<丹倉神社 あかぐらじんじゃ>
知る人ぞ知る東熊野の聖域、育生町・丹倉神社は、
昔から「願望成就」や「病気平癒」などの
ご利益があると言われている場所で、
今でも様々な悩みや望み持つ人たちが、
「岩」に祈願するためにこの地を訪れるそうです。
マスコミにも取り上げられるようになった近年は、
訪れる参拝客が以前より増えているとも聞きます。
まだ人の立ち入った気配すらない秘境の神社は、
朝の柔らかな光がレースのように聖域を飾り、
とても清浄な空気に満ちていました。
岩壁に描かれた朝日のアートも、
祭壇を彩る白いスポットライトも、
古代の太陽信仰を彷彿させるような
厳かで神々しいひとコマです。
と同時に、なぜか「ここは長居をする場所ではない」
という思いが、肌の感覚を通して伝わってくるのです。
「まないたさま」のときと同じく、
お参りと写真撮影を済ませた私は、
「これほどよい条件が揃っているのに…」と、
ちょっと消化不良の思いを抱えながら、
予定よりも早くその場を後にしたのでした。