浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

Furtwanglerを偲ぶ【第3話】1938年レムニッツ、ボッケルマンとのマイスタージンガー

2008年11月29日 | 歌もの
1938年9月のニュルンベルク歌劇場での維納フィルハーモニーとの「マイスタージンガー」の録音には、第1幕・第3幕前奏曲、ティアナ・レムニッツとルドルフ・ボッケルマンによる第3幕の掛け合いから五重唱、第3幕終局などが収められてゐる。

こういふレコヲドを聴くと、世にワグネリアンなる人種が多数存在する理由を体で理解することができるのだ。僕も時間があれば、ワーグナーの楽劇にどっぷりと浸かってみたいものだ。

ストーリーは大体知ってはゐるが、長く聴かないと「タンホイザー」の登場人物だったか「さば読める和蘭人(「空飛ぶ和蘭人」だったか?)」か、区別がつかなくなってゐる。物語りも混ざって記憶してゐることもある。結構、苦労しながら聴いてゐるのだ。ワーグナー自身もこんがらがってゐたやうで、マイスタージンガーの第3幕、サックスがエファへの思慕を断ちヴァルターとエファのカップル誕生を祝う感動の場面に「トリスタンとイゾムシ(イゾルデだったか?)」が登場するくらいだ。素人の僕が間違って記憶するのも当然のことだ。

ワーグナーにはおっさんみたいなごっつい女声歌手だけが登場するものと思ってゐたが、レムニッツの愛らしい声がワーグナーの楽劇にもしっくりと合うところが実に嬉しい。ところどころ、サーフィスノイズが大きくなり聴き辛いレコヲドではあるが、楽劇でのフルトヴェングラーの生き生きとした指揮ぶりを窺うことができる。

盤は、独逸KochによるリマスタリングCD Legacy 3-1452-2。


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