7月2日に登った早池峰のウスユキソウの報告をしたい。
《1 ハヤチネウユスキソウなど》(平成25年7月2日撮影)
《2 ハヤチネウユスキソウ》(平成25年7月2日撮影)
《3 〃 》(平成25年7月2日撮影)
《4 〃 》(平成25年7月2日撮影)
《5 〃 》(平成25年7月2日撮影)
《6 〃 》(平成25年7月2日撮影)
《7 〃 》(平成25年7月2日撮影)
とここまでは大株のハヤチネウスキソウを掲載したが、実際には
《8 蛇紋岩の隙間に根を下ろし健気に生きている》(平成25年7月2日撮影)
《9 〃 》(平成25年7月2日撮影)
ものも少なくない。
もちろん、岩の隙間だけでなく
《10 土の上に生えている》(平成25年7月2日撮影)
ものもある。ところが今回の早池峰山行で気になったのが、このタイプのものでも殆どが草丈は低くかったことである。一般にハヤチネウスユキソウは大柄なものが多いし、いままでは大株のものもかなりあったはずだが、どういう訳か今年は多くが小柄で、大株のものはかなり少ない。そしてそもそも個体数が極めて少ないと私は感じた。
目に余るこの頃の盗掘
そこで私は、おそらく昨年からかなりの盗掘があったと判断した。思うに、ウスユキソウは多年草だから大株のものが少ないということは、やはり盗掘されたと見ざるを得ない。昨年までは咲いていた大株のものが、それらは昨年皆寿命を迎えてしまったのだということはまずなかろうからである。実際そのような盗掘の例があり、実態があるとも聞く。以前、賢治が詩『花鳥図譜、八月、早池峰山巓』において、早池峰山での高山植物の盗掘に当時怒っていることの投稿をしたことがあるが、それ以降も人間の悲しい性が相も変わらず続いていたということになろう。そしてとりわけ最近、早池峰の盗掘が目に余るという嘆かわしい状態にあるといえそうだ。
一方では、スイスの国花でもあるエーデルワイスはいまやスイスアルプスに自生するものはほとんどなくなったという。もちろんスイスの場合にその原因が盗掘であったとは言えないかもしれないが、いずれにせよもう自生のエーデルワイスを彼の地で見ることは殆ど不可能である。そのことを知って、早池峰では登山路の直ぐ脇にハヤチネウスユキソウをふんだんに見ることが出来る幸せを私は花巻市民でもあり(花巻市の花はハヤチネウスユキソウです)ことさら感じていた。がしかし、憂うべき現状をこのまま放置しておいたのではスイスの二の舞は避けられないであろう。
早池峰登山封印
今年のことさらの異常に気付いた私は、ハヤチネウスユキソウが同じ轍を踏まないことを願いながら、同時に私に何が出来るかを考えつつ今回は山行を続けた。そして私の出した結論は、
今回のこの早池峰山行をもって、早池峰本峰の登山を封印することにする。
である。もちろん、私がそんなことをしても殆ど意味がないことは重々承知だ。ましてその封印が盗掘を防ぐ手立てに全くなっていないこともまた自明なことである。さりとて、私は早池峰がこよなく好きだから、これ以上早池峰が痛めつけられることにはもう耐えられない。そこでこの際、今後早池峰本峰に登ることは一切止めることにした。従前から早池峰のオーバーユースが問題となっているが、それに対するほんのささやかな私に出来る解決策の一つであると自分を納得させて、である。
昨今早池峰の保護のために携帯トイレの利用が叫ばれてきたが、私はそれ以上にこの盗掘対策に力を割くことの方が喫緊の課題であると確信し、山行途中に出会った監視員の方にそのことを懇願した。皆さん何かいい対策や方法等はございませんか。
なお、その他のウスユキソウの仲間であるが
《11 いわゆるウスユキソウ》(平成25年7月2日撮影)
そして
《12 タカネヤハズハハコ》(平成25年7月2日撮影)
別名、タカネウスユキソウである。かように、ウスユキソウの仲間にもいろいろあるようだが、ハヤチネウスユキソウ自体にもかなり個体差がある。そして、再びこのような花々の写真を私が早池峰で撮影することはもうないであろう。
これからは
これからの私は、早池峰本峰については対峙する薬師岳から遠く眺めるだけにする。少し心残りなのが昨年から取り組んできた〝早池峰のセリ科〟シリーズだが、これについては今まで撮りためていた写真と、もしそのような写真が必要ならば「紫波江繋線」の道路沿い等で撮れる写真とで十分対応できるだろうから。
