことを表明しています。許しがたいです。

この番組の告発は、黒い雨裁判に続いて、これまで放射線被爆に対する被害が大きく過小評価されてきたことを明らかにしたもの。重要なのは、ここから「放射線防護学」の書き換えもまた絶対に必要だということが結論付けられることです。被曝影響がいま思われているよりももっと深刻だったのですから、一般市民の被曝許容量とされている年間1ミリシーベルトだって見直すべきです。
さらにこの事実が、米軍によって隠されてきたこと。日本政府がそれに追従してきた、これはもう手酷い犯罪です。この罪を米国・日本両政府に償わせなくてはいけません。

このためこの番組の拡大版の文字起こしをこれから4回にわたって掲載します。
なおこの文字起こしは、もともとは京都市在住の諸留能興さんが8月の番組を起こして下さったものを守田が編集したもので、今回拡大版部分を加えてあります。
さらに、8月の時にはできなかったのですが、今回は4回の文字起こしの紹介のそれぞれに、新たに明らかになった事実から何を学ぶべきなのかも書き加えるつもりです。

重要な番組を作って下さったNHKのスタッフのみなさんに深く感謝いたします。


深刻な被曝事実が握りつぶされていた!

NHKBS1スペシャル「原爆初動調査 隠された真実」
2021年12月29日放送 以下、文字起こしをお届けします。

今回初めて見つかった、76年前の被爆直後の長崎を撮影した映像です。
アメリカ軍の原爆に関する最初の調査を兵士が撮影した、極めて貴重なものです。

米軍元兵士
「私の任務は地域に残った放射能を測定することでした。」

アメリカ兵が測定していたのは被爆地に残る放射線、残留放射線でした。

米軍元兵士
「51km地点では通常の2倍もの残留放射線を計測しました。」

原爆の爆発によって発生した放射性物質が、雨や塵と共に降り注ぐことなどで発生する残留放射線。
その影響に関しては、未だ意見が対立しており、最大の謎とされてきました。
調査に参加した94歳の元兵士です。当時、被爆地に残る残留放射線の調査は、トップシークレットだったと言います。

アメリカ原爆調査員 マイカス・オーンスタッド(94)
「調査団は残留放射線が存在することは知っていました。しかしその恐ろしさを私は理解していませんでした。」

今回私たちは、原爆投下直後に、アメリカ軍が行っていた原爆初動調査に関する膨大な資料を入手しました。そこからは残留放射線についての、知られざる真実が浮かび上がってきました。
アメリカ軍は、秘密裏に残留放射線を測定。極めて高い値を測定していました。さらに、それが人体にどのような影響を及ぼすかまで、研究していたのです。

原爆調査報告書
「この地に残る放射性物質に人がさらされ続けると、危険を伴う可能性がある。動物の場合、全身に被ばくした後に白血病が進行する可能性がある。人間がどうなるか特に興味深い。」

しかし、アメリカ政府はこの事実を隠蔽。科学者達に圧力をかけて残留放射線も無かったことにしようとしていたことも、明らかになりました。

マイカス・オーンスタッド
「私は上官に呼ばれて『報告書に関係する文書やデータは廃棄し全てを忘れろ』と命令された。」

日米両政府は原爆の残留放射線による健康被害を認めてきませんでした。

しかしヒロシマ、ナガサキの人々は「その影響で多くの人が苦しんでいる」と訴えています。

岩﨑精一郎さん(44歳没)の妻岩﨑恒子さん
「骨髄性白血病。脾臓も取ったんですよ、手術して。原爆にあったからこんな病気になったってはっきりしたらいいんですけど。それも分からないまま。」

なぜ、残留放射線の影響は隠蔽されることになったのか。
核による被害と、国家の思惑が交錯した原爆初動調査。真実が隠されていた過程を辿り、その全貌を明らかにします。

タイトル
原爆初動調査 隠された真実
前編 ”科学”を握り潰した”国家の思惑”

原爆が投下された市街地から3キロ。

山間にある長崎市の西山地区です。

戦前は貯水池を中心に小さな集落が点在。多くが農業を営んでいました。この地区で原爆投下後しばらくして、住民の体調不良や原因不明の死が相次ぎました。

松尾トミ子さんです。この地区で育った義理の妹を亡くしました。
「これはねぇ、成人式の写真です。成人式の時はこんなに元気だったんですよね。」

松尾幸子さん。23歳の若さで白血病で命を落としました。
「ひとつも怒ったところを見たことはないです。人の嫌がることは絶対言わない子だったですもんね。うん・・。」

76年前の8月9日。西山地区は爆心地から山を隔てているため、原爆の熱線や爆風は届かず、直接の被害はほとんど無かったとされています。
しかしこの日、地区には灰や雨が降り注ぎました。1歳だった幸子さんは、貯水池の近くにいた兄の背中でそれを浴びたといいます。

「なにしろ灰が落ちてきて・・・『この灰は何』という感じで、何も知らずに受けてたみたいですね。」

幼い頃は、何の異常も感じなかった幸子さん。突然体調を崩し、17歳の時に「白血病」と診断されます。

「血の塊が口から出たり、鼻から出たり。もう、それを取ってやるのが大変だったって。
一番いい時に亡くなっているから、何とも言えないです・・・やっぱりいろいろ考えたら、涙が出るんですよ。」

