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マルガリータのつぶやき

フォトジェニックな「趣味の記録」:マルガリータの庭、国内海外の旅、グルメ、美術・音楽・映画、自分勝手流読書、etc

井筒「マイ・バック・ページ」評

2011-06-17 06:44:40 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
「週刊現代」のコラム『井筒和幸の今週の映画監督ムービーメーカー』の「マイ・バック・ページ」評に小躍りしたマルガリータ。

いつもどおりの舌鋒するどい(関西弁で多少和らいでるが)批評です。
今回はこちらも真剣なせいか、一語、一文が、腹?にしみわたる。
未だ見てない映画批評というのもおかしなものですが、この井筒監督評ですでに見てしまったも同然、
もうビデオが出てからで良いと考えてます。

        

監督も「勇んで見に行った」が、
 
・赤衛軍→赤邦軍 朝霞→朝霧基地 で、はや興ざめ、「映画の製作者も命張ってやってくれって」

・「川本三郎が、京浜安保共闘(→京西)学生に接触する様子や、犯人蔵匿と証拠隠滅で逮捕されるゾクゾクする話が
  ピンともポンともこない」

・東都ジャーナル? 週刊東都?

・「暴力的共産主義革命ってどんなことなんか、… 先ずは革命の説明からしないとダメ。
…今のツブヤキが趣味の人には伝わらんよ。…」

・「黒幕(滝田修らしき)の男も、色々聞き出して人物像を膨らませんとアカンな。」

・「日大全共闘議長だった秋田明大さんを思い出し、革命前夜の映画を作ってみたくなった。」

やはり最初から危惧していた通りの中途半端な出来栄えのようです。
あの時代を、今の若者向けに妻夫木くんでやるなんて、どう考えても無理があって理解できない。
ネットの感想を見ても「歴史の勉強になった。」などは良い方で、
「良くわからなかった、ちんぷんかんぷん」という感じで評価も低い。

いっそ、団塊世代に向けて本気で勝負をかけて、原作に忠実に作るべきだったと思います。
監督も言ってるように、命張って作って、初めてつかめる時代です。

最後の救いは、監督が自分で作ってしまおう、と映画人魂を喚起されたところ。
いつか作ってください、待ってます

(いづつかずゆき/’52年生まれ、「ゲロッパ!」「パッチギ!」「ヒーローショー」)



チャイナ・シンドローム

2011-05-14 22:07:44 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
20年以上の時をへての再見です。(1979年作品)
 
   
    以前の印象は原発事故を追及する女性レポーターの話というものでしたが、

     
    フクシマを経験、専門用語に慣れた今、一つ一つの場面で緊張が走る。
 
   現在の推移そのままの事故映像、30年前も今も全然変わりない。

     
  ジェーン・フォンダ;ヘンリー・フォンダの娘、ピーター・フォンダの姉
私が好きな作品としては、バーバレラ(”68) ジュリア(”77) 帰郷(”78) 黄昏(”81)…

時代とともに鮮やかに変身してますが、ベトナム反戦運動とのかかわりで思い出す人も多いのでは。
サラブレッド・ハリウッド女優にしてエネルギッシュな社会活動家、彼女にして出来た「チャイナ・シンドローム」と思う。



「アジアンタムブルー」のニース

2011-05-07 22:32:22 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
 こゆき様、さっそく見ましたよ。冷えた雨模様の夕方から見始めました。

前半は、荒い画面と丁寧なカメラワークの好対照でリズムを付けながらあきさせない。

     

最後の30分がニース、海と背後の山とを、十二分に生かした構図、
       

        ジャン・コクトー

          

最後、空からの城跡から海への俯瞰は、昨日、ニースから帰った身には、懐かしくも現実感のない不思議な映像でした。

    

背景にアジアンタム、一度枯れこむと、どんどん枯れこみが進みブルーな状態になる。
たしかにハンギングバスケットで、枯れこんでこれだけ抜いて穴になったこともあります。
     

植物や花を、薄幸な女主人公の暗喩にした作品は、後あとまで印象深く記憶に残ることが多い。(オペラの椿姫とか)
アジアンタムは寄せ植えの名わき役ですが、園芸好き、観葉好きには、うれしいのか残念なのか、微妙な感じが残りました。

原作とロケ地探索は、後でじっくりと~




映画「悪人」は原作以上?

