ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『わんわん なにしてるの』

2009-11-02 14:08:35 | 娘と読んだ絵本のこと

 『わんわん なにしてるの』 ひろのたかこ

来春からお世話になる幼稚園の未就園児クラスに、週に一回通っています。
小さな園舎に、あふれるばかりの絵本たち。この幼稚園を選ぶ理由の一つです。
娘は、教室の奥にある絵本コーナーが大好きで、自由遊びの時間には、必ず一回、
そこに行くのです。

次から次へと、絵本を持ってくる娘。
何冊読んでも、じっと座って聞いていた息子と違い、大抵が、母に、絵本を渡す遊び
の娘なのですが(トホホ)、お気に入りの本が2冊あって、これだけは、「読んで!」
とせがみ、ちゃんと、最後まで聞いています。
先日、その二冊のうちの一冊を図書館で見つけ、借りてきました。

子犬のわんわんが、ボールをおいかけたり、スリッパをかじったり。
一番のお気に入りは、うんちをするところ。
本当に、こうやって、うんちをするんだよね。耳を後ろに倒して、お尻を下げてね。
おうちでも、飽きずに何度でも読んでいます。

犬は、全部、「大くん!」と呼ぶ娘の大好きな一冊。
幼稚園を卒園する頃には、どのくらい、お気に入りの本が増えているのかな。
(もう少し、落ち着いて聞けるようになるかな?)
11月1日は、幼稚園の面接(一応)でした。小さな小さな教会の幼稚園。
来春は、めずらしく!?いつもより、たくさんの新入園児が入りそうです。


『完璧な病室』

2009-11-02 14:07:41 | わたしの読書

『完璧な病室』 小川洋子

博士やミーナのような作品も好きだけれど、やっぱり、「これぞ、小川洋子!」と唸らせる
この本のような、作品が好き。いや、大好き。
はじめて、この方のエッセイを読んだとき、小川洋子という人が、あまりに普通の、素敵な女性なのに
驚き、違和感を抱いたのを覚えています。
以来、エッセイを読むときには、必ず、自分に「これは、エッセイだぞ!」と言い聞かせているのです(笑)
もちろん、エッセイだって面白いのですが、小川洋子さんが、私と同じ普通の世界に住んでいることが
どうしても、自分の中で消化できないのです。

それくらい、小川洋子さんの こういう作品が好き。この文体。素晴らしい。
グロテスクで、官能的で・・・・・。
読んでいるうちに、誰も知らない遠い場所に、たった一人、閉じ込められてしまったような感覚に、
襲われます。無機質な空間に、たった一人、閉じ込められたような・・・。
恐ろしくて、気持ちが悪くなって、何度も本を置きました。

本を置いたら置いたで、今度は、自分の身の回りのものを、小川洋子風に言葉にしたくなる自分が
いて、途中で、そんな自分に気づいて、おかしくなりました。
例えば、部屋の隅の埃とか、暗くなった電球とか。
そんなものが、とてつもなく重大で、何か秘密を隠し持っているように思えてくるから不思議です。

児童小説の合間の読書には、ちょっと、毒気が強い一冊でした。
でも、本当に面白かった。

死病におかされた弟を看病する姉の話『完璧な病室』と、認知症を患った親代わりの祖母を
施設に入れる女性の話『揚羽蝶が壊れる時』の二話が、収録されています。
劇的なストーリーがあるわけではない。本当に、ただ、それだけの話。
でも、人の心理を揺さぶるのに、劇的なストーリーは必要ないのです。