「太陽にほえろ!」当直室 仮設日誌 PART2

6年半ご愛顧いただいた『太陽にほえろ!当直室』(since2002年5月)復活ブログ、引っ越しました。(2014年7月)

渡哲也さんが紡いだ、ボスイズムを継承した橘警部像

2020-08-15 00:00:08 | 追悼
☆橘 兵庫 警部 渡 哲也
(706話~最終回)
 ボスと鮫やんの城北署時代の後輩で、ボス不在の一係の助っ人係長として自ら上層部に申し出て着任。
丸暴出身のかなりの敏腕警部。輝かしい実績を挙げている。無口だが、部下を見る目は温かい。藤堂が復帰したことにより、本庁へ戻る。

うちのキャラクターリストに掲載している渡さんの橘警部紹介です。
橘警部登場から34年後の夏に渡さんが鬼籍に入られてしまった・・・・。

報道ステーションの一般の方へのインタビューにて、渡さんが太陽に出演していたというニュアンスの回答をしていた為、渡さんは太陽には出演していないと断言する人が出てきて、夫婦喧嘩も起きているとか・・・

確かに、出演自体がイレギュラーな緊急レギュラー登板で、裕次郎さんの体調と渡さんのCM出演等の問題のワンクールと終わってしまったため、結局は太陽終了を結果的に決定する一つの切っ掛けともなっています。

ただ、あの時期・・・・裕次郎さんが「太陽降板」の意思をしっかりと表明してしまったところで、番組の核が不在になったことは観ている方も非常に不安になったものです。小職としては、渡さんの登板は実は一番理想的な形ではあったのですが。

そして、渡さんが太陽で体現した橘警部は、これもまた理想的なボス代理でした。
おそらく、ボスが半年程度であれど濃密な時間を過ごしたであろう城北署時代の後輩で、本庁の警部まで出世したのにもかかわらず、七曲署の藤堂体制を崩したくないというか、ボスの城を守りたいという一心で出世コースを棒に振りかねない、ボスの代行として七曲署に赴任。
渡さんの石原プロ入社時に重なるような人物像、そして全てを語らない橘警部に、礼を言うトシさん。
物語でいちいち説明しなくとも、報道等の裕次郎さんと渡さんの動向を重ねながら当時の視聴者は恐らく察したであろうと思います。
かといって、渡さんはちゃんと橘警部を演じていて、これは裕次郎さんも同じなのですが、そこになかなか他の人では表現できない微妙な部分があって、現実的な演者の動向と重なって、リアルに感じたものです。
それに、まだまだ「黒岩+大門」のイメージが強烈に付いていた渡さんとしては、そういう意味、渡さんも視聴者も不安だったところはあったと思います。それを見事に「団長」とは違う、敏腕刑事・橘兵庫を演じられていたと思います。
恐らくこれは、『大都会 闘いの日々』の黒岩のその後という考え方もあったかもしれない。橘警部も丸暴出身ですからね。

渡さんにしてみれば、やりにくかったと思いますし、あの「イス」はボス=裕次郎さんのものだったから、それに敢て短い間でもしっかり座っていただけたということは、太陽中毒としては非常に有りがたいことでした。
これは、奈良岡朋子さんにも言えることです。

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