2011-04-01 14:52:35 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
自粛ムードの中、映画館が賑わっているという。 
TSUTAYAも人でいっぱい。週末のせいも
… 
話題になった『悪人』も新作コーナー30本以上がすべて貸し出し中で,翌月曜日に借り出し、一気に見ました。
    

原作もいまだ未読状態で、深津絵里のモントリオール映画祭受賞の報にも動かずに…
まずは原作から、といういつものパターンをくずした心理も、大震災、計画停電で何か落ち着かないせいでしょうか。

とにかく、139分という長丁場も気にならないくらい引きこまれました。
最近にない傑作ですね。  見終わってから、やはりすぐに原作にあたりました。

     

吉田修一の原作、はたして一見さん(初めて読む人)に映画ほどのインパクトを与えられるかなと思いました。
博多、長崎の郊外というロケイションに加えて、若者の日常の不安、寂しさ、孤独感、閉そく感、

     (呼子の海辺)

私達の時代、30年以上前の、どこへもぶつけられないエネルギーとか、暗い絶望とかにも共通するものを感じました。
今の都会の若者が、達者な筆者の筆使いからくみとるのはなかなかの理解力が必要でしょう。

   

深津絵里はもちろんですが、原作を読んで自ら出演希望したという妻夫木聡にも賞をあげたい気分です。
孤独な純真さで「悪人」になってしまうが、真に愛する対象を得て確固たる意志が出てくる過程の演技がいい。

    

(スタイリストはタランティーノ監督お気に入りの才能ある有名な方らしい。
 たまたま私の行きつけの美容師のお客で、裏話も(又聞きですが)色々と。
 ちょっと安っぽい金髪、毛先の縒れた感じ、本当に工事現場で働いて汚したつなぎ、etc.)


追~ ていねいで楽しいロケ地紹介はこちらから、
    数あるレビューの中で私が感心したのはこちらです。

倫敦(ロンドン)から来た男

2011-03-10 21:15:23 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
今日、TSUTAYAで借り出した『倫敦から来た男』も、ミニシアターにかかった時から見たかった映画です。

        
メグレ警視(ジャン・ギャバンで映画化)でおなじみの、ジョルジュ・シムノン原作です。
      
“ノワール・サスペンス”と評しているコメントもありますが、
“サスペンス”風味というより、シムノンらしく、人物の心情やその人生を語ることの方が見る者に訴えてきます。

ハンガリーの鬼才タラ・ベーラ監督、大変な長回しです。(130分超の作品でわずか26カット、冒頭は30分ものワンシーン)
カメラは、人物の背後から迫り、最後には真正面でクローズアップして、その表情を覗き込んでいきます。
最初は呆れていらいらもするのですが、そのうちに主人公の心理に引き込まれていくのが不思議でした。

       
       4,50年代の欧州映画と見間違うような陰鬱なモノクロームの世界も、独特の映像美があります。


  港の駅を見下ろす制御室で、毎晩、線路の切り替えをしている鉄道員のマロワン。
  ある晩、マロワンは、ロンドンから到着した船から降りた男ブラウンが、殺人を犯すのを目撃してしまう。
  ブラウンが逃げ去った後、マロワンは殺された男が持っていたトランクを海中から拾い出す。
  中にはいわくありげな大金が入っていた。
  そのトランクを探し回るブラウン。やがてロンドンから刑事がやって来た…       (公式ホームページより)

この港町は、北仏のディエップDieppu、英のイーストボーンEastbourneとの間に定期船が行きかう場所です。
  
  
       潮の匂いがする霧深い港町、シムノンの好きな町です。
        イーストボーンには、以前に行ったことがあります。小さな港町で、あそこからフランスへの外国航路が…
        英仏の近さと、生活便としての気楽な定期航路といった感じがわかります。

