たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

森と人間

2019-11-09 09:22:33 | 縄文への旅

<十二湖の森>

 

今回の旅で、どうしても外せないと考えていたのが、

青森周辺の「森」の散策でした。

まあ、散策と申しましても、

本格的な登山をするわけではなく、

縄文遺跡を取り巻く「森」に足を踏み入れることで、

少しでも「縄文人」の息遣いに

触れたいと思ったのですが、

実際に鳥のさえずりや葉擦れの音だけが聞こえる、

誰もいないブナの原生林で、

静かに深呼吸を繰り返しておりますと、

縄文時代に生きた人々が、

なぜこのような稀有な文化を維持できたのか、

なぜ他人との争いを最小限に抑えることができたのか、

少しだけわかるような気がいたしました。

 

恐らく、縄文の人々は「自分は森(自然)であり、

森(自然)は自分である」ということを、

理屈ではなく直感で気づいていたのでしょう。

そして「自分は他人であり、他人は自分である」

という真実も、同じように理解していたのだと思います。

森の中にひとりでたたずんでいるとき、

まるで自分と森とが一体化したような感覚に陥り、

人間であるはずの自分と、自然であるはずの森との

境界線が不明瞭になりました。

自然を痛めつければ自分が荒れる、

他人を痛めつければ自分が傷つく……、

現代人である私たちはこの「自然の摂理」

を忘れているのかもしれません。