平成28年10月30日(日)
今週末も各地で文化祭が開催され、時間が許す限り地域文化や郷土芸能の発信状況を見て回りました。文化祭といえば一見同じように感じますが、それぞれの地域の個性が現れ、興味深くその違いを見させていただきました。
また、東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムとして期待される、由比・蒲原・富士川・富士地域を会場として開催されている、駿河の国の芸術祭、「富士の山ビエンナーレ2016」の一部を視察させていただきました。この催しは、10月28日から11月27日までの1ヶ月間開催されています。
さて、各地区の文化祭は、昨日の夕方に富士南地区、今日は、須津・吉永北・富士見台・原田の各会場にお邪魔しました。
富士南地区は、毎年正月に「三世代交流大凧あげ大会」が開催され、富士川の左岸緑地公園には、その名の通り地域の世代を超えた皆さんが集まるメイン行事で、その結集力をまちづくりの核において活動されている地域です。市内では、人口が増加している地域であることから、また、海岸にも近く富士川縁ということから、防犯や防災に大きな関心を寄せています。
(富士南地区「ききょうの里」文化祭の舞台)
(壁一面に大凧が展示されていた)
須津地区は、愛鷹山南西麓に広がる地域で、市内唯一の須津渓谷を有し、古くから街なみが形成され、自然と人の営みがバランス良く共存し、市の東部地域である根方街道沿いの中では人口が比較的多く、高齢化率も周辺より若干低い地域でもあります。
「みんなの笑顔でまちづくり」を文化祭のテーマに、地域資源を前面に出して、郷土史や地域特産のお茶を取り入れた「新須津カステラ」なるものを開発提供するなど、住人をはじめ外部からの訪問者にも喜ばれる「おもてなし」の文化祭でした。
(開会式で紹介される町内会長の皆さん)
(ほうじ茶を使った、新須津カステラ)
吉永北地区は、愛鷹山の西麓の山間地に広がる、歴史的には古い地域でもあります。郷土芸能では、無形文化財の「鵜無ヶ淵神楽」があり、食材も豊富ですが、残念ながら文化祭では食品衛生の観点から出店できるものが制限され、食することはできませんが、地元食材を使った家庭料理などが大変おいしく、人情味溢れるふるさとを感じさせる地域でもあります。
(無形文化財の鵜無ヶ淵神楽の披露)
富士見台地区は、市内で最初に整備され、かつ最大の人口規模を有する団地を中心とする地域です。高度成長期に市内外から移り住んだ方々が多く、しかし現在は高齢化が進み、核家族化で人口流出も顕著であり、空き家が目立つようになったとも聞きます。
新しいふるさとをこの地に築いてきた人達の意気込みが感じられる文化祭でした。
(これまでの練習の成果を舞台で披露する富士見台地区の女性グループ)
原田地区は、住工が隣接する地域で、特に24時間稼働している製紙工場も多く、元気なまちに住む多様な技を持つ人が多い地域と感じています。
(竹灯籠を新たなまちづくりの材料に加えた、原田地区市民団体)
それぞれの地域環境の違いが、いずれも特性となってまちづくりに表れ、それを楽しめるのが文化祭だと思います。文化祭のハシゴをしてみて気付きました。
最後に、「富士の山ビエンナーレ2016」の紹介です。
詳しくは、私が説明するよりも下記のホームページを参考にしていただくのが一番です。
http://fujinoyama-biennale.com/
今日視察させていただいたのは、富士市岩淵(旧富士川町)にある、プロジェクションマッピング「不死(富士)」と、インフォメーションセンターの「フジノヤマカフェ」です。
(紙を使ったオブジェ)
プロジェクションマッピングは、昭和の時代に作られた木造倉庫を会場に、高さ3.5m、幅12mのスクリーンに映し出される、竹藪から見た富士山です。約15分間の映像ですが、モノトーンで、光と音響による幻想的な演出により、「不死」の山を抱かせる神秘的な富士山を見事に描いています。作家は、フランス人のジョアニー・ルメシエ氏で、西洋の感性と日本の文化の融合を強く感じました。外国人にもきっと関心を持っていただけるであろう作品で、東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムとして、期待のかかる作品と感じました。
(古い木造の倉庫が、プロジェクションマッピングの会場)
(催しを伝えるパネル)
(プロジェクションマッピングで表現された幻想的な富士)
フジノヤマカフェでは、実行委員会事務局の責任者や、ディレクターなど関係者と意見交換することが出来、大変有意義な時間を過ごすことができました。
(お話を伺った、フジノヤマカフェ)
地元からの新たな文化の発信に、これまでにない感動を覚えました。
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