幸子さんの死と、残留放射線との関係は、当時の詳細なデータが存在せず、分からないとされています。

ヒロシマ、ナガサキで、その年だけで21万の命を奪ったとされる原爆。
実はアメリカは、その被害や影響の詳細なデータを収集する為、調査団を派遣していました。

最初の(マンハッタン管区)調査団が広島に入ったのは9月8日。原爆を開発した科学者たちでした。続いて陸軍と海軍の、それぞれの調査団が(10月12日)。
更に戦略爆撃調査団も加わり(10月14日)、およそ4ケ月にわたって、大規模な調査を行いました。



調査には軍人だけでなく、物理学者や医師を始め、様々な分野の専門家が参加。日本人の科学者も協力しました。
地表温度を3000度以上に上げた熱線や、秒速440メートルの爆風がどのように建物を破壊したのか、原爆が被爆者にどんな影響を与えたかなどが詳しく調べられたのです。

調査を統括したアメリカ陸軍のグローブス少将です。
原爆開発計画「マンハッタン計画」の総責任者だったグローブスは、ある事に頭を悩ませていました。それは被爆地に残る残留放射線の影響でした。

実は、日本は、被爆直後から、その被害を世界に訴えていました。日本が世界に向けて行っていたラジオ放送です。
ラジオ東京
「原爆は今や世界の批判の的となっている。この死の兵器を使い続ければ、すべての人類と文明は破滅するだろう。」

各国が特に問題視したのは、終戦後もその地に放射線が残り、人体に影響を与えているのではないかということでした。
ディリー・エクスプレス
「広島では原爆が落ちた30日後にも人が死んでいる。それは『原爆の疫病』としか表現できない。」

アメリカ国内でも、ヒロシマは70年間草木も生えないと報道され、「原爆は国際法に違反した兵器ではないか」という世論が高まったのです。



これはグローブスにとって不都合な状況でした。当時、アメリカは占領のため、日本に兵士を駐留させようとしていたからです。
原爆投下後に自国の兵士が被爆することになれば、議会や世論の反発は避けられない。こうした中で初動調査は行われていたのです。

大きな焦点となっていた残留放射線の存在。今回、初動調査についても新たな事実が明らかになりました。
76年前の調査に参加した科学者の遺族です。当時、父親が被爆地で使っていたという遺品を保管していました。


被爆地調査員ドナルド・コリンズの女性遺族

「これは父ドナルド・コリンズのカメラです。長崎で調査で使っていたんだと思います。」

ドナルド・コリンズ。放射線の研究者として、原爆開発に携わってきた人物です。
1945年9月。調査団の一員として、ヒロシマ、ナガサキを訪れていました。
コリンズが被爆地で撮影したプライベート・フィルムと証言テープが見つかりました。映像には、長崎市内で残留放射線を測定するコリンズの姿が映っていました。

ドナルド・コリンズ
「私の任務は地域に残った放射能を測定することでした。ジープに乗って、どこまで残留放射線が広がっているのかを確認しました。」



アメリカ軍が神経を尖らせていたという残留放射線の値。

「我々は風下51km地点まで追跡しました。51km地点では通常の2倍もの残留放射線を計測しました。」

コリンズらは残留放射線が人体に与える影響にも注目、多数の写真を残していました。

ドナルド・コリンズ
「我々はどのくらい放射能を浴びると吐き気を引き起こすのか。どのくらいで脱毛が起こるかを分かっていました。我々は住民がどこにいたのかを聞いて、受けた放射線量を予測していました。」


同じ時期、被爆者への聞き取りなどを行った元調査員が今も健在でした。
マイカス・オーンスタッドさん。94歳です。

被爆地に残留放射線がどの程度残っているか、不安を感じていたといいます。
しかしその情報は厳重に管理され、一部の科学者しか知ることはできませんでした。

「調査団は残留放射線が存在することは知っていました。しかしその恐ろしさを私は理解していませんでした。」
「私は科学者ではありませんし、詳しいことは何も知らされず、こちらから何も問いかけることはできませんでした。」

当時、トップシークレットの指定を受けていた残留放射線の記録。

今回、海軍が4か月に渡って、被爆地の残留放射線を測定していたデータも入手しました。
報告書を作成した海軍のネロ・ペース少佐です。生理学の研究者だったペースも、また、残留放射線に関する証言を残していました。

「私たちは4か月の間、長崎で残留放射線を測定。人々から血液を採取し、広島でも同じことをした。私たちが収集したデータは”機密事項”だった。」

ペースは4か月かけて長崎で900カ所、広島で100カ所もの地点で残留放射線を測定していました。
報告書の中で、ある地域で非常に高い残留放射線が確認されたことが記されていました。長崎、西山地区。23歳で亡くなった、松尾幸子さんが住んでいた場所でした。


「西山地区は山の陰にあり、初期放射線を受けなかったにもかかわらず、爆心地より高い残留放射線が認められた。
放射線測定器を地上1mのところから地上5cmへ移動させると、測定器の針は倍増した。西山地区ではかなりの放射線があることを示した。
この地区の放射線量の最高値は1080μr/hr(マイクロ・レントゲン・パー・アワー)を示し、人間の最大許容量に近かった。」


現在の値に直すと1時間当たり およそ11μSv/hr(マイクロ・シーベルト)。一般人の年間線量の限度を4日で超えることになります。
報告書では西山地区で残留放射線量が高い理由を「その地形にある」と分析していました。

海軍報告書
「8月9日の長崎は風速3mの微風が吹いていた。西山地区では、爆発後に雲が上空を通過し雨が降った。爆心地と貯水池の間には山が連なっており、谷間となっている西山に放射性物質が堆積したと考えられる。

続く

#原爆初動調査 #隠された真実 #NHKスペシャル #残留放射線 #グローブス #マンハッタン管区調査団 #戦略爆的調査団 #長崎西山地区 #原爆調査 #白血病

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昨年12月に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。この番組にも触れています。

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明日に向けて(2041)2022年、資本主義的暴力を越え社会的共通資本の思想の可能性を広げたい!

