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【質問】現在、カトリック教会は危機に襲われているのでしょうか?

2007年03月05日 | 質問に答えて

アヴェ・マリア!


【質問】
 現在、カトリック教会は危機に襲われているのでしょうか?


【答え】
 はい。第二バチカン公会議後、人々は教会に新しい聖霊降臨と春が訪れると期待していましたが、実際にはその反対のことが起こりました。教皇パウロ六世は1969年に教会が「自己破壊」をしていると言いました。


 『歴史に輝く教会』(南山大学)1969年発行によれば、すでに「公会議後の諸問題」(pp.535-579)という題の論考は、教会における危機、エキュメニズムの危機、司祭職の危機、権威の危機、信仰の危機について語っています。


 数万の司祭が司祭職をうち捨て、多くの修道者、修道女たちが世俗の世界に戻りました。ヨーロッパと北アメリカでは召命が激減し神学校や修道院が続々と閉鎖されました。多くの小教区では司祭が不在で修道会は以前経営していた学校、病院、その他の施設を放棄してます。


【司祭】
 統計によると、1962年から1972年の10年の間に、21,320名の司祭たちが司祭職を放棄して信徒の身分に戻りました。ただし、これはローマに還俗の許可を求めて許可が下りた人々の数であって、「蒸発」してしまった司祭たちの数は含まれていません。1967年から1974年の間に3万から4万名の司祭が召命をうち捨ててしまいました。この悲劇はプロテスタント主義の出現によって失われた召命とは比較にならないほど大きいものです。


【修道者の召命】
 女子修道会に関して、ラッツィンガー枢機卿がこう言っています。
「六〇年代の初め頃、ケベックはまだ六〇〇万人の人口に対して、世界でも最も修道女の数の多い地方であった。ところが1961年から81年にかけて、脱退、死亡、入会志願者減少などで修道女の数は、46933人から26294人に減った。なんと44パーセントの減りようで、とどまるところを知らぬありさまであった。同じ時期に、入会志願者の数は98.5パーセントも激減した。そのうえ、残りの1.5パーセントの大部分は若い女性ではなく、"熟年証明者" であることが確かめられた。従って、このデータだけでレポートを作成した社会学者たちは次のような辛辣で客観的な結論に合意した。「今後短い期間に(すくなくとも人間的観点からはまったくありえない傾向の逆転でもないかぎり)私たちの知っている女子修道生活は、カナダではただ記憶としてしか残らないだろう。」(信仰について pp132-133)


【神学生】
 フランスでは1950年代、毎年約1000名ほどの司祭が叙階されていました。1990年代では毎年100名程度しかありません。
 ドイツでは1986年には、神学生と修道志願者の総計がそれでも727名ありました。しかし、1996年には232名しかありませんでした。


【平信徒】
 1958年、35パーセントのフランス人たちが毎主日にミサ聖祭に与っていました。2004年にはわずか5パーセントにすぎなくなりました。
 1950年、90パーセント以上のフランス人が子供に洗礼を授けていました。2004年には60パーセント以下が子供に洗礼を授けるのみです。


【成人受洗者】
 フランスでは毎年平均12500名がカトリックに改宗して洗礼を受けます。同時に、毎年30000名がイスラム教徒になっています。
 1970年から1993年のあいだに190万人のドイツ人がカトリック教会から公式に背教しました。その理由は彼らにとってカトリック教会が意味をなさないから、重要ではないから、でした。この調子では、カトリック教会はもうすぐドイツにおいてごく少数のマイノリティーに成り下がることでしょう。
 これらは全世界で起こっていることのうちで、目立っていることにすぎません。たとえば、ラテンアメリカでは、急速にプロテスタント化しつつありその速度は16世紀のドイツで起こったものよりもはるかにしのぐものです。1900年、ブラジルでは3パーセントだけがプロテスタントでした。2004年には16パーセントになり、毎年加速してます。リオデジャネイロでは、毎週(!)平均5つのペンテコステ派の教会が立てられています。「対話のための教皇庁委員会議長」のフランク・ロデ神父は1993年に、ラテンアメリカでは毎年カトリック教会は60万の信徒たちを失っている、と報告しています。別の統計によれば、ラテンアメリカでは毎日(!)8000名がセクトに改宗しています(Present, 22 mai 1993)。


【信仰の危機】
 カトリック信仰は、特にヨーロッパにおいて消滅しつつあります。天主の存在、イエズス・キリストの天主性、天国、煉獄、地獄などを信じる人々はますますいなくなっています。自分のことをカトリック信徒だと言い、頻繁に教会に通う人々でさえも、基本的なカトリック信仰を否定する人がますます増加しています。


【道徳の危機】
 信仰の危機に伴って、道徳の危機があります。残念ながら、多くのカトリック信者たちは「この世の子ら」、信仰を持たない人々と同じような生活を送っています。忠実、純潔、正義、犠牲心などはカトリック信者においてもますます蔑ろにされつつあります。
 ドイツでは、3組に1組が結婚の5から10年後に「離婚」をし、その後「再婚」しようとするカトリック信者がますます増加しています。1984年の統計によると、カトリックの強いドイツのチロル地方では、84パーセントが避妊に関する教会の教えを拒否すると答えています(Herderkorrespondesz, Marz 1984)。18歳から30歳の回答によると、避妊に関する教会の教えに全く同意すると答えたのはゼロに等しく、1.8パーセントしかありませんでした。
 フランスでは2003年の統計によると、カトリック信者の4人に1人が「罪というのはたいして意味をなさない」と答えています。

 

【聖職者の危機】
 召命の激減という危機の他に、聖職者の多くは信仰を失ってしまっています。


 カトリック信者の信仰が危機にあるのは結果です。その原因は、聖職者達の信仰の喪失の危機です。司祭は自分が信仰を失うだけではありません。他の人たちの信仰を失わせます。たとえば、司祭たちが主日のミサで信仰に反するようなことを説教することによって。公教要理を教えないことによって。信仰の真理に疑問を挟む、相対化させる、あからさまに否定することによって。

 


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●聖ピオ五世教皇 大勅令『クォー・プリームム』(Quo Primum)
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●新しい「ミサ司式」の批判的研究 (オッタヴィアーニ枢機卿とバッチ枢機卿)Breve Exame Critico del Novus Ordo Missae
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