彦四郎の中国生活

中国滞在記

花蓮咲く故郷、南越前町―再び天狗党降伏の地、敦賀市の新保陣屋を訪れる

2021-08-06 11:06:38 | 滞在記

 8月1日(日)の午後から2日(月)にかけて故郷、南越前町の実家に帰省する。日本海に沈む夕日が美しい。

 翌朝2日の早朝、近くの集落に行き水田のようすを眺めた。美田が広がっている。あと半月後のお盆に備えて、墓の草刈りに行き、墓に桔梗(ききょう)の花を供えた。墓から実家のある集落を見渡す。

 故郷の南越前町は海の河野地区、山の今庄地区、里の南条地区の3つのエリアがある。京都への帰路、南条地区にある花蓮公園に立ち寄った。里の一面に蓮畑が広がっている。

 蓮の原産地はインドとされていて、インド、スリランカやベトナムの国花は蓮の花。日本に蓮がいつ伝来されたのかははっきりと分かっていないが、2000年~4000年前の弥生、縄文時代の遺跡から発掘された蓮の種を発芽、栽培したら古代の蓮が花を咲かせた。(大賀蓮)  このことから、すでにこの時代に日本に伝来していたことが分かった。どのようにして伝来したのだろうか?考えられるのは、中国を経由して伝来した可能性だ。

 仏教ではこの蓮花は聖なる花とされる。根は蓮根(レンコン)として日本でも食されるが、ベトナムなどでは茎もサラダなどとして食されているようだ。蓮畑が広がる地区を奥に行くと水田が広がっている。向こうに見える山々は福井県と岐阜県の県境となる1000m級の山地。今庄地区で昼食に越前のおろしそばを食べた。

 吉村昭の『桜田門外の変』吉村昭の続編ともいえる『天狗争乱』を2週間あまりをかけて読み終わった。先月7月にも行ったのだが、水戸天狗党が幕府・諸藩の約1万余りの軍勢に雪中の地で包囲され、1000名余りの天狗党が降伏をするに至った地を再び訪れた。敦賀市の山間にある木の芽峠近くの新保集落。ここに今もその当時(1864年12月)の建物が残る天狗党陣屋跡地。

 7月に行った時に建物の中には入れないと思い、建物内部には入らなかったのだが、今回再び行ってみると、「建物内に自由にお入りください」という小さな貼り紙のあることに気づいた。板戸を開けて建物の中に入った。

 小さいが書院造の建物が当時のまま残っている。今から157年前にここに武田耕雲斎や藤田小四郎、山国兵部らの天狗党の指導者たちがいたのだと感慨深くもある。

 建物近くに咲く白い桔梗(ききょう)の花が鎮魂花のようにも思えた。