2022年01月09日 23時00分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20210109 23:00 なおこの記事は1月1日の記事のリメイクです)

年頭にあたって

みなさま。
旧年中は大変、お世話になりました。今年もどうかよろしくお願いします。
1月2日に義母が逝去したため、「明日に向けて」の配信を控えていました。今日より、元気に活動を再開します。どうかよろしくお願いします。

今年は京都市で新春を迎えました。
何か京都らしい画像をお見せしようと、元旦の夜更けに南禅寺を訪れ、山門を撮影してきました。
さすがに正面からだと暗すぎたので、街灯に照らされた側面からの画像に挨拶を乗せてお送りします。

2022年を僕は大きな飛躍の年にしたいと思っています。
この一年、いやこの十年で大きく思想的な変化を遂げ、発展できたと自負しているので今年はそれを自由自在に出していこうと思います。


この10年でつかんだもの

この10年間、それはほぼ福島原発事故後の年月と重なるわけですが、どうしても当初は「強いられた」活動に没入せざるを得ませんでした。放射線被曝から多くの方の命を守ることです。
しかし徐々にその活動は、それまで僕が志してきた現代社会=資本主義の矛盾を克服する道に溶け込みだしました。

中でも原発との対決が、不可避的に原爆との対決、世界の核戦略との対決へと僕を向かわせしめ、その中でとても大きなことが見えてきました。
一言で表せば、「現代資本主義の暴力構造にもっと目を向けなければ、その頂点にある核体系との対決を、資本主義の克服の基軸に据えなければ」ということです。

「何を当たり前のことを」と言われるかもしれません。しかし率直に言って僕は、被爆問題をこの10年ほど、深く考え、学び続けたことはありませんでした。
その中で「大事なことが分かってなかったことが分かった」という気持ちの中にあります。
「まだまだ資本主義に騙され、困惑させられてきた」とすら思います。

資本主義は市場を通じた巨大な搾取体系ですが、同時に巨大な暴力の体系でもあります。その中軸産業の一つが軍需産業です。それがさまざまに暴力肯定の思想をまき散らしています。
例えば新自由主義の蔓延ひとつとっても、市場の中でなされたのではありませんでした。南米での軍事クーデターや、アメリカ、イギリス、日本などでの新自由主義的政府による、労働組合の暴力的な解体とともに進められました。

同時にその間、湾岸戦争やアフガン戦争、イラク戦争などが続けられてきました。
だからこの暴力構造を資本主義的矛盾の最も基軸にあるものと捉えて対決し続けなければならないのです。


2021年12月19日の守田講演のスライドから


暴力の思想を克服的に越えるために

大事なのは、この資本主義を特徴づける暴力思想は、実は私たちの心の中にも浸透していることです。
暴力に「正義」と「悪」があり、「正義」の暴力は肯定すべきだという考えとしてです。

そこに多くの人々が、米軍や自衛隊の存在、あるいは警察官の暴力を、疑うことなく容認してしまっている根拠があります。
同時にそれが反転すれば、正義のための民衆の側からの暴力の発動や、「テロル」の行使なども認める根拠となるし、実際僕はかつて「正義の暴力」を支持していました。

「え~暴力なんて」・・・と思われる方、反芻してみてください。あなたは暴力反対の思いを、米軍・自衛隊、そしておまわりさんにまで適用できているでしょうか。
なかなかに「正義の暴力」の否定は難しい。そして実はそこにこそ、軍需産業にとって巨大な儲けが生まれる素地があると僕は思うに至りました。ぜひとも2022年、このことを問う論稿を連続的に出していきたいと思います。
また年末に、このことの一端を講演で語ることができました。まだの方、ぜひご覧になって欲しいです。


資本主義を越える「社会的共通資本」の可能性

さらに2022年に、恩師宇沢弘文さんに学んだ「社会的共通資本」の思想的可能性について、もっと大きく論じていきたいと思っています。
この点でもすごく鮮明に見えてきたものがあります。

自公新政権の首班の岸田首相が、繰り返し「新しい資本主義」に論及していますが、これはここ数十年、世界を席巻してきた新自由主義のもとで、資本主義批判が高まっていることに対応しようとするもの。

ある意味で支配層の危機感を表すものです。しかし批判が集まっている根本的矛盾に手をつけずに、小手先で批判をかわそうとすることしかできていない。だったら民衆の側から本当の改革案を出すチャンスでもある。

では何が必要なのか。まさに「社会的共通資本」に発想だと僕は思うのです。
実は僕はそれは、分権的市場経済の利点は活かしつつ、社会主義のアイデアを融合させていく発想だと考えています。

