たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

とうりゃんせ

2017-06-01 10:00:02 |  無社殿神社2

<まないたさま>

 

古くから水神をお祀りする聖地として

また婦人病への霊験あらたかな信仰の場として、

女性たちからの厚い信仰を集める「まないたさま」は、

近年はスピリチュアルスポットとしても周知される、

民間信仰の色合いが強い場所です。

 

ちなみに「まないた」の語源は、

美しい水をあらわすマナイト(真名井戸)が

転訛したものだと言われており、

実際にまないたさんの聖域は、

産田川の源流部分に位置しています。

 

「山道をひたすら下ったところにある」

という話までは聞いていたのですが、

実際に入り口に立ってその地形を確認しますと、

想像をはるかに越えるほどの傾斜の崖道が続き、

どこまで降りれば谷底につくのかも確認できません。

 

一日の生活が動き出したばかりの午前6時過ぎ、

その付近には一軒の民家があるのみで、

遠くの木々の間を駆け抜けようとした鹿の親子が、

「まさかこの時間に人間に見つかるとは」といった表情で、

驚いたように立ち止まり、こちらのほうを見ています。

 

冷気を含んだ早朝の風が竹林の中を吹き抜け、

サラサラと乾いた音を立てる中、

私の脳裏には「行きはよいよい帰りは怖い…」 という、

とうりゃんせの歌だけが、

グルグルとリピート再生し続けていました。