シムノン原作映画はほとんど見ていますが、原作は今まで敬遠してきましたが、やっと突破口を見出した気がしてます。

《ベルギー観光局のH.Pからの抜粋です。》
~倫敦から来た男~
7時間半にも及ぶ「サタンタンゴ」、熱狂的なファンを持つ『ヴェルクマイスター・ハーモニー』のハンガリーの鬼才タル・ベーラ監督。ブラッド・ピット、ガス・ヴァン・サント、ジム・ジャームッシュが心酔する彼の7年ぶりの最新作。
20世紀を代表する文豪ジョルジュ・シムノンの同名小説が、75年の時を経て映像化され、見事に"観る文学作品"へと昇華させている。
オスカー女優ティルダ・スウィントンを筆頭に退廃的な美しさを漂わせる女たちと、風変わりな男たちが、異世界へといざない、観る者を魅了する。光と影で織り成すモノクロームの映像美、空間の概念を揺るがすカメラワーク、登場人物の心情をも見透かすような長回し、タル・ベーラの完璧な技巧と、シムノンの鋭い人間描写が絡み合う、孤高のノワール・サスペンスがここに誕生した。

ジョルジュ・シムノンとは・・・
1903年ベルギーのリエージュ生まれ。
後に84篇も続く「メグレ警視」シリーズの第一作目「怪盗レトン」を31年に出版。
「メグレ警視」シリーズ以外にも「雪は汚れていた」、「闇のオディッセー」、「ちびの聖者」など本格小説を次々と発表

「倫(ロン)敦(ドン)から来た男(L'Homme de Londres)」は34年に出版され、43年フランスで「L'Homme de Londres」(アンリ・ドゥコワン監督)、47年にはイギリスで『誘惑の港』(ランス・コンフォート監督)のタイトルで映画化されている。他にも、『仕立て屋の恋』(89/パトリス・ルコント監督)など多くの小説が時代を超えて映画化され、世界中でTVシリーズ化もされている。



おまけ~
   J.シムノンの生み出した人気探偵、メグレ警視の唯一のくつろぎは~
                   好みのワインを片手に夫人の腕によりをかけた手料理を賞味するとき。  
                   スープからデザートまで100種類のグルメならばよだれの出そうなメニューばかりだが
             庶民的な家庭料理でいわばフランスのおふくろの味。全体に煮込み料理が多い。             
                   私にも作れそうです

                   

フローズン・リバー

2011-03-04 22:35:31 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
TSUtAYA準新作コーナーから、『フローズン・リバー』FROZEN RIVER 迷わず借り出しました。
以前、どこかで映画評を見たかで、ひっかかってたのです。

     

見終わった直後の感想は、何て暗く重く地味な映画!ビデオを借りた人も違和感を感じるのでは
もちろん、貧しい女性二人が子供のために頑張る様は、女性監督ならではのきめ細やかさで共感しましたが。

ところが‘社会派シネマ’とみてとらえなおすと、別な輝きを放ちだしました。

プア・ホワイトの現実
 ハリウッド映画では絶対に描かれないアメリカの現実!
 20パーセント近くの生活保護の貧困層がいるらしい。
 主人公の白人レイラも、ギャンブル好きな旦那に逃げられ子供二人かかえて時給600円のパート、
 家賃2万円のトレーラー生活で、新品のトレーラーを買おうと40万円ためるのに四苦八苦中。
 シラキュースあたり、岩塩産業はすたれ、ユーゴ、カンボジャからの移民にあとはインディアンという土地柄。

 アメリカ映画ときたら、青々とした芝生つきの郊外住宅、都市部のマンションなど家賃50万円はしそう、
 お金をもらう観客に夢を見させるのを是とする…
 インディーズだからこそ、こんな地味で問題ばかりの映画を作れたのでしょう。 

仕事のないモホーク族
 セントローレンス川をはさんでニューヨーク州最北部とカナダ側の両方にわたって、モホーク族の自治区があります。

      

 この複雑な国境事情を利用して、ライラは、カナダ側からアメリカに不法移民の運び屋で稼いでいます。
 これしか仕事がないのです。
 それも季節限定、-40度のアイスストームの世界、セントローレンス川が凍りついたときに車をノンストップで。

    
 
 いつ、氷がわれるかわからない、綱渡りです。一回500ドル。
 
 ここの寒さは電線がツララで断線とか、こわいです。
 (モホーク族は独立戦争で英側についたので(英側についた部族は多かった)アメリカ勝利でカナダ側に移住するも、
  国境がセントローレンス川に引かれたので、居住地も分断された経緯があります。)

