たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

それぞれの個性

2017-06-27 10:35:57 |  無社殿神社2

<神木のイヌマキ こうのぎのいぬまき>

 

熊野の山海を巡っている最中、

たくさんのご神木や巨樹に出会いましたが、

その姿をじっくりと眺めてみますと、

どれもが個性的な風貌を持ち、

ひとつとして同じ形の木はありません。

まるで暗闇で息をひそめるマンモス象のごとく、

動物的な胎動を宿していた引作の大楠に比べ、

こちらの神木のイヌマキのほうは、

まさに「ご神木」という表現がぴったりの

すっきりとしたクセのない印象の立ち姿です。

 

天に向かってまっすぐに伸びるその容姿は、

集落の土地柄をあらわしているのでしょうか。

近年、このご神木の前に地元の人々が集まり、

ご神事やお祭りを執り行っていると聞きます。

有志の方々が太鼓を叩いたり音楽を奏でたりと、

手作り感あふれる小さなイベントのようですが、

この神木イヌマキの周りには、

そんな素朴でのんびりとした光景が

よく似合うような気がしました。