<柳谷・滝神社 やなぎだにたきじんじゃ>
一見社務所と見間違うような、
柳谷・滝神社の現代風の造りの社殿の前で、
参拝のご挨拶をしてから裏手へと回ってみますと、
そこにもやはり「矢倉」の痕跡がありました。
改めて周囲を見渡してみれば、境内だけでなく、
神域全体をぐるっと取り囲むようにして、
長い石垣が二重に張り巡らされています。
恐らくほんのちょっと前までは、
滝そのものを拝む無社殿神社だったのでしょう。
かつては滝の上の丘に鎮座していたそうですから、
社殿だけでなく石垣(瑞垣)なども、
のちに作られたものかもしれません。
小さな集落の氏神とは思えないほど、
隅々にまで管理が行き届いた境内には、
地元の人々の信仰心が強く感じられます。
社殿という崇敬の証の人工建造物も、
この神社の大事な要素のひとつとして、
しっくりと風景に馴染んでいました。