アメリカンドリームを求める不法移民
 映画では、まず中国系、つぎにバングラデシュからの赤ん坊連れの若夫婦。
 イスラムということで、レイラとライラは大パニック、荷物の中を武器と早合点して~
 当時、テロリストはカナダから入ってくるといわれていたらしい。

ということで、どちらを向いても悲惨極まりない世界です。
日本でよく上映したと思いますし、今、TSUTAYAで何本も置かれているのもうれしいことです。 


(追~)先住民については以下の本が詳しいです。
       







  

コロンボ「悪の温室」から

2011-02-18 08:01:29 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
Season Two の2, 原題 The Greennhouse Jungle

今回の犯人役ゲストスター、レイ・ミランド 1905~1986 も懐かしい。

       
   1945年「失われた週末」でアカデミー賞主演男優賞、


そして、このコロンボ、1972年。  を愛する犯人が仕組んだ巧妙な偽装誘拐 
  
うらやましい!広くて贅沢な温室

 夜の温室

  
 「モスオーキッド(胡蝶蘭)1200ドル」         「凝ったら身代つぶしますなぁ」

   
見事復活した、かみさんのアフリカバイオレット、 ブラジル産二色カトレアの球根、(貴重種なのか?)

   
玄関アプローチの植栽もみごと、豪邸ですな~


ちなみに、ちょうど今、東京ドームで世界らん展の開催中、テレビの中継で見ましたが華やかなものですね。
蘭とバラは、園芸の世界では双璧をなすもので、改良に改良をかさね、手間暇もかかるもの。

また、園芸がからんだミステリーのなかでも、蘭とバラを扱った名作の系譜をたどるのも楽しそうですが~
アメリカミステリーと蘭について、下写真の本で興味深いことが書いてあったのを思い出しました。

 『英国ミステリーとバラのイメージは、…、それなりに不即不離の関係にある。
 『これに対してアメリカのミステリーでは、どちらかと言えばバラよりも蘭のイメージの方が強い。』
 
 『明確な根拠はないまでも、
  英米のミステリーをバラと蘭をキーワードに対比させてみるのも一興であろう。』  
     面白く、ためになり、知的好奇心を刺激される本です。

コロンボ「偶像のレクイエム」から

2011-02-14 22:53:24 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
第2シーズン№5 原題 Requiem for a Falling Star

今回の、名犯人を演じるゲストスターは、「イブの総て」(’50)の アン・バクスター 1923~1985

      

計算すると、このとき26,7才、今回は49才くらいか、23年の隔絶…

「かつての銀幕スターで、今はTVに転進して生き延びている」元大スターの、懐かしく華やかな70年代ファッション。
なんと、ハリウッドの伝説の衣装デザイナー、イディス・ヘッド も本人役で登場しています。
 
 まったく、「刑事コロンボ」のキャスティングには、脱帽です。

ノーラ(アン・バクスター)の衣装を並べてみましょう。

   

   


問題のイディス・ヘッドの衣装室の場面です。後方デスクに金のオスカー(8つ?)が見えます。

 

   まったくもって、大変なお宝映像ですね…



コロンボは、S・ホームズのB面?

2011-02-09 18:12:10 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
「刑事コロンボ」ですが、最近、ミステリーチャンネルで毎週月曜日に旧シリーズ’68~’78 第1作から放映、
直後にはHPで解説ものせるというサービスです。

ロサンゼルスのあちこちを楽しみながら、毎週一作ずつじっくりと検証していたところ(現在第5作まで放映)、

『ピーター・フォーク自伝 「刑事コロンボ」の素顔』  (東邦出版) の書評を見て、書店に直行、一気に読み切りました。

          

    コロンボ関連は四分の一くらいで、もちろん一番に読みましたが、
    ジョン・カサヴェテス、ニール・サイモン、ヴィム・ヴェンダース とのからみも興味深い話でしたよ。

さて、冒頭の 「コロンボは、シャーロック・ホームズのB面」、
お気に入りの能書き紹介コラムで、ピーターが一番にあげたものです。
  この部分にぶち当たった時の私の心臓音をお聞かせしたい! この一行で1890円(本代)の元は取れた?

