ぎんぐの紅茶

紅茶初心者の奮闘記

首相官邸の紅茶が渋い理由を全力で考えてみた

2012年02月23日 | お茶のある風景(読み物)
先日、岡田副総理の「首相官邸の紅茶はとてもストレートでは飲めない渋い紅茶だ」の発言が話題になった(記事はこちら)。

そして、自身のブログでも以下のように述べている。
(以下、副総理のブログの引用部分は全て赤字

もう1つ、記者会見で聞かれたので、申し上げたことです。外務大臣の時の経験ですが、外国からのお客様がお見えになって、例えば、オバマ大統領とか各国の首脳が官邸で鳩山総理あるいは菅総理と会談をされます。その際に出る紅茶があまりにも苦くて、とてもストレートでは飲めません。

もちろん、ミルクと砂糖がついていますから、それを入れればちょうどいいのだと思いますが、私は紅茶は普通ストレートで飲みますので、とても苦くて、あれは渋くて飲めない代物です。こんな紅茶というのはお目にかかったことがないので、なぜかなあとこれも不思議に思っています。


おいしくあるべき官邸の紅茶が、何故それほどまでに渋いのか。
全力で推理してみた。

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■そもそも首相官邸の紅茶は、誰が飲んでも渋いと感じるか
もしかしたら岡田副総理は、渋みが大嫌いなタイプかもしれない。
すると、首相官邸の紅茶を渋いと感じているのは岡田副総理のみで、他の人にとってはごく普通の紅茶ということになる。

しかし、岡田副総理は自身のブログで、このように述べている。

こんな紅茶というのはお目にかかったことがないので(以下略)

つまり、官邸以外で出される紅茶は渋くないし、副総理になる前もそこまで渋い紅茶は飲んだことがなかったのだ。
有名になる前は、ホテルやレストラン等の紅茶を、出されるままに飲んできたと思われる。
それらの普通の紅茶と比べても、「官邸の紅茶は渋い」のだ。

よって、首相官邸の紅茶は、誰が飲んでも渋いと推測される。

■首相官邸の紅茶の入れ方(概略)
現在も外務大臣の時も「首相官邸の紅茶は渋い」とのことなので、首相官邸の紅茶はいつでも渋いと推測される。
それも、ちょっとやそっとの渋さではなく、「こんな紅茶というのはお目にかかったことがない」「とても苦くて、あれは渋くて飲めない」ほど、特徴的で強烈な渋さだ。

いつでも、特徴的で強烈な渋い紅茶が出てくる。
ということは、「首相官邸の紅茶は入れ方が決まっている」のだ。

■何故、入れ方が決まっているのか
首相官邸の紅茶がいつも同じように渋いのは、「入れ方のマニュアルがあり、それに沿って入れているから」だと思われる。

来賓時のお茶は失敗できない。
そのため、お茶を入れる者には「自分がおいしいと思う入れ方でお茶を入れる」か「用意されたマニュアル通りに入れる」という2つの選択肢が与えられているだろうと推測される。

自分がおいしいと思う入れ方でお茶を入れた場合、失敗したら後々のフォローが大変だ。
自分だけでなく、同僚にも迷惑をかけかねない。

しかし、用意されたマニュアルで入れた場合、失敗してもフォローがしやすいと推測される。
マニュアルだから、まずく入った場合の対処法もそれなりに考えられている。
そして、マニュアル通り入れた場合、「マニュアル通り入れて失敗したんだから仕方ない」と同僚からの理解もそれなりに得られると思われる。

こうしたマニュアルに求められるのは、おいしさよりも「失敗しても上への言い訳が立つか」とか「言い訳が立つような強固な根拠があるか」だ。
では、失敗しても、言い訳がたつような強固な根拠を持つ紅茶の入れ方マニュアルとは何だろうか。

■強固な根拠を持つ紅茶の入れ方
紅茶の入れ方には、法的根拠など(当たり前だけど)ない。
しかし何か根拠がないと、そうしたマニュアルは力を持たない。
法的な根拠がない場合、必要となるのは「他の省庁でも同じように入れている」という前例や、「紅茶教本で必ず取り上げられているから」という信頼ある本の引用だろう。

ところで、世界でもっとも紅茶をよく飲む国民はイギリスだ(ウィキペディアより)。
そして、駐日英国大使館のサイトには、こんな文がある。
(以下、駐日英国大使館のサイトの引用は青字

英国のティーは伝統的に、陶製のティーポットが使われます。お湯が沸いたら、まず、ティーポットの内側に少しだけ回しいれて、ポットを温めます。それから、1人当たりスプーン1杯とポットのためにさらに1杯の茶葉を入れて煎じます。

通常、紅茶に使う茶葉は1人当たりスプーン1杯だ。
しかし、上記の入れ方には「1人当たりスプーン1杯とポットのためにさらに1杯の茶葉を入れて」とある。
これは、イギリスならではの入れ方(これについては、色んな本やサイトで紹介されている)。

また非常に古典的でオーソドックスな入れ方のため、イギリスの料理本には古くから載っているし、日本の紅茶本でも紹介しているものがあると思われる。
何より、イギリスの日本大使館ではこんな風に入れているだろうと推測される。
水の質が日本とは違って硬水だし(味が出にくい)、これでもおいしく入るだろうし。

しかし、日本でサイトの紹介どおり「1人当たりスプーン1杯とポットのためにさらに1杯の茶葉を入れて」と入れた場合、軟水のため味が出すぎて、強烈に苦くなる。
これが本当に苦くて喉を通らないほど。
リンアンでも、同じ事が書かれている記事があり、「実際に淹れてみると、実に渋い!飲めないくらい渋い。」と言っている。

思うに、首相官邸の紅茶が渋いのは、この「1人当たりスプーン1杯とポットのためにさらに1杯の茶葉を入れて」がマニュアルに入っているからではないだろうか。
「苦すぎる」と文句が出ても、「イギリスの日本大使館と同じ入れ方を採用しています」「信頼ある紅茶本にも記載されているオーソドックスな入れ方です」であれば、「仕方ないか」で通るように思う。

■結論
首相官邸の紅茶が渋いのは、「1人当たりスプーン1杯とポットのためにさらに1杯の茶葉を入れて」が手順に入っているからだと思われる。


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