浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

Furtwanglerを偲ぶ【第2話】アレキサンドリアでのブラームス

2008年11月29日 | 指揮者
英國フルトヴェングラー協会のCDだといふことで数千円で送ってもらったのが、今宵聴いてゐる演奏である。ラコッツィ行進曲の頁で書いた1951年4月のエジプト公演の際のブラームスである。しかし、残念なことに、この演奏は聴くたびに腹が立つ最悪の偽物盤なのだ。

そもそも英國協会版CDではなくJVC製のCD-RにCDラベルを貼り付けただけの2枚組で、ジャケットもどこかの安物プリンタで印刷した程度の悪いコピーものだった。それだけならともかく、演奏が始まるとカチカチ、ザッザッとノイズが混入する。それがずっと続き、音量が大きくなればノイズも比例して大きくなる。正に最悪だ!損害額分よりももっと大きなダメージを受けた感じがする。

摑まされたカス、ウンコの類の一つである。問い合わせをしたところ、日本フルトヴェングラー協会の会合で、協会の重鎮である某氏から直接手渡された、とても有り難い逸品なのだそうだ。そう言われたらそれを信じるしかない。覆す根拠は何も持ちあわせてゐないのだから仕方あるまい。しばらく評価をせずにいたが、面白がって「非常によい」といふ評価を送ってみたら、「思いがけぬ高い評価をいただきありがとうございます。これからも機会がありましたらよろしくお願いいたします。」といふ返事が返って来た。愉しい思ひ出だ。だが、このCD-Rを聴くと腸(ハラワタ)が煮えて臭い屁が出る。

盤はひどいものだが、収められた演奏はフルトヴェングラーらしい劇的な表現に満ちてゐて、会場の極度な興奮が伝わってくるやうだ。是非、本物の盤でコレクションに加えておきたいと思ふ。

盤は、英國フルトヴェングラー協会 WFS.UK2004。


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