私が酒を飲むに理想とするのは
吉井勇の有名な小唄の境地です。
〽︎だまされているのが、遊び、
なかなかに、だますお前の手の旨さ、
くいな聞く夜の酒の味
これはもう何をいって
挟む余地もない見事な心境。
この余裕、この粋さ加減、
この境地で味わう酒の味というのは
どこかほろ苦いに違いない。
これは若造にはわからぬ、
またわかりたくもない境地でしょう。
「老いてこそ人生」
石原 慎太郎 著
「くいな聞く夜の酒の味」
これだけでなんとも粋な飲み方
「くいな」という夏鳥の
かすかに聞こえる鳴き声を
聞きながら夏の夜を
綺麗で小粋なお姉さんと杯をかわす
なんともはや、粋と言おうか、
これほどの風情がありましょうや
だまされているのが、遊び、
どっちがどっちをだまし
だまされているのやら
なかなかに、いや本当になかなかである
くいなも酒も飲む相手も小粋で
いかにも爽やかで
こんな酒の味わいが
あるんだなと思える自分も
えらく年をとったものだ
早起き鳥
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