  ホームズ; すらりとした首          コロンボ; ずんぐりむっくり
  ホームズ; キングズ・イングリッシュ    コロンボ; 自分の言葉すら意味不明
  ホームズ; テーラーメイド英国産ツィード コロンボ; 要洗浄もしくは要焼却のコート

 もう一つ、コロンボを作るうえで難しいところとして、ピーターは、
  最初の5分で殺人犯、10分経てばその犯行の手口まで判明
  視聴者はあとの100分を決定的瞬間をまたなければならない~

  そこで必要なのは、 思いがけない展開と真実味がある話、
  そのためには、目でも楽しめる場面と、その瞬間に決定的な肝となる糸口 だ。
  「刑事コロンボ」が始まって30年来、私の空き時間のほとんどは、ひたすら糸口探しに費やされてるといってもいい。
   

いかがですか、また再び見たくなってきたでしょう
 

“ミスティー“のカーメル賛歌

2011-02-08 23:44:42 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
初めての土地を旅する時の事前調査?は、
その地を舞台にしたミステリー(サスペンス)小説&映画を読んだり見たり、がとても役立ちます。

今回も、5月の南フランス~イタリアの地中海沿い、8月のカナダ、アメリカの東海岸、の旅行準備で、
映画ロケ地など漁っているうち…

どうヒットしたか、
クリント・イーストウッド初監督の「恐怖のメロディー」 ’71年  Play Misty for Me

    
左のバーテンダーは特別出演のドン・シーゲル監督

イーストウッドが、愛するモントレイ~カーメルを舞台にしたとわかり…

    

映画の情景が思い起こされ、再度確認しようと、今回は仔細に見ました。



 これが映画の舞台になったデイブの自宅

  

   
カーメルビーチのロマンチックなサンセット     モントレイ発祥の桟橋、フィッシャーマンズワーフ 


以前の旅行の仔細も思い出されてきました。
カーメルのクラシックホテルに2泊、
  
  私達が泊まったホテル、左方はビーチ、イギリス式ボリュームたっぷりの朝食に、南欧風庭園が見事でした。
  

モントレイのジャズフェスティバル会場まで何度か往復したハイウェイ、
  

  画面のこの道、通った、通った!という感じですね。

  



太平洋に面した海岸線の美しさとカーメルの町の落ち着いた静かなたたずまい、
イーストウッドがこよなく愛する人口数万人の小都市、芸術家やリタイアした人が多く住む。

自然を生かしたマイホームを建て、  
    
   200エーカーのマイホーム

市長を月給200ドルで2年間の任期をしっかりやり、レストランも開き~
      
  '86年カーメル市長に当選 ~ カーメル市街地図の前のイーストウッド新市長 ~ レストラン
                
知りませんでした、真のイーストウッド・ファンではなかった?   (白黒写真はSCREEN クリント・イーストウッドより)

   

  





高峰秀子逝く

2011-01-04 07:33:04 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
元旦の朝、軽井沢のホテルの新聞で訃報を知りました。
軽い衝撃とともに~
というのも、前日の31日に鬼押ハイウェイからの浅間山のたたずまいが「カルメン故郷に帰る」’51年の一場面に似ていると思ったばかりでしたし、、
そのまた前日30日、草津から北軽~旧軽の道すがらにもチラッと画面の草輕鉄道がよぎっていたから。

高峰秀子の代表作は「二十四の瞳」’54年で、小学校の講堂で見せられた記憶のある人も多いのでは。

    

その翌年’55年に「浮雲」;嵐の屋久島へ向かうシーンが焼きついて…
                     (あき様と行った念願の屋久島はガイドも珍しがる晴天続きで拍子抜けでした。)
       

もう一作、と言われたら迷わず、年下の加山雄三とのすごい恋愛映画「乱れる」’64 年
                        (「浮雲」「乱れる」は女性を描かせたらこれ以上はない、成瀬巳喜男監督)
そして、私の中では、これら有名作品以上にしばしば頭によぎるのが「カルメン故郷に帰る」

少し頭のおかしいストリップのダンサーが故郷に錦を飾るつもりで浅間山麓の農村にやってきて
おおらかな浅間山の下、踊りまくる。

    

     12月31日に撮った写真

戦争を知らない私でも、この場面の解放感はずうっと心に残ったということでしょう。


また、軽井沢に四季折々に行くたびに、あの今は無き草輕軽便鉄道を思い描いてしまうことが多い。
主人公が往きも帰りも無蓋車でいく姿がけっこう長い時間映って印象深いのです。
                鉄道場面の動画はこちらから