これに対して「ばら撒き政策」ではどうみてもケインズ主義への舞い戻りしか見えてきません。それではダメだと僕は強く思います。
宇沢理論は僕の理解ではケインズ左派とマルクス派の止揚を目指したもの。2022年はこの点も論じていきます。

社会的共通資本についてはとりあえずこの動画をお示ししておきます。

ともあれ、今回はまだ示唆的なことしか出せませんが、とにかくこの10年間で培ったもの、ため込んだものに一気に点火して進みます。
みなさま。どうか今年もよろしくお願いします。

#資本主義の矛盾をいかに越えるのか #資本主義の中軸産業は軍需産業 #暴力の世紀を越えて #社会的共通資本の思想的可能性 #宇沢弘文 #新しい資本主義 #新自由主義の矛盾 #ケインズ主義

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明日に向けて(2140)義母をお見送りしてきました(1月2日逝去、7日葬儀)

2022年01月09日 21時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220109 21:30)

 義母をお見送りしてきました・・・

みなさま。
元旦にお送りした「明日に向けて」で年賀のご挨拶をお送りしましたが、翌日1月2日に富士宮市に住んでいた義母が逝去しました。

このためその後に、義母の眠る富士宮市に向かい、6日通夜、7日葬儀に参加してきました。
コロナ禍ですが、親せきや近隣の方等多数が参列して下さいました。
いつも多くの方に囲まれながら、とても活発に人のために、地域のために、いろいろなことをされていた義母を彷彿とさせるものがありました。

義母にはたいへんお世話になりました。心からの感謝を込めてお見送りしてきました。
富士宮市から京都市に戻る際、新幹線の中から撮った夕暮れの富士山の写真をお送りします。ちょうど富士川鉄橋を渡った際のもので、富士川に逆さ富士が写っています。

義母は富士山が好きだったので、これからもこの山を見るたびにお義母さんのことを思い出すのだと思います。
たくさんの恩にお応えするためにも、これからの人生、さらに世のため人のためにと頑張ります。あ、それが一番、自分のためでもあるのですけれど。

たくさんお世話になり、いろいろな思い出をいただいたことに本当に感謝しています。
お義母さん、どうもありがとうございました!

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明日に向けて(2139)黒い雨訴訟勝利の意義を広めるために(小山美砂さん講演をお聴き下さい)

2021年12月31日 22時00分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20211231 22:00)

黒い雨裁判についての小山美砂さんの講演録画をアップしました

12月8日に毎日新聞広島支局の小山美砂記者をお招きしたzoom講演会を行いました。
録画を編集してアップしたのでぜひご覧下さい。

主催は京都「被爆二世三世の会」と核兵器廃絶ネットワーク京都。守田がコーディネータ―を務めました。


小山さんの話を通して原告の方たちに触れて下さい

黒い雨訴訟の画期的な地平は、原爆による被爆影響がひどく過小評価されてきたことを暴いたことにあります。このことで長い間、見捨てられてきた黒い雨被爆者が、被爆者健康手帳を取得できるようになりました。
この判決を引き出したのは、黒い雨訴訟原告団の方たち。その多くの方が「福島の方たちのためにも」と頑張られたと聞いています。その原告の中に分け入って取材してきた小山さんのお話を通じ、原告のみなさんに触れて下さい。

またとくに高裁判決は、一審を大きく超えたものでした。ポイントは一審が被爆者認定の条件としていた11疾病を「失当」だとして退け、黒い雨の被害を受ける条件の下にあった全ての人を救済の対象としたことです。
そもそも11疾病とは被爆者と認定された方が罹患した場合、健康管理に労苦が生じるために出される手当の対象疾病のことで、認定の条件ではありません。高裁はこの点を明確に指摘したのでした。


国による高裁判決の無視を許さない

講演後の質疑応答でも充実したやりとりができました。原爆症認定訴訟やノーモア・ヒバクシャ訴訟、そしてまた水俣病訴訟に関わった弁護士の尾藤廣喜さんがコメントして下さったことで、今後の課題も鮮明になりました。
尾藤さんは「国は必ず高裁判決を無化するような態度に出てくる。正念場は今だ。今こそ力を集中しなければ」と語られました。未だ救済されていない黒い雨被爆者を掘り起こし、大きな集団申請を行うことが大事だと。


ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟報告会で話される尾藤廣喜弁護士 弁護団HPより

ところがこの年末に、国は尾藤弁護士が述べたとおりに、高裁判決の骨抜きを始めました。敗訴によって被爆者認定の幅を広げざるを得なくなったものの、高裁判決が退けた11の疾病を、黒い雨被爆者の認定条件としてきたのです。
さらに同様の条件で、被爆者認定を広げなければならないはずの長崎の方たちを、全面的に切り捨てようとしています。あまりにひどい!


黒い雨被爆者の救済はこれから。小山講演を聴いてポイントをつかみあらたな奮闘を!

