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ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『ながいながい旅』エストニアからのがれた少女

2009-06-13 00:35:58 | わたしの読書


『ながいながい旅』エストニアからのがれた少女
絵・イロン・ヴィークランド 文・ローセ・ラーゲルクランツ 訳・石井桃子

アストリッド・リンドグレーンの写真集と共に借りてきた絵本。
アストリッドの作品の多くにに、イロン・ヴィークランドという画家が挿絵を描いています。
ああ、あのロッタちゃんの頑固で愛らしい顔!
彼女がどうして、絵を書くようになったのか・・・
その訳が、その生い立ちが、この絵本に綴られています。

切なくて、悲しい、少女の物語。
この地球から戦争がなくなる日が、いつか、きっと訪れると信じたいと
願わずにはいられませんでした。
どうかどうか、小さな女の子が(男の子が)、こんな悲しみを背負わず、
平穏に、楽しく、遊んで!暮せますように。

写真集で、イロンとその犬の写真を見つけたときは、感激しました。
写真集とともに手にすることが出来て、とても幸せです。


『愛蔵版アルバム アストリッド・リンドグレーン』

2009-06-13 00:27:44 | わたしの読書


『愛蔵版アルバム アストリッド・リンドグレーン』
ヤコブ・フォシェッル 監修
石井登志子 訳
岩波書店

見ごたえのある写真集でした。このボリューム!すごいです。
エーミール、ピッピ、カッレ。私と息子
が読んだアストリッド・リンドグレーンは、
そんなに多くはないけれど、それでも息子は、好きな作家は?と尋ねられれば、
必ず、「リンドグレーン!」と答えます。(たぶん、今も)

私たち親子にとって、大切な宝物・アストリッド・リンドグレーンの作品たち。
ああ、あの作品は、この人でなくては、生み出すことが出来なかったのだなと
大きく納得できる写真集でした。
両親の恋愛から始まって、彼女の生涯を丁寧に綴る写真集。
結婚したいとも思わない男性の子どもを身ごもったことや、優秀なキャリアウーマン
だったこと、政治や子どもの人権活動にも力を注いでいたことなど、知らないことが
たくさんあって、アストリッド・リンドグレーンという一人の女性に、すっかり魅了され
てしまいました。

一番心に残ったのは、遊びの章。
冬。息子さんとダンボールで、そり遊びをしていて、なんと、お尻に穴をあけてしまい
帰り道、息子さんは、お母さんの後ろにピッタリくっついて帰らねばならなかった
というエピソードには、思わず、声をあげて笑ってしまいました。
遊んで、遊んで、遊んで!遊ぶことが大好きだったアストリッド・リンドグレーン。
作品の中に登場する遊びも、ほとんどが、彼女が、子どもの頃に実際に遊んでいた
ことそのものなのだそうです。
現実の聖像争奪戦。なんて、楽しそうなんでしょう!!

「今までの人生はずっと、かなり面白かったと思うの。でも、一番面白かったのは、
子どもの頃。それは否定できません。」
そしてこの子ども時代を、横路媚やインスピレーションの泉としてアストリッドは
いつもそばに携えていた。この国のほとんどの読者は、ピッピの“生命の丸薬”
になんの疑いも持たない。
高齢になったアストリッドは、満足そうに打ち明けたそうである。
「何度も危ない目にあったわ。」

彼女の作品すべてに流れているメッセージ。それは、たった一つなのかもしれない。
子どもたちよ、たくさん遊びなさい!
豊かな子ども時代が、豊かな心を育み、それは、豊かな智恵と想像を生み出す。
そして、様々な困難に立ち向かう盾となり、槍となる。
私たち大人にできることは、そんな子どもたちを、ただ、見守ってあげることだけ。
いつでも、どんなときでも、安心して帰ることができる場所であること。
ただただ、胸に深く刻みました。

自分では、とても手が出ない高価な写真集。
貸して下さった図書館に感謝。
でも、この内容でこの値段は、かなりのお値打ちだと思うのでした。