みちのくの山野草

みちのく花巻の野面から発信。

賢治詩碑「種山ヶ原」(6/20)

2024-06-24 08:00:00 | 種山高原
 「道の駅 種山ヶ原」に建っている賢治詩碑「種山ヶ原」についてである。
《1 》(2024年6月20日撮影)

《2 》(2024年6月20日撮影)

《3 》(2024年6月20日撮影)

 そう、「種山ヶ原」はかつて陸軍軍馬補充部六原支部の出張所だったのだ。ちなみに、私(鈴木 守)はその六原の名の付く『六原中学校』の卒業生であり、私の祖父はこの六原支部の従業員であった。
《4 》(2024年6月20日撮影)


   種山ヶ原
                  一九二五、七、一九、
                      宮沢 賢治
   まっ青に朝日が融けて
   この山上の野原には
   濃艶な紫いろの
   アイリスの花がいちめん
   靴はもう露でぐしゃぐしゃ
   図板のけいも青く流れる
   ところがどうもわたくしは
   みちをちがへてゐるらしい
   ここには谷がある筈なのに
   こんなうつくしい広っぱが
   ぎらぎら光って出てきてゐる
   小鳥のプロペラアが
   三べんもつゞけて立った
   さっきの霧のかかった尾根は
   たしかに地図のこの尾根だ
   溶け残ったパラフヰンの霧が
   底によどんでゐた、谷は、
   たしかに地図のこの谷なのに
   こゝでは尾根が消えてゐる
   どこからか葡萄のかほりがながれてくる
   あゝ栗の花
   向ふの青い草地のはてに
   月光いろに盛りあがる
   幾百本の年経た栗の梢から
   風にとかされきれいなかげらうになって
   いくすじもいくすじも
   こゝらを東へ通ってゐるのだ
          〈『校本宮澤賢治全集第三巻』222p~〉
《5 》(2024年6月20日撮影)


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 ある著名な賢治研究者が私(鈴木守)の研究に関して、私の性格がおかしい(偏屈という意味?)から、その研究結果を受け容れがたいと言っているという。まあ、人間的に至らない点が多々あるはずの私だからおかしいかも知れないが、研究内容やその結果と私の性格とは関係がないはずである。
 おかしいと仰るのであれば、そもそも、私の研究は基本的には「仮説検証型」研究ですから、たったこれだけで十分です。私の検証結果に対してこのような反例があると、たった一つの反例を突きつけていただけば、私は素直に引き下がります。間違っていましたと。
 一方で、私は自分の研究結果には多少自信がないわけでもない。それは、石井洋二郎氏が鳴らす、
 あらゆることを疑い、あらゆる情報の真偽を自分の目で確認してみること、必ず一次情報に立ち返って自分の頭と足で検証してみること
という警鐘、つまり研究の基本を常に心掛けているつもりだからである。そしてまたそれは自恃ともなっている。
 そして実際、従前の定説や通説に鑑みれば、荒唐無稽だと言われそうな私の研究結果について、入沢康夫氏や大内秀明氏そして森義真氏からの支持もあるので、なおさらにである。

【新刊案内】
 そのようなことも訴えたいと願って著したのが『このままでいいのですか 『校本宮澤賢治全集』の杜撰』(鈴木 守著、録繙堂出版、1,000円(税込み))

であり、その目次は下掲のとおりである。

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            〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守  ☎ 0198-24-9813
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