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聖ピオ十世会創立者 ルフェーブル大司教の伝記 16.8.4.聖ピオ十世会第三会

2010年04月01日 | ルフェーブル大司教の伝記
聖ピオ十世会第三会

 1971年5月28日、聖霊降臨の大祝日の前日、一般信徒たちが数人、エコンまでルフェーブル大司教に会いに来て言った。

「大司教様、御会には修道会第三会のようなものはないのでしょうか?一般信徒たちは、あなたの仕事に参加出来ないのですか?」

「なるほどそうですね、本会会則は『聖ピオ十世会はまた、当会の目的達成のための仕事に協力する事と、自身の聖化の為に与えられる恩寵によって利益を得ることを望む準会員なる人々をも、司祭、一般信徒を問わず歓迎する(Ⅳ.4)』と言っていますね。」

「では、あなたは私たちを、御会最初の第三会会員として見做すべきですよ、大司教様。」

「そうですね!しかしちょっと待って下さい。本会会則の内容にそれとなくほのめかした以外には、私はこれについて何もしていなかったのです。ですから、一息ついて、それについてとくと考えさせて下さい!」

 大司教がついた“一息”は十年間であった。しかしながら、1973年になると、それまで聖ピオ十世会の財政管理の面で彼を手伝って来てくれていた聖霊修道会会員の献身的な有志者たち、つまり、フリブールのクリスチャン・ウィンクラー(Christian Winckler)修道士と、パリのマルセル・ミュラー(Marcel Muller)神父をそれぞれの修道院に送り返すことを考えた。各々長上たちがそれを願ったからである。その時、大司教は言った。「一般信徒からなる第三会は、この種の仕事に役立つだろう」と。

 しかしながら、霊的目標こそが、依然として彼ら第三会会員たちにとっての最重要事項である。彼らは、“ミサの聖なる屠り(immolation)に基礎を置く私たちの霊性”を生き、さらに、“常に、全く真実で変わることのない愛の源であるイエズスの聖心の宝庫である、私たちの信仰の偉大な神秘にますます深く入る”だろう。

 それにもかかわらず、聖ピオ十世会第三会 は、1981年1月29日になってようやく創立された。これは、聖ピオ十世会顧問会が、大司教によって1980年の末に書かれた第三会会則を公布した日であった。聖ピオ十世会第三会会員たちは、“犠牲と共贖(聖主の贖罪の業に共に協力する)”からなるキリスト教的生活を送ると共に、不可謬な教導権や、トレント公会議の公教要理、ヴルガタ訳聖書、天使的博士(聖トマス)の教え、さらに永遠の典礼などによって表現されている聖伝に忠実でなければならない。

 第三会会員たちの義務は要求が多く難しいのだろうか?そうでもない!これはバランスがとれており、熱心な信徒たちから期待出来る事の範囲を超えることがない。非常な困難を伴うような事は一切なく、テレビ視聴を止める事でさえ、それ程辛い事ではない。しかし、第三会会員たちが共有する会則は、個人主義を克服し、良い励み合いを刺激し、何よりも愛徳と献身の水準を最大限に高める。従って、聖ピオ十世会第三会は、聖ピオ十世会の各修道院において修練する献身的な霊的精鋭を養成するのである。

聖ピオ十世司祭兄弟会 (FSSPX) 創立者 ルフェーブル大司教 伝記 目次
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