すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

思いがけない訪問者

2007-06-17 23:24:01 | ひとりごと
 最近、担当していたおばあちゃんが亡くなった。皮肉なことに6月から担当の変更があり、その人は私の担当ではなくなっていた。
 毎月、担当者は「一筆箋」を家族に書いている。担当する入所者の様子などをしたためて送るのだ。
 担当が代わるため、その引き継ぎと挨拶、担当させていただいて楽しかった旨を書いて出すはずだった。その矢先の他界だった。
 かつては、お見送りして、お葬式には上司と主任、担当者が出席していた。そこまでやって、最後までの仕事と思っていた。ところが、最近は人手不足や勤務が回らないといった事情で、上の考えも変わり、担当者は葬儀に出席不可となったのだ。
 今回の場合、私の不在中の他界。担当が移行した直後の他界。だから、心残りもいいところだった。お別れも、家族への挨拶も出来ていない。
 ところが今日、帰宅すると母からの報告があった。
 「今日、お前の担当してたおばあちゃんの息子さんって人がきてな・・・。」
それは思いがけない、訪問者だった。おばあちゃんの息子さんは「とてもお世話になったから」と私の自宅を探し当て、「困る」と断る母にお金を置いていったのだそうだ。
 正直、ものすごく困惑した。いただくわけにはいかない。しかし、電話してお断りするのも勇気がいる。生憎最後の手続きにお越しになると言う明日は、一日父の通院に付き添う日だ。本当は私がきちんとお話すべきだろうが、後手にまわっては元も子もない。指導員に連絡して、上手くお返ししていただくだんどりをした。生憎日曜で上司もいなかった。明日一番に上司にも報告しなければ・・・・。
 けれど、お気持ちは本当に嬉しかった。本当の意味で私はお見送りもお別れもしていない。そんな私には、もったいないお心遣いである。恥ずかしくないような介護をしなければ・・・と肝に銘じた。

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