この点で黒い雨裁判はまったく終わっていません。まさにこれからが正念場です。勝訴判決をきちんと国に守らせなければ。そのためにも小山さんの講演を聴き、ポイントをつかんでください。
取り残されてきた、未だ認定されざる黒い雨被爆者の認定を実現し、医療保障や補償を引き出していくことは、核実験や原発事故で被災したすべての核災害被害者救済にもつながります。

だからこれはあなたの、そして私の課題なのです。張りましょう。
この点について、2022年1月29日(土)午後2時から豊中市中央公民館でお話します。タイトルは「広島と福島をつなぐ希望の判決」です。お近くの方、ぜひお越しください。

#黒い雨訴訟 #広島高裁勝訴 #小山美砂 #高東征二 #京都被爆二世三世の会 #核兵器廃絶ネットワーク京都 #11疾病 #被爆者健康手帳 #福島原発事故 #尾藤廣喜

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12月19日に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。この番組にも触れています。

原発そして被曝から命を守る活動のためにカンパを訴えます。
振込の場合: ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
Paypalの場合:https://www.paypal.me/toshikyoto/500(金額は自由に設定できます) 

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明日に向けて(2138)放射線被曝から命を守るために・・・『放射線副読本』読み解き会にご参加を(1月15日(土)午後2時から大津市にて)

2021年12月28日 22時00分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20211228 22:00)

新春早々に『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を読む会が行われるのでお知らせします!
全3回でBOOKの頭からしっぽまで読み込みます。1月15日(土)午後2時スタートです!大津市で行われますが、zoomも併設なのでリモート参加もできます。


メールアドレスが間違えてます。正しくはyomitokkiradiation@gmail.comです


『放射線副読本』に盛り込まれているテクニックを読み解こう!

『放射線副読本』は読むと多くの人が「もやもや」するBOOKです。放射線被曝の危険性を感じていれば感じているほど「もやもや」します。
何故なのでしょうか。僕が参加する「にょきにょきプロジェクト」が作った『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』でこの理由を説き明かしました。
一番のポイントは「それほど間違ったことも書かないけれど肝心なことも書かない」ことにあります。ウソはそれほどつかないけれど、真実を伝えない=隠しているのです。

第1回の読み解きでは、とくに半減期にまつわる真実を伝えない=危険性を伝えないテクニックをご紹介します。
これまで「読み解きBOOK」を読んだ方の多くが「目からうろこが落ちた!」と言って下さっているところで、必見です
例えばこれは、福島原発事故後に福島に入り込み、被曝の危険性がまったくないかのように吹聴した長崎大学の山下俊一氏が使ったテクニックです。

いや、もっと前に原爆で甚大な被害を受けた長崎に調査に入った、九州大学の石川数雄教授が同じことを語っていたことが、2021年8月9日に放映されたNHKドキュメント『原爆初動調査 隠された真実』の中で報じられていました。
まさに、原爆が使われた直後から繰り返されてきた、被曝影響を小さく見せるテクニックなのです。
反対にこのからくりをしっかり学べば、その分、騙されることが少なくなります。自分だけでなく、多くの人の命を守るために、ぜひみんなでこのポイントをつかみたいです。


第2回は2月19日(土)、第3回が3月19日(土)

「読み解き会」は3回連続で行われます。
月に1回のペース。第2回が2月19日(土)、第3回が3月19日(土)、いずれも午後2時から4時までです。
毎回、守田敏也がアドバイザーとなってみんなで読み解きます。

場所は3回とも滋賀県大津市・生涯学習センター
https://www.city.otsu.lg.jp/manabi/lifelong/c/index.html
資料代として1回あたり1000円(読み解きBOOKは別途)、全3回申し込みで2500円です。
zoomを使ったリモート参加も可能ですので、全国・全世界からご参加ください。

主催は『放射線副読本』読み解き会・有志の会
連絡・申し込み先 080‐3791‐5345(安斎) 090-8523-6857(石堂)
FAX 077-522-6359 Mail:yomitokkiradiation@gmail.com

#放射線副読本 #放射線副読本すっきり読み解きBOOK #にょきにょきプロジェクト #半減期 ナガサキ #フクシマ #山下俊一 #高村昇 #放射線防護

*****

12月19日に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。この連続講演にも触れています。

原発や放射線被曝の危険性の暴露など、取材・執筆活動のためのカンパを訴えます。以下からお願いします。
振込の場合: ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
Paypalの場合:https://www.paypal.me/toshikyoto/500(金額は自由に設定できます)

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明日に向けて(2137)アメリカによる原爆の被爆影響隠蔽を暴いた大スクープが放映されました!(NHKBS1スペシャル)

2021年12月27日 20時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20211227 20:30 1230 20:00改訂)

注目!NHKBS1スペシャル「原爆初動調査 隠された真実」

みなさま。12月29日水曜日午後8時から、大スク―プが放映されました

NHKBS1スペシャル「原爆初動調査 隠された真実」
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/5WP52P5267/

アメリカが原爆でヒロシマとナガサキを襲った後に調査に入り、黒い雨被害をはじめ、被爆影響をかなり隠蔽していたことを暴いたものです。
極めて重要な内容で、今後、大きく、この国や世界の放射線防護のあり方の捉え返しにつながりうるし、つなげなければならないものです。

実はこの番組、初回放送は本年2021年8月9日でした。今回は放送時間を増やした拡大版でした。 (110分)
前回、盛り込めなかった内容があらたに放映されました。


すでに「明日に向けて」で特集

実は8月の時も、ある新聞記者さんから「NHKのディレクターの知人から「すごいスクープを流す」と聞きました。ぜひご覧になると良いです」と耳打ちされて観て、「これはすごい」と身体が震えました。
ちょうど黒い雨裁判での画期的な控訴審判決があった直後でもあり、これは世に広めねばと4回にわたって記事を書いて紹介しました。

