山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

北ア・薬師岳(その15)

2008-09-09 | 北アルプス
ケルン

薬師岳小屋を過ぎてしばらく歩くと少し平らなところに出ました。
薬師平と呼ばれているところのようです。
ここに大きなケルンがありました。
愛知大学の遭難者を慰霊するもののようです。
線香があったので改めて火をつけ、冥福を祈りました。



ホソバノキソチドリ

ケルンの裏手にポツンと1輪だけありました。
キソチドリは側花片が上を向いて「バンザイ」をしていますが、
これは背ガク片と重なり合っています。
長い距が前方に湾曲しているのも特長です。
野生のランの仲間で、なかなか会うことができません。
バックにみえるのはイワイチョウの葉っぱです。
目立たない花なので、見過ごす人が多いようです。


シロバナタテヤマリンドウ

タテヤマリンドウはブルーの花で室堂から浄土山周辺で
たくさん見ました。
白い花があるとは聞いていたのですが、ここで初めて会いました。
最初は別の花かと思いましたが、花びらの中の斑点がタテヤマリンドウの
特長を現しています。
結構たくさん咲いていました。





少しガレた沢沿いを下ります。
雪渓がおもしろい姿で残っていました。
側を通るとヒンヤリします。
この雪は消えないでまた新しい雪を迎えることでしょう。




石でゴロゴロした道がだいぶ長く続きました。
ここを降りたところにテント場があります。
このような岩場は雨が降ると嫌ですね。
大雨だと急に水が流れてくることもあります。
要注意です。




クロクモソウ

岩場の隙間から顔を出して咲いていました。
花が紫褐色をしているので目立ちません。
花の直径は5mmくらいで花びらは5枚、長さは3mmくらいです。
葉っぱが丸くて周辺がふぞろいにギザギザしています。
花が黒っぽく、葉っぱが雲に似ているので、クロクモソウという
名前がつきました。



オヤマリンドウ

8月末から9月にかけて咲く花です。
花は茎の頂上に集まり、天気がよくても半開きくらいで平開しません。
蕾のまま終る花もあります。
湿地帯に群生している場合もあります。


太郎平小屋

テント場を過ぎて少し登り返すと小屋が見えてきました。
太郎平小屋に到着です。
スゴ乗越小屋をでてから9時間10分かかりました。

ここを起点に薬師岳を往復することも出来ます。
約6時間くらいです。
またここから黒部五郎岳から三俣蓮華岳、雲ノ平から高天原に
行くこともできます。

小屋は予約してあったのですが、6名で3畳の個室でした。
とりあえず、生ビールです。



水晶岳

到着したのが午後2時50分、夕食まで時間があったので
外のベンチで過ごしました。
外もたくさんの人で賑わっていました。
着いた時はガスっていたのですが、しばらくすると晴れてきました。
奥に水晶岳が姿を現しました。
昔、裏銀座を歩き、烏帽子小屋から次は水晶小屋に泊る予定でした。
小さい小屋で「食事は出せない」といわれました。
仕方なく三俣山荘まで歩きました。
11時間以上かかったと思います。
この山を見るたびに当時を思い出します。



東のほうに入道雲が夕陽を浴びて輝いています。
明日はここから折立に下りるだけです。
この時期としては珍しく雷雨にも会いませんでした。
入道雲をみるとあっという間に雨が降る場合があります。




こちらは西の空です。
夕陽が雲の中に消えています。
空の雲が少しずつ色を変えます。
高いところの雲は秋の雲です。

だいぶ気温が低くなってきたので、小屋の中に入りました。
混んでいたので食事は3班に分けられました。
さあ、3畳で6名、どうやって寝ましょうか?









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22 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
紅さんへ (山小屋)
2008-09-10 04:21:30
さあ、どうやって寝たのでしょうね。
記憶にございません。(笑)
ザックを廊下に出して少しでも部屋を広くしました。
2時間おきに目が醒めていたようなので、寝たような寝ないような感じです。

歩いていても突然珍しい花に出会うと嬉しくなります。
今回はグループでしたが、一人の時は時間を忘れてみている時もあります。
数年前、蝶ヶ岳から上高地に下る途中で「コフタバラン」を見つけた時には30分以上も同じ場所にいました。
かわいい花でした。
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アコードさんへ (山小屋)
2008-09-10 04:10:40
何とか朝を迎えることが出来ました。(笑)
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地理佐渡さんへ (山小屋)
2008-09-10 04:09:24
太郎の小屋に着いたら今回の山行が終った感じでした。
後は折立まで降りるだけです。
室堂からのコースを思い浮かべながら夕暮れの雲を眺めていました。