そして今後は、みちのくの、とりわけ岩手のその他の山々にもそれぞれの良さがあるということの方に力点を移して投稿していきたい。
続きの
”早池峰(7/2、黄色系の花)”へ移る。
前の
”早池峰(7/2、速報)”に戻る。
”みちのくの山野草”のトップに戻る。
なお、その一部につきましてはそれぞれ以下のとおりです。
「目次」
「第一章 改竄された『宮澤賢治物語』(6p~11p)」
「おわり」
クリックすれば見られます。
《1 ハヤチネウユスキソウなど》(平成25年7月2日撮影)
《2 ハヤチネウユスキソウ》(平成25年7月2日撮影)
《3 〃 》(平成25年7月2日撮影)
《4 〃 》(平成25年7月2日撮影)
《5 〃 》(平成25年7月2日撮影)
《6 〃 》(平成25年7月2日撮影)
《7 〃 》(平成25年7月2日撮影)
とここまでは大株のハヤチネウスキソウを掲載したが、実際には
《8 蛇紋岩の隙間に根を下ろし健気に生きている》(平成25年7月2日撮影)
《9 〃 》(平成25年7月2日撮影)
ものも少なくない。
もちろん、岩の隙間だけでなく
《10 土の上に生えている》(平成25年7月2日撮影)
ものもある。ところが今回の早池峰山行で気になったのが、このタイプのものでも殆どが草丈は低くかったことである。一般にハヤチネウスユキソウは大柄なものが多いし、いままでは大株のものもかなりあったはずだが、どういう訳か今年は多くが小柄で、大株のものはかなり少ない。そしてそもそも個体数が極めて少ないと私は感じた。
目に余るこの頃の盗掘
そこで私は、おそらく昨年からかなりの盗掘があったと判断した。思うに、ウスユキソウは多年草だから大株のものが少ないということは、やはり盗掘されたと見ざるを得ない。昨年までは咲いていた大株のものが、それらは昨年皆寿命を迎えてしまったのだということはまずなかろうからである。実際そのような盗掘の例があり、実態があるとも聞く。以前、賢治が詩『花鳥図譜、八月、早池峰山巓』において、早池峰山での高山植物の盗掘に当時怒っていることの投稿をしたことがあるが、それ以降も人間の悲しい性が相も変わらず続いていたということになろう。そしてとりわけ最近、早池峰の盗掘が目に余るという嘆かわしい状態にあるといえそうだ。
一方では、スイスの国花でもあるエーデルワイスはいまやスイスアルプスに自生するものはほとんどなくなったという。もちろんスイスの場合にその原因が盗掘であったとは言えないかもしれないが、いずれにせよもう自生のエーデルワイスを彼の地で見ることは殆ど不可能である。そのことを知って、早池峰では登山路の直ぐ脇にハヤチネウスユキソウをふんだんに見ることが出来る幸せを私は花巻市民でもあり(花巻市の花はハヤチネウスユキソウです)ことさら感じていた。がしかし、憂うべき現状をこのまま放置しておいたのではスイスの二の舞は避けられないであろう。
早池峰登山封印
今年のことさらの異常に気付いた私は、ハヤチネウスユキソウが同じ轍を踏まないことを願いながら、同時に私に何が出来るかを考えつつ今回は山行を続けた。そして私の出した結論は、
今回のこの早池峰山行をもって、早池峰本峰の登山を封印することにする。
である。もちろん、私がそんなことをしても殆ど意味がないことは重々承知だ。ましてその封印が盗掘を防ぐ手立てに全くなっていないこともまた自明なことである。さりとて、私は早池峰がこよなく好きだから、これ以上早池峰が痛めつけられることにはもう耐えられない。そこでこの際、今後早池峰本峰に登ることは一切止めることにした。従前から早池峰のオーバーユースが問題となっているが、それに対するほんのささやかな私に出来る解決策の一つであると自分を納得させて、である。
昨今早池峰の保護のために携帯トイレの利用が叫ばれてきたが、私はそれ以上にこの盗掘対策に力を割くことの方が喫緊の課題であると確信し、山行途中に出会った監視員の方にそのことを懇願した。皆さん何かいい対策や方法等はございませんか。
なお、その他のウスユキソウの仲間であるが
《11 いわゆるウスユキソウ》(平成25年7月2日撮影)
そして
《12 タカネヤハズハハコ》(平成25年7月2日撮影)
