モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

ロシアンセージ(Russian sage)の花

2008-07-04 07:32:01 | セージ&サルビア
(写真)透明感のあるロシアンセージの花


透きとおった青紫のロシアンセージの花が咲きはじめた。

灰緑色の葉と茎。
そこにわずか10㎜に満たない盾と矛を思わせるような小花が咲き
薄青く霞んだような情景を作り出している。

セージの名がついているが、セージが属するアキギリ属ではない。
セージに似た薬臭い香りを発するので、(ロシアン)セージと名付けられた。

ロシアンセージの原産地は、山岳地帯でもあるアフガニスタンの北東部。
山と山の間を絹の道(シルクロード)が通り、いにしえは隊商が行きかう繁栄したところで
この路傍に咲いていたという。

谷間といっても標高3千メートル以上もあるところであり、
苛酷な自然環境に磨かれたたくましさがあり、乾燥に強く耐寒性も強いが、
日本の高温多湿には弱い。
だが、丈夫なことは間違いない。
ほおっておくと大株になるので、春に新芽が出たところで摘心をしたほうが良さそうだ。

(写真)灰緑色の葉と青紫に霞む花


ロシアンセージ(Russian sage)
・シソ科ペロフスキア属の耐寒性がある落葉性の低木。アキギリ属ではないのでサルビアではない。
・学名は、Perovskia atriplicifolia。英名がRussian sage(ロシアンセージ)
・原産地は、アフガニスタン、イランなどの陽が当たる茂みに生育。
・草丈は、1~1.5mだが、摘心をすると50~60㎝に出来る。
・透きとおった青紫の小花が7月~10月頃まで咲く。
・葉は灰緑色の切り込みがある。花壇の奥とか縁取りに適している。
・乾燥に強いが多湿には弱い。
・毎春根元から刈り込む。

名前の由来
perovskia
ロシアの植物学者ペロフスキの名前に因む
atriplicifolia
ラテン語ハマアカザに似た葉atriplici+folia。(folia=folium=folius=fernsラテン語葉leaf)

(写真)大株に育つロシアンセージ


発見者グレイ=ウイルソンとラピス・ラズリ
ロシアンセージは、アフガニスタン北東部にあるBadakhshan州で
1971年に英国人のGrey-Wilson, Christopher (1944- )などによって発見された。

クリストファー・グレイ=ウイルソンは、
ヒマラヤを中心としたアジア、ヨーロッパの山岳の植物相を調査した探険家で、
カーティスのボタニカルマガジンの編集者、キュー王立植物園の科学主任などでもあり
カメラマンでもあり、ライターでもあり、園芸家でもあり、探検家でもあり、科学的な思考も有し
これらを統合したビジュアル化された植物図鑑を出版している。
クレマチスの分類体系の提案者としても知られている。

20世紀にはいると、植物相探索のフロンティアは、さらに極限に向かい
ヒマラヤ、アルプスなどの高山植物になった様子が伺える。

グレイ=ウイルソンたちがロシアンセージを発見したアフガニスタン北東部にあるBadakhshanは、
古代からシルク交易で重要な道が交差するところで、
ラピス・ラズリ(Lapis lazuli)の産地としても知られている。

フェルメールが愛したブルーの原料がラピス・ラズリで大変高価でもあった。

1ヵ月後の8月2日から『フェルメール展』が上野の都立美術館ではじまるが、
フェルメールの代表作でもある『絵画芸術』のブルーも楽しみだ。

(写真)渓谷:ロシアンセージの原産地の衛星写真(by Google)

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