明日に向けて(2086)アメリカは長崎西山地区などの深刻な被曝を隠していたーNHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」よりー1
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/a46794d83852e6ff3080a1bccc6fa493

明日に向けて(2087)グローブス少将が残留放射線をもみ消し被爆者を助ける努力も禁止したーNHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」よりー2
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/03113ef43877c5320d1fe439d89a088d

明日に向けて(2088)長崎西山地区の人々は被爆されるままにまかされ観察され続けたーNHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」よりー3
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/b1b3aacffcfa60c991c57b254ff2db49

明日に向けて(2089)科学者たちは国の大義を優先し沈黙し隠ぺいに加担したーNHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」よりー4 
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/1d456f14f518a8c0d35d829fe261bb1d

NHKはせっかく良い番組を流しても、その一回で終わってしまうことが多いので、録画し、画像を切りだして、広く内容を紹介しようとしたのです。


NHKも放送後に番組を詳しく解説

ところが驚いたことに、これと同じことをNHK自身が行ってくれました。
過去にNHKがここまで詳細に放映した番組を紹介したことを見たことがありません。
とにかく画像をたくさん載せ、番組を振り返れるようにしてくれています。すごい力の入れようだと思いました。

原爆初動調査 隠された真実 前編、後編
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/pGrz5p1yMG/
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/pbWlL6vl7n/

そして今回の拡大版の放送。黒い雨裁判の控訴審での画期的な勝訴なども踏まえて、被爆被害に大きく踏み込んで放映しようとしているのだと僕は受け止めています。
多くのみなさんとしっかりと内容を把握し、放射線被曝から命を守る今後の私たちの活動、同時に被爆被害者の救済を進める活動に役立てたいです。とりあえずは8月9日に放送分の文字起こしをご覧下さい。のちに拡大部分もご紹介するつもりです。

#原爆初動調査 #隠された真実 #NHKスペシャル #残留放射線 #グローブス #マンハッタン管区調査団 #戦略爆撃調査団 #長崎西山地区 #黒い雨 #白血病

*****

12月19日に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。この番組にも触れています。

また今回の講演や放射線防護の活動に共感いただけましたら、ぜひカンパでお支え下さい。
講演時に示したウチら困ってんねん@京都の口座でも僕の口座でもかまいません。よろしくお願いします。

振込の場合: ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
他の銀行からの場合は 店名 四四八(ヨンヨンハチ)店番 448 預金種目 普通預金 口座番号 2266615 名前 モリタトシヤ
Paypalの場合:https://www.paypal.me/toshikyoto/500(金額は自由に設定できます) 

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明日に向けて(2136)核に向き合い、核を乗り越える被爆二世(オープニングギャラリートークをご覧下さい) 

2021年12月26日 21時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です (20211226 21:30)

ギャラリートークをご覧下さい

12月13日~19日にかけて、被爆二世の仲間である増田正昭さんの個展が開かれました。被爆者の肖像画で被爆体験を語り継ぐ第4弾です。
オープニングにあたってギャラリートークを行い、僕が司会をして絵の説明や、制作にあたっての思いを話していただきました。
京都「被爆二世三世の会」の仲間も参加してくださり、それぞれコメントしてくださいました。ぜひご覧下さい。

核に向き合い、核を乗り越える被爆二世

個展には、これまでの被爆者の肖像画や原爆ドーム、被爆あおぎりに加えて、長崎の母子像などの展示と共に、既にお亡くなりになっている被爆二世の仲間たちのお母さんの絵、さらに被爆二世の肖像画が加わりました。
それぞれの絵についてのエピソードや思いを増田さんからお聞きしました。
またこの日は、京都被爆二世三世の会に参加されていて、今回肖像画を増田さんに描いていただいた胎内被爆者の三山正弘さんも参加。ご自分の絵の前に立って増田さんと話を交わしました。なおそれぞれの絵につけられている年齢は描かれた当時のものです。

さらに私たちの会の仲間の國府幸代さんのお母様の國府孝(たか)さん、同じく仲間の米重節男さんと妹さんの萩原千津子さんのお母様、米重フジヨさんの絵も展示されました。
お二人ともすでに亡くなられていますが、増田さんが、娘、息子さんたちからの話をじっくりうかがった上で、写真をじっくり吟味して描きあげました。どちらも「まるでほんもののお母さんのようだ」と喜ばれていたのが印象的でした。
ともあれこれらを動画からご覧下さい。


お母様の國府孝さんのことを話される國府幸代さん


お母様の米重フジヨさんのことを話される米重節男さんと萩原千津子さん

なお個展のチラシもご紹介しておきます。
こちらから大きな版も入手できます。
https://toshikyoto.com/press/6984.html


被曝二世の肖像画が登場

今回の個展の特徴は先にも述べたように、被曝二世が登場していること。
日本共産党参議院議員の井上哲士(さとし)さん、被爆二世問題」のzoom講演を担い、「もりもり対談」にもたびたび出演してくださっている森川聖詩さん西河内日本共産党京都市会議員団長の井坂博文さんです。
森川さんと若き日に被爆二世運動を担われた西河内靖泰さん、日本共産党京都市会議員団長の井坂博文さんです。

このうち西河内さんをのぞく三人が、オープニング企画に参加して下さっていましたが、ギャラリートークの予定が伸びてしまう中、井上さんはギリギリでお話していただけませんでした。司会の僕の不備です。すみませんでした!



