たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

奈良の因縁

2020-02-29 09:10:26 | 一年の展望

 

***** 子年の展望 No.37 *****

今回の新型コロナウイルスの一件で、

最初の日本に住む日本人患者として発表されたのが、

「奈良」在住のバス運転手の男性でした。

そして、その男性が立ち寄ったと言う

「奈良公園」という文字を目にしたとき、

「やはり最初はここからなのか……」

と古代の様相がぼんやりと浮かび上がり、

奈良という土地の深い因縁に

しばし思いを馳せた次第でございます。

 

ご存知のように、奈良は古代の都であり、

幾度となく「疫病」の災害に見舞われた場所でした。

東大寺の大仏が建立されたのも、

天平9年(737年)に天然痘(疫病)が大流行し、

当時の政治の中枢にいた藤原四兄弟が

死去したことなどが事の発端です。

その後、内乱や火災、大地震などが

相次いだことから、当時の天皇である

聖武天皇は仏教に深く帰依するようになり、

国分寺建立の詔に続いて、東大寺盧舎那仏像の

造立の詔を出したと言われております。

 

この「大仏建立」という出来事は、

のちに様々な「弊害」を生むわけですが、

何はともあれ「奈良」という土地で、

「疫病」の兆しが見え始めたことに、

非常に意味深いものを感じるのですね。