浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ミルシティン&ストック指揮シカゴ響のチャイコフスキー

2007年04月21日 | 提琴弾き
ミルシティンとフレデリック・ストックの協演によるチャイコフスキーの協奏曲のレコヲドがある。大戦中のスタディオ録音だが悲愴感は全くない。

ミルシティンの技巧の冴えとストックの明快な解釈を堪能できる素晴らしいレコヲドだ。ハイフェッツとライナー指揮シカゴ響のレコヲドがLP初期に発売されるが、その10年以上前にこのやうな素晴らしいレコヲドがあったことを僕は知らなかった。ミルシティンの演奏はハイフェッツとは異なり欧州的な香りを持ってゐる。ストックの伴奏は前のめりになりながらミルシティンをあおるが、チャイコフスキーのメランコリックな世界に嫌気がさした人にはこの方がかえって良い。

カップリングされたメンデルスゾーンも同様の印象で、この快速なテンポ運びはミルシティンが望んだものなのかも知れない。

盤は、加奈陀NaxosによるSP復刻CD 8.110977。



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