佐渡の将来を思う気持は同じだと思います。
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3畳一間 ()
2008-09-10 00:22:54
演歌に出てくる親子の住まいのようですね。(笑)
山男(女)、何処でも何時でも眠れる特技があるのでしょう。
想像しました。
布団を3枚敷いて一枚の布団に頭を上下逆にして寝たのかしら?
若しかして正解?
戦後の住宅事情が苦しい頃、引き上げ家族を受け入れて
15人で6畳2間を思い出しました。

白いタテヤマリンドウやホソバノキソチドリ、クロクモソウ、見られないお花を拝見出来て嬉しいです。
山小屋から見る秋の空もいいですね~~!
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さあ3畳で6名、どうやって寝ましょうか? (アコード)
2008-09-09 23:24:51
ブログ閲覧に感謝です!
>さあ3畳で6名、どうやって寝ましょうか?
なかなかの難問です!



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成長末期の積乱雲を見つつ (地理佐渡..)
2008-09-09 22:45:24
こんばんは。

いやぁ~。今回も良い風景を見ています。
岩塊流とも思える小さな沢。遷緩点付近
の風景です。

人里離れた場所ですと、どういう訳か少し
専門的キーワードが思い浮かばれます。そ
して、そこにある植物などがまた、里とは
異なる。環境は植生を変えるんだ。自然て
ちゃんと理由があるんだよと..。

今日はジオパークという言葉をモチーフに、
浅い論を書いてしまいました。色素は極力
薄めてと思いましたが、色々な意味でつい
ついがありました。

さて、佐渡をどう語ればよいでしょうか?
山小屋さんの言葉からは、佐渡を離れた者
同士の、共感と示唆の言葉が節々にあった
と思ったのですが.。

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まよこさんへ (山小屋)
2008-09-09 20:59:12
シロバナタテヤマリンドウもホソバノキソチドリも一応高山の草地に咲く花です。
平地では見られませんね。
夏山はいろんな花に会える楽しみがあります。

夕暮れの雲は見ていても飽きません。
寒くなったので小屋の中に入りました。
寝る場所は女性に決めて貰いました。
夜が長かったです。
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小池さんへ (山小屋)
2008-09-09 20:54:00
そうですね。特技はどこででも寝れることです。(笑)
でも東京から青森までの夜行バスは寝たような寝なかったような・・・10時間のうち2時間に一度トイレ休憩でした。夜行バスで行ってそのまま歩くのは平気です。
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薬師岳 (まよこ)
2008-09-09 19:41:43
山小屋さん今晩は。
白いリンドウ素敵ですね。
お花の好きな方にはちゃんと向こうから
声を掛けてくれますね。

ホソバキソチドリも見応えがありました。
こちらはケルンを見守っている様ですね。

クロクモソウも素晴らしいですね。
どれも地味なお花ですが珍しいお花ばかりでした。

夕時の山の様子がそこにいる様に見られました。
雲は見ていて飽きないですね。

3畳に6名・・まよこは一睡も出来ないでしょうね・・。(笑)
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山男? (小池)
2008-09-09 19:04:17
山へ登る人はどこでも寝れないとだめですね
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トーコさんへ (山小屋)
2008-09-09 18:36:53
ケルンにもいろんな意味があるようですが、道端にある石には積まなくてもいいでしょうね。
大きな山では目印になることもあります。

男性3名,女性3名・・・こんな時は女性に任せます。
どうやって寝たのでしょうね。
気がついたら朝でした。(笑)
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モカさんへ (山小屋)
2008-09-09 18:32:44
シロバナタテヤマリンドウ、小さい花ですがかわいかったです。モカさんならどんな風に加工されたでしょうね。
ミヤマリンドウに似ていますが,花びらの中の斑点で見分けます。

折角予約しておいてもあまり意味をなさなかったようです。
仲間同士だったからよかったです。
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とくさんへ (山小屋)
2008-09-09 18:28:52
山道でも時々石を積んでいるのを見かけますが、あまり意味がありません。
昔は頂上あたりにたくさん積んでありました。
「ここまで来たよ」という印に積んでいる人もいるようです。
ここにあったのは慰霊碑のようでした。
当時としては大きな遭難事故だったのでしょうね。
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naoママさんへ (山小屋)
2008-09-09 18:19:20
クロクモソウはよく見かけますが、シロバナタテヤマリンドウやホソバノキソチドリはなかなか会えません。
珍しいと思います。
どちらも小さいのでカメラに納めるのがたいへんです。

