梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

本番とパーティー

2007年10月28日 | 芝居
『古典芸能鑑賞会』の本番。「寺子屋」一幕無事に終了いたしました。
私にとって久しぶりの黒衣。源蔵の後見は、舞台にこそ出ませんが、裏では色々と仕事もあり、とても勉強になりました。

本日御覧になった皆様、松王丸の<刀抜き>の首実検、いかがでしたでしょうか。…首桶を前に、果たして我が子が身替わりになれたのか、そうでなければどうしようか…と、松王が逡巡してしまうのをみて、いらついた玄蕃が自分で首桶の蓋を開け、さあどうだ、とばかりに松王に突きつける。その事態に思わず刀を抜いて反応してしまった松王、これはいけないと刃先を源蔵夫婦に向け威嚇した体を見せ、上手を向いた形で実検に入る…という手順。普段見慣れた正面向きに首と相対する演出とは、だいぶ違ったやり方でしたね。

終演後は、いつも女形の鬘をかけてもらっている床山さんと小道具さんの、ある意味<職場婚>のパーティーに出席。幕内同士ということもあり、会場は知った顔、顔、顔であふれかえっておりまして、大変楽しい、和気藹々とした雰囲気の2時間でした。