たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

縄文時代の終焉

2019-11-17 09:46:36 | 縄文への旅

<国立歴史民俗博物館>

 

縄文時代が終わりを迎えた理由……、

それは縄文と弥生の混在期に姿を消した

「土偶」がキーになるのではないかと

個人的には考えております。

縄文各時代の土偶を考察する中で感じたのは、

土偶という「形代」が時間を経るごとに、

「偶像」へと変化して行った様子でした。

 

もともと「リアルな人型」を厳禁とし、

「使い捨て」のために造られた土偶でしたが、

いつの頃からか人体にごく近い形象を取り、

祈りを捧げる崇拝物へと昇格しました。

さらには、本格的に弥生時代が始まると、

「形代」よりも実践力のある

「贄」の文化が広まったことで、

「身代わり」あるいは「崇拝の対象」

として造られていた土偶は、

密かにその役目を終えたのでしょう。

 

恐らく、縄文時代を通じて人々は、

「生き物の犠牲」を最小限に抑えるべく、

人間か精霊かもわからない人型土偶や、

儀式の供物とするための動物土偶などを

考案したものの、その「ギリギリの均衡」

が崩れたことで、縄文時代は終焉を迎える

ことになったとも想像できるのですね。