***** 子年の展望 No.19 *****
本宮・前宮・春宮・秋宮の
4社を要する諏訪大社は、
それぞれが「諏訪湖」を取り囲む
ようにして鎮座しております。
1月から2月にかけての厳冬期、
その諏訪湖に張った分厚い氷の亀裂が、
せり上がるようにようにして湖を
縦断する現象が見られるのですが、
その様子を「御神渡り(おみわたり)」と呼び、
地元では「上社に鎮座する諏訪大明神が、
下社の妃神に会いに行かれる」
と言い伝えられているのだとか……。
毎年、近隣にある八剱神社が
それらの監視と「御神渡りによる神事」を担当し、
亀裂の入り具合を見て、その年の世相や
農作物の豊凶などを占っているそうです。
まあ、近年の暖冬傾向などで、
この御神渡りが見られない年が
増えているとは聞くものの、
特に今年は「結氷すら見られない」
「こんなに氷がない年は経験がない」
と関係者が嘆くほど、例年以上に
「氷の張り具合」が悪く、残念ながら
先日湖の観察を打ち切ったとのこと……。
もし仮に、昨年などと同様に、
今年も御神渡りが見られないとなれば、
こちらもある種の「大凶」を意味する、
「明けの海」の宣告が成されるのでした。