モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

ラムズイヤー(lamb's ears)の花

2009-05-22 08:24:14 | その他のハーブ
(写真)ラムズイヤーの花


ラムズイヤーの原産地は、コカサス山脈を中心にトルコからイランに向かって、乾燥した冷涼な地に生息する。

水分を蓄積するためにサボテンのような硬質な葉があるが、ラムズイヤーは、フェルト或いはバックスキンのような柔らかい毛で覆われた厚めの銀白色の葉を持ち、古には傷口をおさえる包帯として使われたともいう。

花は5月末から咲き始め、1㎝程度のピンクの花がネックレスのごとく花穂を飾る。色彩感に乏しい荒涼とした地では、一粒の宝石のような輝きをするのだろう。

高温多湿を嫌うので、梅雨の時期には雨のあたらないところで育て、風通しを良くするように密集した葉・茎を取り除く。
冬場は耐寒性があるので戸外でも育てられるが、根元をマルチングして霜に直接当たらないようにする。

最近では、コンテナ栽培や庭の色彩をコーディネイトする時に欠かせない色合いであり、葉の色が灰緑黄色の美しいプリムローズヘロン(Primrose Heron)など園芸品種が結構あるので、庭をコーディネイトする時に検討すると良さそうだ。

(写真)ラムズイヤーの葉と花
        

ラムズイヤー(lamb's ears)
・シソ科スタキス(和名イヌゴマ)属の耐寒性がある多年草。
・学名はStachys byzantina K.Koch (=Stachys lanata )。英名Lamb’s ears、和名ワタチョロギ、別名スタキス。
・原産地は、西アジアからコーカサス(イラン、トルコ、アゼルバイジャン、アルメニア)
・草丈は30センチでほふく性があるので横に広がる。
・花は、5月末―秋までで桃色の小花が穂に付く。
・湿気・夏場の直射日光に弱い点を注意。梅雨の時は屋根下に、夏場は風通しの良い半日陰或いは西日の差さないところで育てる。
・耐寒性は強いので、霜が当たらないところであれば戸外でもOK。

命名者 1849年にドイツの植物学者コッチ(Koch, Karl(Carl) Heinrich Emil (Ludwig) 1809-1879)により命名される。

            

<Contents of the last year>
ラムズイヤーの歴史
ラムズイヤーの属名スタキス(Stachys)は、ギリシャ語のStachusからきており、“穀物の穂(ear of grain)”或いは“穂(a spike)”を意味して、穂のようにのびる花序に花がつくところから名付けられた。
チョッとわかりにくいが、穀物でも、ムギなどではなくトウモロコシなどの穂とすると感じがつかめる。

このラムズイヤーは、K.Kochによって1849年に採取され学名が命名されたので、
Lamiaceae Stachys byzantina K.Koch と表示されているが、Karl Heinrich Emil Koch (1809 – 1879)は、ドイツの植物学者でラムズイヤーの原産地であるコーカサス地域での植物採集で著名で、彼の採集した植物コレクションは残念ながら大部分失ったようだ。

彼は、博物学者&南アメリカの探検でも著名なフンボルトの実兄が1810年に設立したFriedrich Wilhelms Universitat・現ベルリン大学の教授に1847年からなり、その後、ベルリン植物園、ベルリン園芸協会などで要職をも務めた。

ちなみに園芸協会は、植物への関心が浸透した1800年代初頭にロンドンから始まった。
その園芸協会を生み出す原動力は、“コーヒーハウス”に集まった園芸の趣味人だった。“コーヒーハウス”といえば、フランス革命だけでなく、協会・学会・メディア・保険など‘近代’を産み出す基地となった。


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2 コメント

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チョロギ (花ひとひら)
2009-05-23 23:34:51
兎の耳みたいですね。
「和名ワタチョロギ」
チョロギってあの巻貝みたいな根ですか?
花ひとひらさん (tetsuo)
2009-05-24 20:13:17
遅れてすみません、出払っていたので。
巻貝のような根というか茎というかそういうものです。

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