3日の日経朝刊、佐藤忠男「高峰秀子さんを悼む~戦後の心に沁みた名演技」の記事を読むうちに
それぞれの映画の感動を思い出し、腰を上げて書棚に名著「わたしの渡世日記」を探しにいくことに‥
それまで、日本の映画人(芸能人)で自伝を書いた例は聞いたことがない。それも率直、闊達で自分の筆で。

       

  ヨーロッパ、アメリカの映画人の“自伝”には秀逸なものが多く、読み漁った時期があります。
  (ざっと書棚を見ただけでも、ハンフリー・ボガードとの思い出を綴ったローレン・バコール、バネッサ・レッドグレープ、
   グレタ・ガルボ、ジュリエット・グレコ、マレーネディートリヒ、シャーリー・テンプル、
   男性では、マーロン・ブランド、カーク・ダグラス、イブ・モンタン…)



新旧の東西ベルリン映画

2010-12-22 17:47:06 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー

NHKBS2で「引き裂かれたカーテン」、何年かぶりにじっくりと見ました。

ヒッチコック50本記念作;ブライアン・ムーアが自分の原作を脚色、ヒッチコックが演出したスパイ推理ドラマ。
主演;ポール・ニューマン、ジュリー・アンドリュース

 

 



巷の映画評では、☆ヒチコックの60年代に秀作なし~
           ☆主役二人のミスキャスト
とかあまり良い評価はないのですが、
「何故か、これが好き」というコメントを見つけた時は、「ウ~ン、シテヤッタリ!」でしたね。

<私の場合は、ポール・ニューマンが出てればそれでよし!ですけど

その後に‘見損なっていた映画’に思い当たりました。

「善き人のためのソナタ」

監督: フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク. 出演: ウルリッヒ・ミューエ, マルティナ・ゲデック, セバスチャン・コッホ

    

    

  

   

 画像検索はこちらから

これは見応えがありました。

TSUTAYAで何回か手にしながら棚に返していたのは☆日本版題名からくる錯覚だったか、  

原題;Das Leben der Anderen, 英語にすると、The Lives of others ,

日本語で「他人の生活」、「他人の人生」といったところか、

この映画の見どころは、「他人の生活」をヘッドフォンで監視する主人公の心変わり、心境の変化です。

直截的な題名で面白みはないが、ドイツ映画らしくて(何か哲学的でもあるし)、悪くはないと思います。

追~ 素晴らしい映画評論を見つけました;これ以上の解説はないでしょう!こちらです

 

                               


何気ない事柄から…“京都迷宮案内”

2010-11-26 20:42:11 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
最近は、“京都迷宮案内”の再放送があると楽しみにして待つことが多い、
以前に見た番組でも…

ウイキペディアの記事中に、私が惹かれているゆえんをズバリと指摘してあったので、、
抜粋しておきます。

一貫したテーマ 

『京都で生活している人たちの「心の迷宮」を
 主人公の新聞記者、杉浦恭介が、人と違った視点で解き明かしていく』

  新・京都迷宮案内では、シリーズを重ねるにつれ、
  
  事件性による作品構成ではなく、
  何気ない事柄から見えてくるゲストやその周辺にスポットを当てた
  深く多面的な心の機微を描いた人間描写が多くなっている

見たことがない人もある人も、新・京都迷宮案内動画はこちらから

サイダー・ハウス・ルール&イン・ザ.・ベッドルーム

2010-11-25 20:59:39 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
こう寒くなってくると、猛暑日とは正反対ながら、映画三昧の予感…

アメリカ最北はボストン止まり、の私に語る資格があるかどうかは置いておいて~
ニューイングランド、メイン州の自然が堪能できた映画2題~

サイダーハウス・ルール 1999・米 (ラッセ・ハルストレム監督)

山上の建物が
                                                          セント・クラウズ孤児院





 ラーチ院長(マイケル・ケイン)&ホーマー(トビー・マグワイア)

