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【Tokyo-k】東京・三鷹の三鷹市美術ギャラリーで「米谷清和展ー渋谷・新宿・三鷹ー」を観る。米谷清和(1947-)は福井県出身の日本画家だ。都会の日常的な風景を、ありふれたそのままに淡々と描き録った作品群である。日本画ではあまり見ない題材だが、岩絵具で描いているからやはり日本画なのだろう。東京の空がその作品と谺し合っているような、今年初めての雪が、まだ残っている日である。
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私と同世代の著名な作家らしいが、私は知らなかった。ポスターに「横山操に師事し‥‥」と書いてあったので、興味を引かれたのだ。横山操(1920-1973)は新潟県吉田町に生まれた日本画家だ。私にとって同郷という以上に、私の母と同じ町の生まれで、世代もほぼ一緒だということで、勝手ながら親しみを感じてきた。その延長の作品鑑賞である。
(展覧会のビデオから)
日本画壇の反逆児と呼ばれた激しい画風の横山とは異なり、米谷の作品に共通しているのは「静寂」である。駅の雑踏も歩道橋の人の列も、しんしんと降る雪のごとく静かである。しかしその人々の一人一人は、コートの内に熱い体温を隠し、都会という名の荒野を生きている。画面が静寂であるからこそなのか、むしろ人間臭さが漂ってくる。観に来てよかった。
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展覧会に併設されたビデオを見ていると、米谷さんのお住まいは調布ということで、3人の息子さんに囲まれた家族団欒の場面があった。師の横山は私の母と、蒲原平野のどこかで挨拶していたかもしれないのだが、米谷さんは、調布で長く暮らした私や子供達と、どこかですれ違っていたかもしれない。米谷さんは三鷹にある横山のアトリエを引き継ぎ、制作を続けているのだという。
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三鷹市美術ギャラリーは三鷹駅前のビルの中にある。足場はよく、時折り力の入った企画展を開催するいい施設なのだが、いかんせん狭い。大作の多い米谷作品はもっと下がって眺めたくなるのが歯がゆかった。それでもこうやって、テロの心配をすることもなく美術鑑賞ができるのは幸いなことだ。
(残雪の三鷹駅構内)
今年の年賀状の中に「美術館巡りを楽しんでいます」という、中学の同級生から届いた1枚があった。同級生であるから、彼女も仕事を離れ、思いのままになる時間を満喫している年配だ。清楚で聡明な少女だった彼女が、モネやシスレーの前に佇んでいることを想像すると、それ自体が美しい絵のようである。高齢者にとって、美術館巡りほど楽しい時はないように思う。今年はどんな作品に接し、どんな刺激を受けることになるか、楽しみである。
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私と同世代の著名な作家らしいが、私は知らなかった。ポスターに「横山操に師事し‥‥」と書いてあったので、興味を引かれたのだ。横山操(1920-1973)は新潟県吉田町に生まれた日本画家だ。私にとって同郷という以上に、私の母と同じ町の生まれで、世代もほぼ一緒だということで、勝手ながら親しみを感じてきた。その延長の作品鑑賞である。
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日本画壇の反逆児と呼ばれた激しい画風の横山とは異なり、米谷の作品に共通しているのは「静寂」である。駅の雑踏も歩道橋の人の列も、しんしんと降る雪のごとく静かである。しかしその人々の一人一人は、コートの内に熱い体温を隠し、都会という名の荒野を生きている。画面が静寂であるからこそなのか、むしろ人間臭さが漂ってくる。観に来てよかった。
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展覧会に併設されたビデオを見ていると、米谷さんのお住まいは調布ということで、3人の息子さんに囲まれた家族団欒の場面があった。師の横山は私の母と、蒲原平野のどこかで挨拶していたかもしれないのだが、米谷さんは、調布で長く暮らした私や子供達と、どこかですれ違っていたかもしれない。米谷さんは三鷹にある横山のアトリエを引き継ぎ、制作を続けているのだという。
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三鷹市美術ギャラリーは三鷹駅前のビルの中にある。足場はよく、時折り力の入った企画展を開催するいい施設なのだが、いかんせん狭い。大作の多い米谷作品はもっと下がって眺めたくなるのが歯がゆかった。それでもこうやって、テロの心配をすることもなく美術鑑賞ができるのは幸いなことだ。
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今年の年賀状の中に「美術館巡りを楽しんでいます」という、中学の同級生から届いた1枚があった。同級生であるから、彼女も仕事を離れ、思いのままになる時間を満喫している年配だ。清楚で聡明な少女だった彼女が、モネやシスレーの前に佇んでいることを想像すると、それ自体が美しい絵のようである。高齢者にとって、美術館巡りほど楽しい時はないように思う。今年はどんな作品に接し、どんな刺激を受けることになるか、楽しみである。
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