一方、zoomから参加していた森川さんも次の用事前のギリギリのタイミングでしたが、トークに参加していただけました。その後に井坂さんに現場で話していただけました。ぜひご覧下さい。



これらのトークの中でも、また長崎の母子像の絵の説明などでも、増田さんは「被爆二世は被爆者を支えたり、伝承していくだけの存在なのではない。被爆の当事者として、核を乗り越える存在としてある」と語られました。その自覚に至ったとも。
その思いが「核に向き合い、核を乗り越える被爆二世」というタイトルに凝縮しています。
ぜひギャラリートークをご覧になり、増田さんはじめ被爆二世の思いもシェアしていただけたら嬉しいです。

なお京都被爆二世三世の会編の『語り継ぐヒロシマ・ナガサキ』下巻が12月8日に発刊されました。この表紙に今回、ギャラリーの入り口に掲げられた増田さんが描かれた長崎の母子像の絵が使われています。
ギャラリートークの中で、私たちの会の代表世話人の平信行さんが、この書の説明を行われているのでそれもご覧下さい。

#核に向き合い核を乗り越える被爆二世 #増田正昭 #被爆者展 #被爆二世 #森川聖詩 #オープニングギャラリートーク #被爆の遺伝的影響 #京都被爆二世三世の会

*****

にょきにょきプロジェクト新BOOK 『AFTER TEN YEARS 命を守り育むために 福島原発事故から10年を振り返る』を以下からゲットして下さい!
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核と原発から命を守る活動のためにカンパを訴えます。
振込の場合: ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
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明日に向けて(2135)核と原発の時代をいかに越えるのか、何が大事なのか、思い切りお話しました。ぜひ録画をご覧下さい

2021年12月24日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20211224 23:30)

核と原発の問題について大事なエッセンスをお話しました!

12月19日(日)に「ウチら困ってんねん@京都」「ヨウ素剤を配ってよ@京都」共催で僕の講演会が行われました。
「守田さんの核と原発についてのこの一年の集大成を話してください」と仲間に言っていただいて、練りに練って考えた内容をお話しました。
録画をご紹介しますので、ぜひご覧下さい。共感していただけた場合は、シェア、拡散もお願いします。


台湾からの朗報から話し始めました!

今回は嬉しいニュースから入ることができました。
台湾で12月18日に建設が止まっている第四原発の建設再開を求めるなど、4件の国民投票が行われ、建設反対派が約426万票、賛成派の約380万票を上回り運転再開が否決されたのです。
第四原発は、ゼネラルエリクトリック社が主契約者ながら、日立・東芝・三菱がほとんどの機材を納入した「日の丸原発」と言われるものですが、その建設再開が食い止められました。
このニュースに即して、台湾で作られた映画「演習」に僕が出演したエピソードもお話しました。


左 映画「演習(避難訓練)」の案内 守田が出演 右 台湾北部の原発直近の漁村で 監督、守田、通訳、田崎敏孝さん


左 今は廃炉となった台湾第一原発 原子炉は福島と同型 右 台北市のシンポジウムで発言、隣の通訳の方が素晴らしかった


原発のぜい弱性と危険性を語りました

続いて語ったのは日本の原発のあまりのぜい弱性。耐震性が極端に低いのです。どれぐらいかというとハウスメーカーの建てている家より一桁低い。このことをとても分かりやすく指摘されている、元福井地裁裁判長の樋口英明さんの説明と共に話しました。
しかも原発が事故を起こしたら、一つのサイトだけで日本の半分を壊滅させてしまうかもしれない。そんなものの運転など到底認められないのです。樋口さんは「裁判でも難しい話にしないでシンプルにここを強調すべき」と語られています。
しかしこの樋口理論でたたかった伊方原発運転差止仮処分訴訟が、11月4日にまさかの敗訴。これをどう捉えたらいいのか。樋口英明さんと小出裕章さんとの出会いのエピソードも交えて話しました。




詳細は講演をお聴き下さい!


原発で「不祥事」が重なっている理由を話しました

続いて柏崎刈羽原発で、運転員が他人のIDカードで中央制御室に入ってしまうなど、セキュリティの崩壊を思わせる事態が頻発している理由を述べました。
端的に言って、原子力規制委員会がきちんとした規制をせず、電力会社のウソや言い逃れを度々見逃してきたので、規制委員会は電力会社に「なめている」のです。
しかしそれで現場の職員のモラルも低下し、ひどい事態が頻発していること、だからこそ原発なかなり危険であることを指摘しました。




一部のものが良ければそれで良いという発想が原発に貫かれていることを示しました

こんな危険な原発の稼働を強行してきた人々は、一部のものが良ければそれで良いという発想に立っています。
だからこそ、未来世代に何万年にもわたって危険な核のゴミを押し付ける暴挙ができる。いや現代の世代だって、地球上の人口の約10パーセントで7割の原発を使っているのです。しかも核の汚染だけは地球上の全ての人を襲っている。
この点を考えるならば、核と原発の問題は「エネルギー問題」などではないこと、安全問題(国防問題)であり、倫理問題であり、命の問題であることを強調しました。



だいたいここまでが内容の4分の1から3分の1ぐらいです。
とにかく力を入れてお話しましたのでぜひ全編をご覧下さい。

#2021年の原発放射線被曝問題を振り返る #台湾国民投票 #第四原発建設再開ならず #原発の耐震性はあまりに弱い #原発で不祥事が重なっている #原発は未来世代への暴力 #原発は今の世代にも暴力 #一部のものが良ければそれで良いという発想