別名、タカネウスユキソウである。かように、ウスユキソウの仲間にもいろいろあるようだが、ハヤチネウスユキソウ自体にもかなり個体差がある。そして、再びこのような花々の写真を私が早池峰で撮影することはもうないであろう。
これからは
これからの私は、早池峰本峰については対峙する薬師岳から遠く眺めるだけにする。少し心残りなのが昨年から取り組んできた〝早池峰のセリ科〟シリーズだが、これについては今まで撮りためていた写真と、もしそのような写真が必要ならば「紫波江繋線」の道路沿い等で撮れる写真とで十分対応できるだろうから。
そして今後は、みちのくの、とりわけ岩手のその他の山々にもそれぞれの良さがあるということの方に力点を移して投稿していきたい。
続きの
”早池峰(7/2、黄色系の花)”へ移る。
前の
”早池峰(7/2、速報)”に戻る。
”みちのくの山野草”のトップに戻る。
なお、その一部につきましてはそれぞれ以下のとおりです。
「目次」
「第一章 改竄された『宮澤賢治物語』(6p~11p)」
「おわり」
クリックすれば見られます。
一市民(旧一町民)です。
時折、ブログを拝見しています。
去年の薬師と先日の早池峰、おそらく二度ほどすれ違ったと思います。
次の機会に、名乗って見ようと思っていました。
盗掘の件、皆が憂慮する所です。
先日も、消え失せたトチナイソウに、落胆したばかり。
登山者の増加による様々な問題も、少しは認識しているつもりです。
登らないことが山のためという気持ちも理解できます。
現状を目の当たりにするのは辛いと思いますが、これまでの経験を活かして、積極的に係わる道は無いものでしょうか。
私も、自分で出来ることを、微力ながら実行したいと思っています。
いつか、花盛りの山道でお会いできますように・・・・・
ハヤチネウスユキソウは、もしかしたら環境的な要因かもしれません。今年は、特に降雨量が少なかったので。
盗掘は、大変残念なことですし、許されないことです。
ただ、個人的には、是非鈴木様には、早池峰山に登山してその魅力を本ブログで紹介して頂きたいと思っています。
その結果、早池峰山に登山される方が増えれば、かえって盗掘のような非モラル的な行為ができなくなると私は、思います。
私は、いつも鈴木様のブログを見て登山計画をたてているので、これからも早池峰山に登山していただきその魅力を世界中の人に紹介してほしいと切望します。
お早うございます。コメントを頂きありがとうございました。また、時折のご訪問ありがとうございます。
申し訳ございません、当方 ケンボ 様にすれ違っているらしいのですが気付いておりませんでした。
さてこの度の件ですが、実は私もその噂を聞いて気にり、そのことを確認しなければと思って登ったのが今回の「早池峰山行」でした。途中で監視員の方にお会いしたのでまずそのことをお訊ねしましたならば、その通りだということを教えていただきました。
そしてその場所を通過する際に横目で見ると、そのような惨状がそこにはありました。私はその場所に立ち止まりもせずにそそくさと去りました。耐えられなかったからです。
仰るとおり、積極的に関わるべきかもしれません。考えてみたいと思いますが、それが出来るまではやはり封印したいと思っております。
もちろんこれからも、早池峰本峰には登らないにしても、「紫波江繋線」の道路沿いや薬師岳から仰いだり俯瞰したりはしたいと思いますので、そのような報告などは今後も続けて参りたいと思っております。
はい何時の日か、花盛りの山道でお会いしたいものです。
お早うございます。コメントを頂きありがとうございました。そしていつもいろいろとありがとうございます。
たしかに仰るとおり「環境的な要因」かもしれませんね。一方盗掘については全く残念であり、無念です。
なお早池峰本峰に登ることは封印しますが、本峰を仰いだり俯瞰したりはしたいと思っております。なぜならば、早池峰山が一番好きな山だからです。
また ケンボ 様の仰るとおり、積極的に関わるべきかもしれません。考えてみたいと思ってはおりますが、それが出来るまではやはり封印したいと思っております。
これからは早池峰以外の山のすばらしさをいくらかでも報告して参りたいと思っております。
そこでまずは、かつては時折登っていたにの最近全く登らなくなってしまった経塚山、牛形山などの報告などをしたいものだと考えております。
これからも拙ブログにどうぞお越しください。