梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

是非聞いて下さい

2007年10月17日 | 芝居
『うぐいす塚』の序幕、天満天神境内の場。鷹に襲われかけた松が枝姫の鶯を助け、颯爽と鳥居の内から現れる源之助。このお役をお勤めになる高麗屋(染五郎)さんにとっては、この芝居で一番最初の登場シーンでございます。
この時に使われる下座が、ちょっと珍しいものでございますので、ご紹介させて頂きますね。その名も『高麗屋音頭(三下り)』

花の色香も良い染五郎 三つの銀杏に四つ花菱の
姿優しくきりりとしゃんと 華やかに


実際は演技に合わせて途中で演奏を止めるのですが、これが1番の歌詞。
せっかくですから2、3番も…

イキの良いのはまず高麗屋 四つ花菱の咲き誇り 
色も染五郎 わざおぎの道 揚雲雀 

芝居見たくば「(劇場の名を入れる)」ござれ 声よし顔よし姿よし 
あまた錦にかわる染五郎 三つ銀杏


高麗屋さんの紋や名をとりこんだ、洒落た歌詞ですね。

主演者にちなんだ唄を使うのは、世話物や踊りの演目でたまに見られます。
『高麗屋音頭』の歌詞は、今月国立劇場にご出演の長唄さんに教えて頂きました。