啄木歌碑は国内に160基ほど建立されていますが、建立年とその所在地を載せます。
歌碑建立年および所在地(1)
1.大正11年4月 渋民公園 岩手県盛岡市渋民
やはらかに柳あをめる 北上の岸邊目に見ゆ 泣けとごとくに
2.大正15年8月 啄木一族の墓 北海道函館市住吉町立待岬
東海の 小島の磯の 白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる
3.昭和8年7月 天満宮 岩手県盛岡市新庄町
病のごと 思郷のこころ湧く日なり 目にあをぞらの煙かなしも
4.昭和8年7月 天満宮 岩手県盛岡市新庄町
夏木立中の社の石馬も 汗する日なり 君をゆめみむ
5.昭和8年7月 天満宮 岩手県盛岡市新庄町
松の風夜晝ひびきぬ 人訪はぬ山の祠の 石馬の耳に
6.昭和9年12月 米町公園 北海道釧路市米町
しらしらと氷かがやき 千鳥なく 釧路の海の冬の月かな
7.昭和25年6月 滝川公園 北海道砂川市空知太
空知川雪に埋れて 鳥もみえず 岸辺の林尓人ひとりゐき
8.昭和26年9月 阿寒湖畔 北海道釧路市阿寒町
神のごと 遠くす可多を阿ら者世る 阿寒のやまの雪能希本の
9.昭和26年10月 小樽公園 北海道小樽市花園
こころよく 我尓はたらく仕事あれ それを仕遂げて 死なむと思ふ
10.昭和28年4月 函館公園 北海道函館市青柳町
函館の青柳町こそかなしけれ 友の恋歌 矢ぐるまの花
11. 昭和29年4月 好摩駅舎(銀河鉄道、JR東日本) 岩手県盛岡市好摩
霧ふかき好摩の原の 停車場の 朝の蟲こそすずろなりけり(木製の歌碑です)
12. 昭和29年4月 盛岡先人記念館 岩手県盛岡市本宮
ふるさと能山尓向ひて 言ふ事那し ふるさとの山者あ里可多記可奈
13. 昭和29年5月 齋藤家前 岩手県盛岡市渋民
かにかくに渋民村は戀しかり おもひでの山 おもひ出の川
14. 昭和30年3月 蓋平館別館跡 東京都文京区本郷
東海乃 小島能磯の白砂に 我泣き怒れ天 蟹登たわむる
15. 昭和30年10月 岩手公園 岩手県盛岡市内丸
不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸はれし 十五の心
16. 昭和30年10月 等光寺 東京都台東区浅草
浅草の夜のにぎはひに まぎれ入り まぎれ出で来しさびしき心
17. 昭和30年頃 片江風致公園 福岡県福岡市城南区南片江
かにかくに澁民村は恋しかり おもひでの山 おもひ出の川
18. 昭和30年頃 片江風致公園 福岡県福岡市城南区南片江
東海の小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる
19. 昭和31年5月 合浦公園 青森県青森市合浦
船に酔ひてやさしく奈れる いもうとの眼見ゆ 津軽の海を思へば
20. 昭和31年6月 秋葉神社 岩手県葛巻町
何越可もおひ天寝流や白雲登 葛葉の山能星降る宵盤
21. 昭和32年7月 氷上神社参道 岩手県陸前高田市
命なき砂のかなしさよ さらさらと にぎればゆびの間よりおつ
22. 昭和32年12月 平舘駅前 岩手県八幡平市平舘
たはむれに母を背負ひて そのあまり軽きに泣きて 三歩あゆまず
23. 昭和33年10 啄木小公園 北海道函館市大森浜
潮かをる北の浜辺の 砂山のかの浜薔薇よ 今年も咲けるや
24. 昭和35年6月 稲荷山山頂 岩手県盛岡市好摩
霧ふかき好摩の原の 停車場の 朝の虫こそすずろなりけれ
25. 昭和36年4月 宝徳寺 岩手県盛岡市渋民
ふるさとの寺の畔の ひばの木の いただきに来て啼きし閑古鳥!
26. 昭和37年5月 愛宕公園 青森県野辺地町
潮かをる北の濱辺の 砂山のかの浜薔薇よ 今年も咲けるや
27. 昭和37年11月 JR 盛岡駅前広場 岩手県盛岡市盛岡駅前
ふるさとの山に向ひて 言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな
28. 昭和39年 本町中学校 神奈川県秦野市富士見町
あたたかき飯を 子に盛り 古飯に湯を かけたまふ 母の白髪
29. 昭和39年12月 岩手県八幡平市平館
かの家の かの窓にこそ 春の夜を 秀子とともに 蛙聴きけれ
30. 昭和40年11月 大泉院 岩手県八幡平市平館新
わが父は 六十にして家をいで 師僧のもとに聴聞ぞする