すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第591号 聖火妨害と中国人観

2008-04-18 21:48:35 | Tokyo-k Report

【Tokyo】北京五輪の聖火リレーは、世界各地でなぜ妨害されるか? それは中国人(漢人)が目下の世界の嫌われ者だからだろう。なぜ嫌われるのか。①チベット人ら少数民族を弾圧する弱いものいじめ癖②著しい経済成長で鼻持ちならない行動③毒でもニセモノでも売れれば勝ちというインモラルな根性④時代錯誤の中華思想と偏狭なナショナリズム⑤1党独裁という政治制度を厭わない不思議な国民性・・・・・・。

羅列してみると次々と思い浮かぶが、そうした思いが湧く根底には、どうも中国人(漢人)に対する蔑視や嫉視がちらついているようで、自分自身が余り気持ちよくない。①と③は事実だとすれば非難されて当然のことだが、②④⑤はそれぞれの国民が選択することで、傍から口出ししても仕方ないことだ。だから②④⑤をあげつらって中国を非難することは、その成長に嫉妬していると公言しているようなものだ。

思い出してみれば日本人も似たような経験をしている。高度成長に浮かれていたころ、日本人は世界の嫌われ者だった。韓国人もそうであったように、「成り上がり」は一度は嫌われるのである。悠久の歴史を持つ大国中国も、現代史で見れば懸命に這い上がりつつある国家だ。

日本人はその後、本当の金持ちに成り上がり、軽蔑と嘲笑を乗り越えたかに見えるが、それは日本人が中国人ほど中華思想を持たず気も弱く、おろおろと反省した結果でもある。中国人はそれが中華的愛国心となって燃え上がるのだろう。

「成りあがり」は、国家も嫌われるものであることは歴史が教えている。オランダがスペインが、そして英国がそうであったし、アメリカは今でも嫌われている部分をパワーでねじ伏せている。国家を基本とした現代世界は、パワーゲームをしているのであって、軍事力でも経済力でも、他を圧倒してしまった者の勝ちだ。

中国政府はそのことをよく自覚していて、蔑視も嫉視も無視し、力で大国への壁を突き破ろうとしているように見える。先進国といわれる国・国民は、自分たちの歴史を振り返れば現在の中国を非難することはそう簡単ではない。だから北京五輪は、始まれば世界の目を釘付けにし、聖火リレーの混乱など忘れる方向へ進むだろう。

しかしチベット騒動で、「弱いものいじめをする国」なのだという印象が世界中に染み付いたことは、中国政府にとって不気味であろう。五輪の熱気が去ったあと、それはじわじわと政権を追い詰めていく「怨霊」になるような気がするのである。
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