令和7年3月29日(土)
「小1ギャップ」が課題となっています。これは、小学校1年生が幼稚園や保育園との違いに適応できず、問題行動や不適応状態が続くことを指し「小1プロブレム」とも呼ばれます。
私の認識は「小1プロブレム」と言い方を使ってきたので、新しい表現にはまだ慣れていませんが、その言葉の違いに何かあるのかに関心があります。
改めて「小1プロブレム」とは、1年生の学級において、入学後の落ち着かない状態がいつまでも解消されず、教師の話を聞かない、指示通りに行動しない、勝手に授業中に教室の中を立ち歩いたり教室から出て行ったりするなど、授業規律が成立しない状態へと拡大し、こうした状態が数ヵ月にわたって継続する状態をいいます。
静岡県では、幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の推進するための取り組みが行われていますが、この取り組みを進める上での現状と課題の中に、「発達に特性のある子、外国にルーツのある子の増加や、不登校、問題行動の発生件数の増加に伴い、全施設種での保育の質向上や幼保小の円滑な接続の重要性が認識されてきている。」との見方があります。
私がこれまで認識してきた「小1プロブレム」(小1ギャップ)は、先ほどの現象説明にあるように、保育の場と小学校との環境の大きな違いによってこの時期特有の誰もが起こりうる状況と考えてきましたが、その後の子どもを巡る諸課題にこの時期が重要な意味を持つことに注目しています。
この事態をどう捉え、取り組んでいくかは大きな課題です。県は、公立・私立や幼稚園・保育園など、施設類型が多様な幼児教育施設において、全施設と小学校が円滑な接続を図るために自治体が果たす役割は重要であるが、各市町の取組には差がある。また、小学校との連携の取組を行っている幼児教育施設は約9割に上るが、子供同士の交流にとどまり、互いの教育・保育の理解に基づいたカリキュラムの接続に関する取組をしている施設は多くない。(架け橋カリキュラム作成率全国30%、県24%)と分析しています。
県は、令和6年度は、教職員研修の充実や、市町への支援、インクルーシブ教育保育研究「Spring プロジェクト」の実施などを行ってきました。
令和7年度は、所管が教育委員会から健康福祉部に移管されますが、幼保小の円滑な接続に向けた「架け橋期の教育」の充実、教職員研修の更なる充実、市町への支援、SEL(ソーシャル・エモーショナル・ラーニング)の推進に加え、小学校での支援体制を強化するため、小学校1年生で31人以上の学級を有する全ての学校に支援員を配置します。
これらの取り組みにより、不登校、問題行動の発生件数の増加などの抑制につながるか、注視していきます。
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