たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

狩りかけの宮

2017-06-26 10:33:28 |  無社殿神社2

<神木のイヌマキ こうのぎのいぬまき>

 

神木のイヌマキがある場所には、

もともと神社があったと聞きますが、

明治時代に別の場所に移され、

巨木だけが残されたそうです。

この地を訪れる人は珍しくはないのか、

すれ違った地元の方々も、

さほど部外者を気に留めない様子で、

さらりと挨拶をしてくれます。

 

独特の清涼感を伴う朝の風に促され、

ご神木のほうへと近づいてみると、

木の根元には「狩りかけの宮」

と書かれた石と賽銭箱があり、

周囲には白い玉石が敷いてありました。

 

二重の板玉垣に囲まれたその神域は、

そこそこのスペースがあるものの、

イヌマキの圧倒的な存在感に気圧されて、

見た目以上に狭く感じられます。

このように社殿や祭壇を持たない場所でも、

白い石が奉納されているところを見ると、

やはり浜石の風習は、熊野の全域に

広がっていたのかもしれません。