こゆき様のコメントより、J.アーヴィング
 ガープの世界、ホテル・ニューハンプシャー、サイモン・バーチ… ヒューマンの分野はどうも敬遠気味なのですが…

マイケル・ケイン~ちょっと見ぬ間に渋くなったなあ~とか少しずつ引き込まれていきました。

サイダーハウス、つまりリンゴ摘み季節労働者のための宿舎、のルール、
という題の真意を探って入る自分に気がつき…久方の心地よい感動を味わいました。

多くの人を惹きつけるという風景の素晴らしさ~、最後のほうではメインの他の映画を探したいという思いに~。


イン・ザ・ベッドルーム  2001年 米 A.デュバスの原作より (サスペンス)

                 一人息子を殺された夫婦のやり場のない怒りと悲しみを美しい風景を背景にして…
                 いい映画です。



カムデン・ハーバー、秋にはこの丘全部が豪華絢爛たる紅葉、黄葉に、
そして長い長い冬…10月の終わりから4月中旬まで、ほとんど6か月も続く。



 

   

メイン州沿岸では、ロブスター捕獲が盛ん。        運河だろうか、可動式の橋。

    


以下、「ニューイングランド物語 アメリカ、その心の風景」NHKブックス 加藤恭子 より要約;

      ニューイングランドの風景のなかには、水がしばしばすがたを現す。
      色々な水、運河に沼に海…
      
      ニューイングランドとは、「インディアンの土地」「魔女の土地」「民話の土地」「墓石の土地」「生活の土地」
              そして、「風景の土地」  

再び…鬼平犯科帳へ

2010-09-24 12:27:56 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
先日の9月20日、敬老の日を『鬼平』一色に染め上げたチャンネルをご存じ?

北海道から帰った夜9時頃、テレビでヤッテル、やってる!
時代劇専門チャンネルが、「鬼平犯科帳」まつり と称し、16:9のハイビジョン・ニューマスター版。



まだまだ、再放送が続くので~
やっと暑さも遠のき,もう一度しっかりと見ようかと、気力まんまんだ。             <詳しい予定表&解説、配役等> 

『鬼平』の第1シリーズは平成元年スタートだが、マルガリータが心に沁みいるような気分で見出したのは、ここ3,4年。(テレビの放送は見ていたのだが、あまりピンとこないまま)
“心に沁み入るように…”の3つのキーワードは…(“歳をとったからだ!?

(Ⅰ) 池波正太郎…  「映画論」。
  10年ほど前、様々な映画評論本漂流後、池波正太郎「フランス映画旅行」新潮文庫にいきあたった。
  時代小説の名手で美食家で…の先入観が覆った。映画への愛!リズム感あふれる練達の文章!
  たて続けに、「池波正太郎の映画日記」「味と映画の歳時記」「梅安料理ごよみ」…と読み込み、
  
  本に出てきた映画のビデオを求めて、恵比寿のTUTAYAに走り、
  今とちがって、ビデオ全盛期、映画評論家でさえ昔のビデオ探しは恵比寿だった。国別、俳優別、etc
  ~真田太平記(一)~(十二巻完読   
  (2週間寝ても覚めても(笑)、友人の読書子H氏さえ「老後の楽しみにとっておく」と言う分量!)
  剣客商売、梅安…
  
(Ⅱ)ジプシーキングス… 六本木、ホテルハイアットの立食ディナー付きライブで。
  ジプシーキングスの名も知らず、ただ鬼平の主題曲ときいて、ディナー付もうれしくて(笑)
    (食事もハイアット、立食ではもったいない内容だった。)
  ジジプシーキングスの生の迫力とまわりの若い女性軍のノリは、まるで異次元
    インスピレーション、日本人の感性に訴えかけてくる不思議な曲! <インスピレーションの動画>          

 (Ⅲ)中村吉右衛門  … とパナソニック電工 汐留ミュージアムの講演会で。  
     運よく2回、 あの鬼平のスゴミは、あとかたもなく~
     自分は、、鼻が低い~と謙虚なお人柄。 控えるはズラリと着物姿のきれいどころ、
     初代中村吉右衛門の養子となったいきさつから、
     歌舞伎の俊寛、勧進帳、四国の歌舞伎小屋「金丸座」再興話<6月の金丸座見学の様子はこちら>
     
当時流行のいわゆる「謎解き」の捕り物帳とは違う池波ワールド
平蔵の鋭い勘ばたらきや、話の底にただよう情感、蠢く人間模様、 吉右衛門版鬼平は適役、はまり役で20年。
   6月に放映された最新作「高萩の捨五郎」の一こま。