<神木・原地神社 こうのぎはらじじんじゃ>
神木のイヌマキからそう遠くないところに、
原地神社という土地の氏神さまがあります。
近くの民家の庭先には、
オレンジ色のミカンの果実がびっしりと実り、
その向こうでは、黄色い菜の花と深紅の椿が
競うようにして、神様の御殿を
春の装いへと衣替えしている最中でした。
御浜町・神木の原地神社は、
社殿を取り囲む自然石の石垣や、
神域に敷き詰められた浜石こそ、
熊野らしい重厚感を漂わせているものの、
全体的には軽やかなご神気が漂う場所です。
明るく開けた平坦な土地にあるせいか、
この地独特の「陰」のような部分が消え、
参道に沿って立てられた赤い幟ですら、
温かい色味が似合うこの神社を、
引き立てているような気がしました。