今だったら、
どんなに風体の怪しい人間が
不審尋問されても
「私はこれこれこういうものです」
と言って
免許証や身分証明書を取り出せば、
それで納得してもらえますけれど、
そういうIDがない前近代においては、
「きちんと型が使える」
ということしか
その人のアイデンティティを
担保するものがなかったのです
型の文化というのは、
習得すれば誰にでも
身につけられるという点では
開放的なものです。
誰でも自分が選んだ型に
ピタリとはまりさえすれば、
とにかく社会的ネットワークの中では
それとして認知され、
機能するわけですから
「疲れすぎて眠れぬ夜のために」
著 内田 樹
身分証明書がなければ
どんな手続きもできない時代
それはそれなりに必要なことであり
自分の生命財産を守るためのルール
しっかりと法の定めに遵守せねば
でも自分の外観
ファッションやメイク
これもまた楽しい
どこから見ても遊び人
あの目つき
あの人は警察関係
あの人はいつもカジュアル
と、えてして
話題豊富な外観批評
自分としては小奇麗に品よく
個性を表現するなど不要
礼儀、立ち居振る舞い
にだけは気を使い
名刺に頼る生き方はしたくない
とはいえ、その名刺と共に
生きる人生もあとわずか
早起き鳥
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