『魔女になりたかった妖精』
カルル・クヌート絵 ブリジット・ミンヌ文 目黒実 訳
子どもは、親の人形ではない。
親の価値観を、決して、子どもに押し付けてはいけない。
もちろん、頭ではわかっているし、そうしないようにと、自分にブレーキをかけたり
するけれど、でも、やっぱり・・・・・・レールに乗せようと頑張っている母が、ここにも一人。
それは、子どもを愛しているからこそで、どうか、将来、困らないようにとか
苦労をさせたくないとか、そこから生まれてしまうものなのだけれど、でもそれは、
やはり、親のエゴなのだろうな。
上品でお行儀よく、優雅な妖精。
けれど、妖精の女の子ローズマリーは、魔女になりたいのだと言うのです。
もちろん、ママは反対し、それなら魔女の森に一人でお行きと言い放ちます。
すぐに逃げ帰ってくるかと思った娘が、魔女の森で、たくましく暮していると知った
ママの戸惑い、驚き、悲しみ・・・・・・・・そして、気づき。
絵本を広げているママもまた、同じように、胸が痛みます。
大人であり、親である、絵本のこちら側のママは、思います。
「これは、絵本だから。世の中、こんなに甘くは、ないよね。」と。
でも、甘くなくても、それを選んだのは自分自身。それには、変わりないのですよね。
本当の愛情とは、例え、魔女たちに、ボロボロにされて逃げ帰ってきたとしても、
「お帰りなさい。」と、笑顔で言えることなのかもしれない。
かもしれない。かもしれない。でも・・・
母の心の葛藤は、そうやって、終わりが見えないようです。
そしてまた、ローズマリーのように、自分で選んだ道を、ずんずんと歩んでいける子
ばかりでなく、自分を殺してまでも、親のレールに乗る子もいるのだろうなあと思うと、
また、母の葛藤は、深い森に迷い込むようです。
でもどうか、この葛藤だけは、忘れないようにしようと思う。
何よりも尊く、何よりも強い、「愛情」という大きな力。しかし、その大きさ故に
一番大切なことを見失ってしまうことが、きっとあるはずだから。
自分の愛情が、間違った方向を向いてはいないか?
そんな風に、冷静に自問自答する時間が、もしかしたら母親には、必要なのかもしれない。
愛が大きすぎるが故に。
何より、絵が美しい絵本でした。ローズマリーの服の色が好き。
ピンクは、女の子のために選ばれた色なのだそうです。(長田弘「記憶のつくりかた」より)
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「親の二の舞を踏ませないように」と口出しをしてしまうこと、ついやってしまいます。
心配でたまらないの。
親はもっと勇気を持って、子供を信じ、子供が持っている力を信じなければなぁと思います。
…思っていてもまたポロッと言っちゃうんですけでどね~、成長と学習が足りない母です。
深く頷いてしまいました。
子育てに段階があるとしたら・・
次のステップに入ってるんだなーと日々思う毎日。
子育てなのか、子育ちなのか、親育ちなのか・・・
まったくわからなくなってしまうけれど、
大事に思っている気持ちが、いつか届くように、
それだけですよね。
今はその気持ちさえ、重くてうっとうしいのだろうけれど、
いつかきっとという想いで、この絵本を読み返しています。
この絵の配色、すてきですよね。よかった♪
よく考えれば、楽しく生活しているのだから、
二の舞だって、ちっともかまわないのに。
ついつい・・・なんです。
子どもが持っている力を信じる。信じるってとても、難しいものなんですね。
それは、絶対!と確信していますよー。
でも、でも・・・・・やっぱりなんですよね(笑)
人の心とは、なんと難しいものでしょうか。
母道は、まだまだ、深し。
私も、ともに精進いたします。
また、素敵な絵本を教えて下さいね。
これからは大山の紅葉が綺麗な季節ですね。
一度ライトアップしたものを見に行きたいのですが・・
毎年なかなか叶いません。
さて、この絵本、つい先日お友達のブログで知りました。
こももさんも読まれていたのですね。
私も今年は真ん中ちゃんの受験を控え、いろいろ思うことが多いです。
基本的には本人にまかせているつもりなのですが、子どもって実は親が本当は何を望んでいるかを敏感に感じ取っていますよね。
終わってみれば、親がひそかに願っていたところに落ち着いていたりして・・
私は自分がどんな母親なのかはいまだにわかりません。
愛情がイマイチ薄いように思えて仕方がないときもありますしね。
素敵な表紙でしょう?
中は、もっともっと、素敵なのですよ。
真ん中ちゃんは、受験ですか。。。
以前、みなで会ったときに、塾のお話されてましたよね。
>子どもって実は親が本当は何を望んでいるかを敏感に感じ取っていますよね
本当にその通りだと思います。
私なんて、無言のプレッシャーバチバチですよ(苦笑)
言葉にもするときがあるし。。。
ですから、考えることがたくさんある本でした。
我が家のワンコくん、東○竹のセブンイレブンまで行けるようになりました!
車を見ると、とびかかってしまって、大きな通りは、禁止だったのだけれど(笑)
ようやく、ようやくです。
yokomokoさんのお家の方に渡れる日も近いかな!?
絵、ほんとにきれいですね。
こってり塗っているのに、透明感もあり・・
こももさんの仰るように、親に反発できずに、与えられたレールに
気持ちを抑えてのってしまう子は、確かにいるのでしょうと思います。
なんだか、胸が痛みます。
こと最近、自分のことは棚に上げて正しさを押し通す私は
きっと母として重たいだろうなーって思うので。
痛い思いしても、なかなか治らないな・・
「愛があるから・・」と、そのことに甘えないようにしなきゃいけないなーって思いました。
思いやる心、そこに尽きるのかな?
「愛」の眼鏡がかかると、つい、思いやりすら
忘れがちになりそうです。
気をつけないと。。。
私も、正しさを押し通すタイプで、以前、息子に
「お母さんが、なんでも正しいんだもんね。」
と、皮肉られたことがあります。
母の口には勝てない息子の、せめてもの反抗。
かなり反省した母です。
でも、やっぱり、演説しちゃう癖が抜けません。
母道は、本当に厳しいデス!