中高年というよりは高年(幾つかは知りませんが・・・)が多いように思います。
小屋などで「本当に大丈夫かな?」と思われる人もよく見かけます。

山はあくまでも「自己責任」です。
事故は多いようですが,小屋によっては宿泊者が少ないので閉鎖せざるを得ない小屋もあるようです。

naoママさんはまだ「中」にも入っていないようですから,どこの山に登っても大丈夫だと思います。
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おーちゃんへ (山小屋)
2008-09-09 18:11:22
富士山の最盛期の小屋は畳み1枚に3人ですね。
1度トイレに起きるともう自分のスペースがありません。

ウトウトしていればやがて朝になります。
少しの辛抱ですね。
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だんだんさんへ (山小屋)
2008-09-09 18:07:46
山の小屋は贅沢はいえません。
1人ならどこにでも潜り込めます。
コースによっては素通りする小屋があります。
昨年、燕岳から常念に歩いて常念小屋に泊る予定でした。
着いたらお昼で、盛んに弁当を作っていました。
団体が泊るようだったので、蝶ヶ岳ヒュッテまで歩きました。11時間は長かったです。
お陰でゆっくり寝ることが出来ました。
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ケルン? (トーコ)
2008-09-09 15:39:55
山小屋さん、こんにちは!

”ケルン”というのですね、慰霊のための積み石なのですか・・。こちらの山道でも、小さく積んであったのを見ました。そういう時は、自分もひとつ積んだほうがいいのですか?本当に何も知らなくて、お恥ずかしいです。

三畳に6人。とても耐えられません。2人が精一杯です(笑)座って寝るのですか、(礼儀正しい)男性は?失礼しました~
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シロバナタテヤマリンドウ (モカ)
2008-09-09 15:03:26
山小屋さま、こんにちは。
今日もなにもかもが珍しいお花ばかりです。
なかでもシロバナタテヤマリンドウ、清楚な感じで好きです。
ほんとうにお天気に恵まれてよかったです。
写真も素晴らしくて、ついつい引き込まれていきます。

9時間も歩かれて、3畳で6人ですか~。
個室とはいえ、ちょっと想像もつかなくて・・・です。
いつも楽しく拝見させていただいております。
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ケルン (とくさん)
2008-09-09 14:41:29
こんにちは
ガレ場の多い山では時々ケルンを見かけます。
色々の意味を込めて積むのでしょうが、慰霊碑の役目もしてますね。
手元に手頃な石が有るとつい積みたくなります。

紫のタテヤマリンドウやオヤマリンドウは良く見かけますが、白色のリンドウは始めてです。



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珍しいお花 (naoママ)
2008-09-09 13:53:13
白いタテヤマリンドウやホソバノキソチドリ、クロクモソウなど見てみたいですね。
今までももしかしたら出会っているのかもしれませんが、覚えがないです。
珍しいお花のでしょうか?

薬師平がヘリコプターの基地のようですね。
私たちが介護したおば様は、小学生のお孫さんも一緒の息子さんファミリーと薬師岳に登られた方で、ここからヘリで富山市民病院に運ばれたと聞きました。

先ほど1時のNHKのニュースで、今年の夏山の遭難者は525名、その内死亡者が79名で、40代以上の中高年が80%を占めると言っていました。
学生の頃から本格的に訓練をして登っていらっしゃる山小屋さんと違って、40から山を始めた私などが一番危ないのかもと思いましたよ。

太郎平の小屋は2回泊まりましたが、2度目に行った時、トイレが綺麗になっていてビックリしました。
山小屋での3畳に6人は当たり前ですが、男女混合となると難しいですね。どのように寝たのかしら?

台風で2日間逗留した常念小屋ではテントの人も入ってきたので、布団2枚に10人でほとんど横になれませんでした。酸欠状態になりそうで苦しかったですよ。
それでも山に行き続けるということは・・・
山はそれ以上に魅力的だということですね。

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イワイチョウ! (おーちゃん)
2008-09-09 13:49:58
葉を見てうれしくなりました。
火打のロックガーデンで沢山見て来たものですから
すぐにわかりました。

雷にもあわず、良い天気に恵まれ、ほんとに
良かったですね。

小屋は畳1枚に2人でやすんだんですね。
ぎゅうぎゅう寝は昔一度経験しただけです。
あれはたぶん畳1枚に3人になってるかもです。
寝られなかったです
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写真が上手! (だんだん)
2008-09-09 12:14:26
上手なカメラワークを見習わなければ!
一昨年、常念岳でも、三交代の食事と雑魚寝を経験しました。
初めての北ア登山でして、話しには聞いてたけどウワッ!でした。
そこまでして山へ行きたくない、と拒否してたのに、
いつの間にやら平気になって(オヤオヤ~)
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