『スカイラー通り19番地』 E・L・カニグズバーグ作 金原瑞人訳
この物語の登場人物たちは、とにかく個性的で、魅力的。
犬のタルトゥーフォさえ、こんなにも愛しいなんて!
主人公はもちろんだけれど、そのおじさん達の魅力は、主人公をしのぐほど。
アレックスとモリスおじさんのことを思うだけで、胸が一杯になってしまいます。
こんな風に年をとりたいな。。。こんなおじさん達が、となりに住んでいたら嬉しいな。
何度もそう思って、ああ、塔の下に立つことが出来たら・・・と、ため息をつきました。
正直に言えば、塔の存続のあり方が、ちょっとだけ不満・・・だったかな。
できたら、塔は、ずっと、おじさん達の傍にいて欲しかった。
塔をめぐる戦いの展開も、もう少し、じっくり、ゆっくり読んでみたかった・・・かな。
けれど、それを差し引いても、面白い作品でした。
なんと言っても、私には、もう一つ、別のお楽しみがありました!
それは、『ムーンレディの記憶』の登場人物たちの、もう一つの物語を読むこと。
『ムーンレディの記憶』の面白さを、持っていかれるという難点はあるけれど、
この、繋がっていくドキドキ感は、たまらないものが!
これこそ、前後逆に読んだ甲斐があったというもの・・・・・・・かな。
そうそう、表紙の薔薇が、あまりにも毒々しくて、最初、気に入らなかった
のだけれど、本をとじるときは、この表紙が、とても好きになっていたということも
追記しておこうと思います。
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私が、この本が好きな理由は、たぶん、初恋の話が好きなことと、ものを作る人が
出てくること。そして、心に残る言葉を見つけたこと。
この本を宝物にしてくれた言葉。きっとこれからも、何度となく思い出すだろうと思います。
忙しくて、周りが見えなくなってしまうようなときには、きっと、立ち止まって
深呼吸して、この言葉を思い出そう。
「よく塔を作る時間がありましたね?」ジェイクがいった。
「いそがないことだ。」アレックスおじさんがいった。「そうすれば時間ができる。」
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そうそう、カニグズバーグの作品は、心に届く言葉があるんですよね。心にぴたっとはまる感じが痛快ですよ。
この物語でものすごく印象に残っていることがあります。ものすごく細部なのですが……主人公がピーターに相談し、ピーターが幼馴染の女性弁護士(後にアメディオの母なんですねえ)を紹介してくれたとき、ピーターが、忙しい人だからすぐに決断してくれるよ。みたいなことを言ったところ。
決断力のないわたしは、そうか~、わたし暇すぎるんだと思ったりしました。
前半はかなり夢中で読んだ覚えがあるんです。でもやはり終盤でちょっとがっかりしたんですよね。塔についての解決方法もそうなんですけど、あと、少女達の忘れっぽさ、爽やかさが、なんだか納得できなくて。アメリカの女の子ってあんなものなのかな、と思ったんですよね。
おじさんたち、よかったですね。ほんとにあんなおじさんたちがいたらいい!
表紙の絵も同感、最初見たときは「?」でしたけど、読み終えてからじっくり眺めてしまいましたよ。ばらにかかった陰の感じまで好きになりました。
「13歳の沈黙」は読まれましたっけ? とっても素敵に成長したローズが出てくるんですよ。これはよかったです。(わりと最近なので結構覚えてるってこと。笑)
お楽しみのため、また読後に読ませてもらうことにしようって、
思ったけれど・・・
『13歳の沈黙』ともつながっているのでしょうか。
楽しみです。
読みたい本が減るどころか、ますます山積みになって、
幸せなことです~。
そしてわたしなど忘れっぽいから、何度でも楽しめる
おたのしみつきですから♪
(ああ!この台詞を控えるのを忘れていたのですよ!
また、借りてこなくては・・・)
カニグズバーグは、そらこさんの「ベーグルチーム・・・」の記事を読んで、読み始めたのでしたっけ。
あの本にも、素敵な言葉がたくさんありましたよね~
私は、まだまだ読んでいない本の方が多いので、
(いえ、まだ全然読んでいないのです)
これから、どんな言葉に出会えるのかが、楽しみでたまりません。
まさに、発見です!
それにしても・・・わたし暇すぎるんだーというのには、笑ってしまいました♪
私も、同じくですよ!!
でも、悩む時間が私を磨いてくれているのだ!
ということに、しておきませんか~
だから、彼女のように出世できないのでしょうけれど(笑)
で、読まなくては!!と鼻息あらくなっています(笑)
カニグズバーグ作品は、「ベーグルチーム・・・」を読んで感動し、新聞のコラムで紹介されていた「クローディア・・・」、続いて「ジョコンダ夫人の肖像」の3冊で止まっていたのです。
実は、某大手ネット書店で、あまりに翻訳の評判が悪いので、どうしようかなーと思っている間に、時間がたっていました。
あまりに、悪い悪いと書かれているので、つい、ひいちゃったんです。
でも、人の意見で敬遠するのは、モッタイナイ!だって、自分の読書なのだもの、自分の目でたしかめなくちゃ!!ですよね。
私って、なんて馬鹿なんだろう。。。と、つくづく、思いましたよ。
是非、読んでみようと思います!!
アメリカの女の子は・・・
私も、確かに、あの場面で、ひいた一人です。
でも、子どもたちのイジメって、悪気がなくて、ゲームみたいで、、、
だからきっと、アメリカでも日本でも、導いてくれる?大人さえいれば、幕が引かれるものなんじゃないかなって気もするのです。
(あの解決には、私も不満なんですけど)
はじまりは、ゲームで、悪気はなくて。だからこそ、始末に終えないんだろうなあ。
でも、今までの作品を読み込んでおられるから、
きっと、私とは違った楽しさが待っています!
ちょっと、羨ましい!!!!!
私は、逆に読んでいく形になりますが(笑)
ぱせりさんから教えて頂いた本から、まずは、
読んでみようと思いますよー
でも、カニグズバーグさんの作品は、ジェットコースターみたいで、
途中でおりれない~という状況になりやすいので、
家事に支障をきたさないように、注意したいと思います。
実は私カニグズバーグ作品はまだ一冊も読んでいないのです。『ベーグルチーム~』と『クローディア~』は読む!と決めていて、いつ読もうかしらと楽しみにしていたんですが、他にもおもしろそうなのがたくさんなんですねー、読みたい本が目白押しで困ってしまいます。
先日『カッレくん』のシリーズ三冊を読み終え、今余韻にひたっているところです
どんどん離れていく長男と一緒に読める本を日々模索中で、いつも、こももさんのご紹介を参考にさせていただいているんですよ。ありがとうございます。これからも楽しみにしていまーす!
コメントをありがとう♪
私も、息子の卒業式にプレゼントしようかと
読んだのですが、この2冊は、ちょっと、息子には
まだ、難しいかもしれないなと思っています。
スカイラーは、いけるかもしれないけれど。
「ベーグルチーム」は、読みやすいので、おススメです~♪
「カッレくん」読んだのですねー。
余韻に浸る気持ちわかります。
なんで、3冊なの?って思いますよね。もっと、もっと、書いてほしかったです。
カニグズバーグさんには、是非とも、長生きして頂かなくては!