梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之名古屋日記・14

2008年04月17日 | 芝居
カレーの翌日はスッポンでした。
これまたお料理上手の先輩が、自室(もちろんウィークリーマンション)でスッポン鍋を作るというのでお邪魔いたしましたが、なんとも本格的でございました。
私がお部屋についた頃は、まだ元気なスッポンちゃんが流しでウロウロしておりまして、先輩自らこれを捌くのでございます。マァその手並みの鮮やかなこと! ひっくり返すことで首を伸ばさせ、そこを掴んで一気に包丁を入れるところなぞはとんと職人でございました。内蔵をとり、切り分けたお肉に熱湯をかけて薄皮を剥く<しもふり>という作業をお手伝いいたしましたが、さっきまで生きていた生物が、今バラバラになって我が手の内に…。なんとも奇妙な体験でございました。

たっぷりの酒と醤油、塩、生姜、昆布でとったお出汁でいただく初体験のスッポン、臭みも全くなく、プリプリの食感と思いのほかさっぱりとした味が大変美味しく、うち集まった一同感激。シメの雑炊も旨味がたっぷりしみ込んでいて!
鍋に入れるお餅まで、餅米を炊いてその場で搗いて作るという驚きの食卓。先輩の心づくしに、まさに<もてなされた>思いです。