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豊かさを求める 会長日誌

家づくりと言う事業を通じ、多くの人々の人間模様を綴ります。

棟梁の底知れない神秘的な知恵と工夫…北斗市

2009-09-05 13:36:36 | ファース本部
先日は、国宝指定の富山県高岡市に在る400年前建立の瑞龍寺を見学して来ました。この建物を見て驚くのは、建築の指揮を執った棟梁に学問を受けた過去などが全くなく、それでいて現代人よりはるかに高度な技術と技能で建築物を作っているのです。

ケヤキの木目は、その製材箇所によって龍のように見えたり、雲のように見えたり、玄海の荒波に見えたり、鯉の滝登りのように見えたりなど、様々な文様を醸し出します。山門の左右対称の柱の文様は、一方を龍に、一方を鳳凰に見えるように配置していました。

仏様が鎮座する仏殿には、何段かの階段状の段が儲けてありますが、人が立って真っ直ぐ目の位置になる場所の蹴込み板には、仏の眼差しが見つめているようなケヤキの文様があります。また木材の仕口(継ぎ手)は、収縮の暴れを利用して剛性が堅固になる工夫が見えます。

山門の前に埋め込んである真ん中の敷石に中央に立つと、本殿が山門の両柱と鴨居を額縁にしたように浮き出て見えるように配置されています。
山門と本殿、仏殿が東西に一直線に結ばれており、エジプトのピラミッドのように方向測量の正確さに目を見張ります。

写真は回廊を撮ったものです。案内して戴いたお坊さんの丁寧な説明にも感銘ですが、建設に携わった棟梁の高度な配慮に舌を巻く思いです。
写真左の開口部から本殿が見えます。真正面に見ると長押の高さが左右が異なります。長押は鴨居を隠す帯板ですが通常、四方が同じ高さで配置されます。

右の長押は、正面梁の下側に位置していますが、左はその梁に突き当たる位置に配置されています。何故にこのような高さになったかと言うと、回廊から本殿を下から上までの姿全体が見えるようにするため、窓の位置を高くしたのだ言います。

このように計算し尽くされたように見える瑞龍寺ですが、棟梁の手元にあるのは手板(板を継ぎ足して作った90㎝角の四角い板)に墨差(竹を削いで目立てしたモノ)で書いた平面図、立面図、配置図だけで、それを基に全て現場での指揮により、あれだけの正確な建造物を建立したのだそうで驚愕します。

瑞龍寺を建てた棟梁は6歳から大工の弟子となり、全てを身体で覚えた匠の技で為した仕事だそうです。学問や知識だけでは絶対に為しえない建造物です。
是非、皆さんも機会があったら瑞龍寺を訪問し、その神秘の技を見て戴きたい…

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