久しぶりにTSUTAYAでブラブラしました。
洋画準新作コーナーに、なぜかモノクロもの。よく見ると1964年イギリス、幻のミステリー
とあります。
これは?いける? カンばたらきの一瞬でした。
だてに何百本の映画をみてきたのではないなどと、レアものにぶち当たった予感。
内心でガッツ・ポーズ
です。
「雨の午後の降霊祭」

霊媒師の素質ある妻(キム・スタンレイ)が自分の才能はもっと世間に認められるはずといつも不満に思っていて…
金持ちの娘の偽装誘拐を、気弱で妻のいいなりの夫(リチャード・アッテンボロー)にもちかけます。
偽装誘拐してその事件を霊媒で解決すれば、名声とお金を手にいれられる…
一見カルトっぽいですが、妻の異常な心理状態の移り変わりと夫のためらいと恐怖感の描写が、超一級ミステリーの出来栄えです。
(監督 ブライアン・フォーブス)
見ていて、胸がドキドキ
してくる場面が何か所か、
別に怖い場面でもなく、音楽で恐怖を煽ることもしないでタンタンとしたカメラワークなのですが。
自分の才能はもっと認められるべき、という妻の妄想は、現実離れした何とも言えない不気味な怖さがあります。
やっぱり、この人はおかしいと自然に思えてきます。
誘拐実行役の夫も、妻を愛す気持ちと世間常識との板挟みの恐怖の表情は演技を引き込まれるものがあります
イギリス映画
の良さは、こういう心理の葛藤を演じきる俳優が揃っていることです。
シェイクスピアの時代からの演劇の伝統で、映画俳優も舞台俳優もかねていて、
キム・スタンレイも舞台が本職で、いかにも玄人受けしそうで、
この暗く地味なトーンの映画で、万事派手好みのアメリカのアカデミー主演女優賞ノミネートというのですから驚きです。
イギリス映画ファンとしては各年代ごとに紹介してうんちくをかたむけたいところですが
21世紀初めのハリー・ポッターのヒットは…90年代の多くの佳作(フォー・エバー・ウエディングとか)がベースに…
という具合にさかのぼると、この50、60年代のフリーシネマ運動までいけるのでは。
ハリウッドとは一味もふた味も違うテイストのイギリス映画の伝統を知れば、現在のイギリス映画ブームもうなずけますよね。
1960年代の作品のいくつかをあげると、
(63)長距離ランナーの孤独 (トニー・リチャードソン)
(62) アラビアのロレンス
(63) トム・ジョーンズの華麗な冒険
(69) ケス (ケン・ローチ)
(62) 007/ドクター・ノオ
「降霊」

監督 黒沢清
黒沢清監督が、上記作品をリメイクしたのがこれです。
こちらは、オカルト色が前面にでて、妻(風吹ジュン)が感じる霊を工夫した映像表現で~
(霊の映像の評判は良いみたいですがこれは置いておいて~)
筋立てもだいぶかわってます。
誘拐ではなくて、ヒッチコック得意のまき込まれ型、
つまり、知らずに向こうからやってきた事件にまきこまれてしまいます。
「雨の~」との共通点としては、ここでも夫(役所広司)は、妻に主導権をにぎられていてのっぴきならないことに。
この妻も現状を受け入れられずに、自分の才能を世間に知らせたい…とおもっている。
皮肉なエンディングもソックリでした。
役所広司も演技上手
で草薙くんもサービス出演で、昔の幻の映画を引っ張り出してきて…
それでも、ミステリーとして見るには、あまりにずさんです
(例えば、カラのトランクに子供といえども入ってその重さに気がつかないのはおかしい
)
やはりこちらは、カルト作品としての楽しみ方が適当なのでしょうし、監督のねらいもそちらだったのでしょう。
洋画準新作コーナーに、なぜかモノクロもの。よく見ると1964年イギリス、幻のミステリー

これは?いける? カンばたらきの一瞬でした。
だてに何百本の映画をみてきたのではないなどと、レアものにぶち当たった予感。
内心でガッツ・ポーズ

「雨の午後の降霊祭」

霊媒師の素質ある妻(キム・スタンレイ)が自分の才能はもっと世間に認められるはずといつも不満に思っていて…
金持ちの娘の偽装誘拐を、気弱で妻のいいなりの夫(リチャード・アッテンボロー)にもちかけます。
偽装誘拐してその事件を霊媒で解決すれば、名声とお金を手にいれられる…
一見カルトっぽいですが、妻の異常な心理状態の移り変わりと夫のためらいと恐怖感の描写が、超一級ミステリーの出来栄えです。
(監督 ブライアン・フォーブス)
見ていて、胸がドキドキ

別に怖い場面でもなく、音楽で恐怖を煽ることもしないでタンタンとしたカメラワークなのですが。
自分の才能はもっと認められるべき、という妻の妄想は、現実離れした何とも言えない不気味な怖さがあります。
やっぱり、この人はおかしいと自然に思えてきます。
誘拐実行役の夫も、妻を愛す気持ちと世間常識との板挟みの恐怖の表情は演技を引き込まれるものがあります
イギリス映画

シェイクスピアの時代からの演劇の伝統で、映画俳優も舞台俳優もかねていて、
キム・スタンレイも舞台が本職で、いかにも玄人受けしそうで、
この暗く地味なトーンの映画で、万事派手好みのアメリカのアカデミー主演女優賞ノミネートというのですから驚きです。
イギリス映画ファンとしては各年代ごとに紹介してうんちくをかたむけたいところですが

21世紀初めのハリー・ポッターのヒットは…90年代の多くの佳作(フォー・エバー・ウエディングとか)がベースに…
という具合にさかのぼると、この50、60年代のフリーシネマ運動までいけるのでは。
ハリウッドとは一味もふた味も違うテイストのイギリス映画の伝統を知れば、現在のイギリス映画ブームもうなずけますよね。
1960年代の作品のいくつかをあげると、
(63)長距離ランナーの孤独 (トニー・リチャードソン)
(62) アラビアのロレンス
(63) トム・ジョーンズの華麗な冒険
(69) ケス (ケン・ローチ)
(62) 007/ドクター・ノオ
「降霊」

監督 黒沢清
黒沢清監督が、上記作品をリメイクしたのがこれです。
こちらは、オカルト色が前面にでて、妻(風吹ジュン)が感じる霊を工夫した映像表現で~
(霊の映像の評判は良いみたいですがこれは置いておいて~)
筋立てもだいぶかわってます。
誘拐ではなくて、ヒッチコック得意のまき込まれ型、
つまり、知らずに向こうからやってきた事件にまきこまれてしまいます。
「雨の~」との共通点としては、ここでも夫(役所広司)は、妻に主導権をにぎられていてのっぴきならないことに。
この妻も現状を受け入れられずに、自分の才能を世間に知らせたい…とおもっている。
皮肉なエンディングもソックリでした。
役所広司も演技上手

それでも、ミステリーとして見るには、あまりにずさんです

(例えば、カラのトランクに子供といえども入ってその重さに気がつかないのはおかしい

やはりこちらは、カルト作品としての楽しみ方が適当なのでしょうし、監督のねらいもそちらだったのでしょう。