みちのく囲碁日記(時々絵手紙)

在住している地方の囲碁に関する出来事や、気になっている点などを気ままにつづっていきます。(絵手紙は全てY子さんの作品)

割打の推移

2014-05-23 11:25:20 | 囲碁統計

 下図に示すように黒が小目と星のコンビネーションから⑤と締まったとき、白が⑥と割り打つ布石はかっては良く見られたのですが、最近では少なくなっているようです。白が割打する布石の勝率(白から見た場合)はあまり良くない旨以前述べました(2013/11/01付け記事)が、今回どのような傾向になっているのか調べてみました。割打は下図パターン以外でも見られますが、以降最も多く打たれている下図のパターンについて述べます(小目からの締まりは小桂馬締の他に一間締、大桂馬締、二間締なども含みます)。

 例によって過去9年間のトップ同士の対局2118局((注1)参照)について上図割打の推移を示します。

  上図の”赤紫”の棒グラフは黒の「星と締まり」のコンビネーションの数で、”青”の棒グラフはその中で白が割打した件数です。”ピンク”の棒グラフは割打した件数のうち白が勝った件数を表しています。折れ線は割り打った布石の白の勝率(”ピンク”件数を”青”件数で割った値)です。

 約10年位前は、黒の「星と締まり」のコンビネーション布石は少なかったようです。小生の勝手な推測ですが、黒の同布石は白に割打されて良くないと言うのが定説だったように思います。事実その頃は割打した白の勝率は高かったようです。2009年(囲碁年鑑の掲載年度)頃から「星と締まり」のコンビネーション布石が多く打たれるようになり、割打した白の勝率は30%台に下がりました。以降白の割打件数は年々少なくなっています。

 以上は白の割打布石の全体的傾向なのですが、個別的には同布石で好成績を上げている棋士もいますので、同布石が一概に悪いとは言えないと思います。小生は黒に「星と締まり」を打たれたら、どうしても割打を打ちたくなってしまいます。

 

(注1)2005年から2013年に日本棋院から発行された囲碁年鑑へ掲載された七大タイトル戦及び挑戦者決定リーグ戦、トーナメント戦の対局2118局のデータ

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