GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

世界一のコーヒー輸出国

2012-10-26 00:03:25 | 農業・食品

NHKワールドプレミアムの「ワールドWave トゥナイト」は鬱陶しくないニュース番組なので最近しばしば観るようになりました。昨日は、この番組の中でベトナムのコーヒー輸出が今年上半期にブラジルを抜いて世界一となったことが取り上げられていました。

今年ベトナム中部高原のコーヒー栽培地帯の不況ニュースを目にして来ただけに、この明るい報道には違和感がありました。その上、ベトナム・コーヒーのアラビカ種が多く輸出されているかのような取り上げ方は不信感を抱かせるものでした。コーヒー輸出の60 - 70%ほどは外国直接投資企業によるものであり、中小のベトナム企業は高金利政策の下で倒産が相次いでいます。

ベトナムのコーヒーが輸出世界一となったのは2011年のアラビカ種コーヒー価格の上昇が安いベトナムのロブスター種への消費需要の転換をもたらしたためであり、ベトナムのアラビア種輸出は昨年5万トンでしかなく、160万トンの輸出中3%を占めるに過ぎません。

したがって、ベトナムでの「コーヒー輸出世界一」の報道は昨日のNHKの報道とは異なるものでした。

http://giacaphe.com/32140/viet-nam-tro-thanh-nuoc-xuat-khau-ca-phe-so-mot-the-gioi/

7月末までにベトナムは120万トンのコーヒー、金額で25億ドルを輸出し、昨年同時期比数量で31.6%増、金額で25.4%増となり、世界最大のコーヒー輸出国となった。

ベトナム・コーヒー・カカオ協会(VICOFA)によると世界経済の衰退によって各コーヒー加工工場と世界の消費者はロブスター種への転換を図った。これはロブスター種生産世界一であるベトナムのコーヒーに有利となった。

一方、ブラジルやコロンビアなどのコーヒー生産国は天候不順と消極的なコーヒー生産の影響に直面している。

年初7ヶ月のロブスター種コーヒーのベトナムと他国との価格差は250 - 300ドル/トンから、わずか30 - 50ドル/トンへと狭まった。

農業・農村開発省(MARD)によると、ベトナムのコーヒー生産は1996年から今日まで強力に発展し、ベトナム第二の農産輸出品に成長した。

ベトナムのコーヒーは世界80以上の国と地域に輸出されており、コーヒー輸出の量的な優位性を持ち、他の輸出国より低価格である。現在、ベトナムのコーヒー価格は38,000ドン/kg(19USD)から43,500ドン/kg(20USD強)である。

ベトナム・コーヒー・カカオ協会(VICOFA)の資料によれば、過去3年間アラビカ種の輸出が増加し、2009年の24,000トンから2011年には50,000トンに達した。輸出価格も2009年の2,313ドル/トンから2011年には4,261ドル/トンへと約倍増している。ロブスター種とアラビカ種の輸出価格差は益々拡大し、2011年にはロブスター種2,099ドル/トンに対しアラビカ種は4,261ドル/トンとなった。

ベトナム農業・農村開発省は、2020年に4万ヘクタールのアラビカ種コーヒー栽培の目標を掲げている。VICOFAによればベトナムでは現在12万ヘクタール以上のコーヒー栽培地が不毛化しており、多くの農場が植え換えのため生産量は15%減少するだろうとしている。

ベトナムの「コーヒー増産の2020年までの計画と2030年までの展望」では、2020年までコーヒー栽培総面積50万ヘクタールを維持し、生産量をヘクタール当り2.4トン。2030年に47.9万ヘクタール、2.5トン/ヘクタールとしている。2011年末にはコーヒー栽培面積は57.1万ヘクタール、年間12万 - 13万トンの処理能力。

現在、国内のコーヒー生産企業と輸出企業は輸出商品の多様化を急いでおり、同時に国内消費需要に応えようとしている。コーヒー生産者にとって最大の困難は低利率の融資をどのように得られるのかということにある。

世界市場においてベトナムのコーヒー加工製品は、各途上国の市場参入によって少なからず困難に直面しており、したがってベトナムは主要にコーヒー豆の低価格での輸出となっている。