*****

今回の講演に共感いただけましたら、ぜひこの活動のためにカンパをお送りください。
講演時に示したウチら困ってんねん@京都の口座でも僕の口座でもかまいません。よろしくお願いします。

振込の場合: ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
他の銀行からの場合は 店名 四四八(ヨンヨンハチ)店番 448 預金種目 普通預金 口座番号 2266615 名前 モリタトシヤ
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明日に向けて(2134)2021年の原発・放射線被曝問題を振り返ってお話しました

2021年12月18日 07時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20211218 07:30 1224 22:00改訂)

この間、何度かに渡ってお伝えしてきましたが、12月19日(日)に「ウチら困ってんねん@京都」「ヨウ素剤を配ってよ@京都」共催で僕の講演会が行われました。
「守田さんの核と原発についてのこの一年の集大成を話してください」と仲間に言っていただいたので、練りに練って考えた内容をお話しました。
以下に録画をご紹介しておきます。



一部の人さえ良ければいいという発想を終わりにしたい

今回、何度もこの講演をお誘いするのは、福島原発事故から10年が経ち、僕の中で大きな思想的な発展を遂げられた、その内容をお伝えたしたいとの思いがあるからです。
この一年、いやこの10年、僕は核と原発のことと向かい合い続けてきました。福島原発事故についての考察を続け、それぞれの原発で繰り返し起こった故障事故などの分析を続けてきました。
その中で本当によく見えてきたものがある。核と原発に貫かれている価値観、思想です。

やはりどう考えてもその奥底には、「一部のものが良ければ、残りの多くの人々が悶絶の苦しみを得ようともかまわない」という発想がある。「残りの多くの人々」には未来世代も含まれます。
わずか数十年のエネルギー使用のために、核のゴミを何万年も管理しなければならない。「残りの多くの人々」が、何万年もまったくエネルギーを得ないのに、危険な核物質の管理だけを託される。
これが「エネルギー問題」でしょうか。そうではない。未来世代への巨大な暴力です。


原発は現役世代にも暴力

いや現役世代だってそうなのです。そもそも核エネルギーの恩恵を受けている人々は、ごく一部でしかない。
2018年現在、世界の原発数は443基。保有している国はわずか31か国です。このうち米、仏、日、中、露、韓、印、加、烏、英だけで362基。約82%を締めます。(烏とはウクライナのこと)。ちなみに他の国はみな10基未満です。
人口がかかなり多い中国(37基)インド(22基)の原発をのぞいてみると8か国で303基。人口は約8億3千万人。世界人口は2019年で約77億人ですから約10パーセントが世界の原発の約7割を使用していることが分かります。


世界原発地図 アフリカ大陸は南アに2基のみ ただし各地からウランが掘られている

原発が10基以上ある国はわずかに十か国

もちろん原発保有国の中でも、原発マネーで潤うのはごく一部の人々。しかも膨大なお金が動きます。日本でも関西電力賄賂問題で一端が露見しました。大多数の人々は恒常的な汚染、被曝労働、核事故のリスクにさらされ続けるだけ。
さらに核兵器を見るとそのほとんどをアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国が独占しながら、核の汚染を世界中に蔓延させています。度重なる核実験で、核施設の事故で、そして核廃棄物のずさんな処理によってです。
その点で核と原発の問題は、エネルギー問題などではないのです。大きな倫理問題です。「一部のものが良ければ、残りの多くの人々が悶絶の苦しみを得ようともかまわない」という価値観を許しておいてよいのかという問題です。

この点があまりに見過ごされてきたのではないでしょうか?その典型が、原発を「エネルギー問題」と捉えることではないか。私たちは、そういう巨大な騙しから、もう本当に自由になりましょう。
19日は、核と原発にまつわる数々の騙しの解き明かしも行いました。ぜひご視聴ください。

なお「原発世界地図」と「国別ランキング」は、尊敬する福島空さんのページ「福島原発事故の真実と放射能健康被害」よりお借りしました。
https://www.sting-wl.com/worldmap.html


12月19日(日)午後6時半からです

★すでに終了しました!録画をご覧下さい!

企画の詳細をご紹介します。
12月19日(日) 18時30分~21時00分  資料代500円
ひと・まち交流館京都3F第5会議室(京都市下京区) にてです。

Zoom参加お申し込みフォーム 
https://forms.gle/SAy8QjWav77sNXuo9
海外からのお申し込みの場合、送金が難しい場合はご無理されなくてかまいません!

主催 ウチら困ってんねん@京都と ヨウ素剤を配ってよ@京都
連絡先 090-5015-5862(守田)

チラシは以下から入手できます。
https://toshikyoto.com/press/6956.html

Facebookイベントページもご紹介しておきます。
https://fb.me/e/echn0l63S

19日午後6時半にお待ちしています!

#福島の今 #復興の今 #被爆問題の今 #2021年の原発放射線被曝問題を振り返る #原爆と原発はつながっている #被曝と正面から向かい合おう #原発反対 #核兵器反対 #原発は未来世代への暴力

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にょきにょきプロジェクト新BOOK 『AFTER TEN YEARS 命を守り育むために 福島原発事故から10年を振り返る』を以下からゲットして下さい!
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