全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

OKICA

2014-02-21 05:33:23 | 気になる 沖縄

 沖縄都市モノレール(ゆいレール)、沖縄本島のバス事業者4社(琉球バス交通、沖縄バス、那覇バス、東陽バス)が、2015年度をめどに導入を予定しているIC乗車券の名称。
 沖縄県が一般公募の中から採用したカード名称・デザインを発表。
 「OKICA」は「OKINAWA IC CARD」の略。沖縄県初のIC乗車券。
 名称は読谷村立渡慶次小学校*5年女子児童による。

--◇--  --◇--  --◇--

 OKICAは沖縄県以外のIC乗車券と互換性がない。開発費維持費が沖縄の企業としては負担が大きいからとの理由である。
 カード運営会社「沖縄ICカード」はモノレール社とバス4社などが出資し、5社から徴収するカード精算手数料などが主な収入源となる。ゆいレールでの導入は’14年10月、バスでの導入は’15年4月を予定。3年目の黒字転換を目指している。
 バスの車内読み取り機やモノレールの改札機、券売機などの機器整備は、一括交付金による県の補助金約20億円で賄う。
 県外交通カードと連携しなかったことについて、同社仲吉社長は『全国の企画に加入すると開発費が現在の倍となり、毎年の維持管理費も億単位となる。沖縄の企業の体力では難しい。沖縄独自だと全国規格ではないものも自由に作れる』と説明しているとのこと。

 この部分は、琉球新報記事『IC乗車券、来年10月開始 モノレール先行』(’13/11/26)他を参考にまとめた。特記する。

--◇--  --◇--  --◇--

 【沖縄リピーターの僕の考え】

 どうなんだろう。いろいろ理由はあるが、決済機能と他の交通系ICカードとの連携(互換性)は大事ではないか。
 OKICAはスタート時点では「ゆいレール」と「バス」乗車券・定期券の代替品でしかない。他の交通系ICカードとの互換性も電子マネー決済機能はもたない。でも、いずれそれらをつけざるをえないだろう。交通系ICカードは、「小銭いらず」が大切なのだ。OKICAはゆいレールやバス利用者のためのもの。それは誰かを考えてみるべきだ。
 現在ゆいレールは那覇市内だけのものである。延伸するけど隣接市の浦添市まで。両市の推計人口(’14/1/1現在,以下同じ)合計は43万人を超える程度。沖縄県の人口も140万人台である。この人たちだけをOKICAの販売ターゲットにしても、成長(販売数・利用者数すなわち収益)にはおのずと限りがある。釈迦に説法ではないが、交通系ICカードは駅やバス以外でも使われないと、収入が増えないものだ。
 沖縄県では約3年前('11/4/26)から、Suica系交通カードが利用可能である。ローソンは県内全店舗で利用可能。昨年までに、イオン・マックスバリュは県内の全店舗で、ファミリーマートはまだ一部だが利用できる。沖縄県では以前から「Edy」がかなり使える。その上Suica系交通カードも進出・浸透しつつある。将来的にOKICAに独自の電子マネー機能をつけても、登録店が増えない。利用者が増やせない。
 Suica系交通カード導入時の報道では、『いずれは「第一交通産業(沖縄バス)」への導入も検討、モノレール、バスなどへの導入も視野に入れる』ということだったが、交通機関は別になったということだ。やはり、できるだけ早期に他の交通系ICカードと電子マネー機能も含め互換性をもたせ、利用者、特に観光客の利便性を向上することを考えないといけない。ビジターである日本各地からの観光客は不満を持つ。特にゆいレールは何とかするべきだ。交通系ICカードとしてガラパゴス化することは、なんとしてでもさけなければいけない。
 仮に駅やバスだけとしても、平成24年度、他都道府県から沖縄を訪れた観光客は550万人(下記)を超えている。沖縄には毎年たくさんの観光客が来るのである。この人たちは、空港からレンタカーや観光バスでリゾートホテル、観光地に直行したり、戦跡見学の場合もある。でも那覇市内観光の移動は、ゆいレールを使うのではないか。自分のもっているSuicaが使えない。利用者は不便を感じる。使えれば絶対使う。一度経験した「便利」の感覚は、うしなうとつらいのだ。ショッピングの利用者ニーズもある。この人たちを取り込む。収益にplusのはずだ。OKICAと他の交通系ICカードとの互換性、電子マネー機能。いずれもついているのが当たり前、使えて当然と感じる観光客がいる。その人たちの当たり前をめざしていけば、利用者は増える。精算手数料が入る。
 もともと陸上交通イコール自動車の沖縄である。ここでどう成長作戦を描くのかを間違えるとまずい。互換性や電子マネー機能をもたせることを出費と考えるのではなく、日本中のICカード利用者を取り込むことができるかもしれないビジネスチャンスと捉えるべきだ。社長のコメントも、「したくない」というニュアンスではない。お金が足りないのであれば、できるだけはやく、追加の出資者さがすべきだ。

 で、いつから販売なのかな。僕はほしいぞ。買いたいな。。。

 ねっ、こんな沖縄リピーターは僕だけじゃないはずだ。

+++++ +++++

 *渡慶次小学校(「とけし」と読む。)
 2008年3月、僕は残波岬に宿泊した。3月30日、読谷村歴史民族資料館からの帰り道、同小学校前を歩いた。幼稚園が小学校前の道路をはさんで併設されていて、専用の陸橋があった。同小から200m弱で、’08年5月3日に取り上げた、「アタトーヤー(渡慶次之殿)」がある。

 平成24年に沖縄を訪れた人数については、『観光概要 平成24年』(「Be.Okinawa」 平成25年9月沖縄県発表)の『第Ⅱ章』に詳しい。
 以下で閲覧可能である。(’14/2/20現在)
 沖縄県ウェブサイト
 (新しいウインドを開きます。)
  ↓
 産業・仕事
  ↓
 観光
  ↓
 調査・報告書
  ↓
 観光概要
 ・平成14年からの資料が閲覧できる。

+++++ +++++

 渡慶次は「とけし」が正しい。(’17-11-20訂正)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする