<北山村>
熊野市・育生町の山深い集落から、
「全国で唯一の飛び地」である
和歌山県・北山村に向けて車を進めました。
夜明けととも始まった「山の洗礼」により、
消耗しきったメンタルを癒すべく、
三重県と奈良県の県境に位置する、
「和歌山県」の北山村の道の駅で、
休憩タイムを取ることにしたのです。
延々と山の中を走っている最中、
食べ物を口に入れる暇はもちろん、
食料調達の場所自体がなかったため、
ここに来てようやく「コンビニ」
に立ち寄ることができます。
道の駅近くの温泉施設に併設されたその店は、
この村唯一の生鮮食品を扱う商店で、
近年開店するまでは、
山道を30分~1時間かけて、
近隣の市街地へと買い出しに
出かけるしか方法がなかったのだとか。
便利な街中で暮らしておりますと、
ついつい忘れがちではありますが、
過疎地帯・山間地域の日常生活は、
常に食糧危機と背中合わせなのです。
不便な環境の中で生きる人々、
そしてそれらの地に生活物資を運び続ける人々、
そんな「世の中から取り残されたような場所」が、
今なお日本のあちこちに散らばっていることを、
熊野を訪れるたびに実感いたします。