ラオスと国境を接するストゥン・トレンまではプノンペンから450kmと書かれいましたが、たぶんこれは国道7号をそのまま走っての距離のことで、途中で近道をすれば400km。50km/h平均で8時間、1時間余裕を見て9時間あれば国境に着くだろうと考えて昨日プノンペンを出発することにしました。
朝5時に出れば2時着の筈です。しかし朝5時に起きたものの外はまだ真っ暗。コメを炊いておにぎりを作り、明るくなるまで待つことにしました。で、結局のところ家を出たのは6時半。それでも3時半には国境に着けるつもりでした。
プチュン・バン連休が始まる日だけに、この時間の道路は既に帰省バイクが少なくありません。国道6号は相変わらず拡張工事が終わってないので埃にまみれながらスピードも出せません。最初の30kmで1時間も費やしてしまいました。
コンポンチャムの町の近くでガソリンスタンドに寄り、給油して休憩。134km走って9時半になっていました。
国道7号をSUONを少し過ぎてから左折しクラチェに向かう道は一度走ったことがあります。交通量も少なく、道もそこそこ悪くはないので70km/h平均で走れたつもりでしたが、コンポンチャムで給油してからの145kmを3時間近く費やしてしまい、12時を過ぎていました。
クラチェからはメコン河沿いに風景を眺めながら暫く走り、再び7号線に合流します。一度走ったことのある道ですが記憶に残ってなく、不安になって携帯でグーグルマップを確認しました。
7号線に合流してからは記憶は鮮明に残っており、相変わらずの悪路でした。前回は雨の中の夜道を走ったわけですからそれに比べれば快適でした。しかし、人口密度が稀少でガソリンスタンドがなく、集落があるとドラム缶入りのガソリンが売られているだけ。
クラチェからスゥン・トレンまでは151kmでした。時間は既に3時を回っていました。橋を渡ってから国境まではせいぜい20kmほど。と何故か勝手に思い込んでいました。昨年5月に車で来た時の記憶では。しかしそれが大間違いで、たぶん車の中で眠っていたようです。3時半には国境につくだろう、と思っていたのが4時を過ぎても着かずにいるので焦りました。5時過ぎても手続きをするような雰囲気はなかったし。
国境を越えて来たような車にも出会わず、また国境に向かうような車も見当たりません。国境まで何kmとの表示もなく、国境ゲートで「明日にしてくれ」って言われたらどうしよう、などと悲観的になりました。
スゥトン・トレンの町の近くから約80kmほどでやっと国境に着きました。時間は4時半になっていました。ゲートの小屋の中に人は居らず、建物の前で係員がトランプをしていました。「すいません、時間はまだ大丈夫ですか」?と情けなく問うと、「Not yet」とのお返事を頂き、出国スタンプを押して貰えました。出国スタンプがあれば、ラオス側も入国させるしかありません。ラオスの入出国スタンプがないとカンボジアへの再入国も不可の筈だから。何の料金か不明ですが手数料が2ドルでした。
ラオスの入国も手数料2ドル、これも領収証のない手数料。「2km先にカスタムがあるから」と言われて2kmほど走ると税関がありました。「カンボジアの税関の書類は」?と聞かれ、貰ってないと答えると「ないとバイクは持ち込めないよ」と言われ、再びゲートを潜ってカンボジア側へ行き書類を作って貰いました。手数料10ドル。領収証なし。
ベトナムとの国境ではカンボジアの税関や出入国係官の方が立派に見えましたが、ここでは逆にラオスの係官の方がちゃんと仕事をしているような印象です。ラオス側でもバイクの持ち込み書類を作成し、手数料は5ドルと半額。レシートもくれました。が、25,000KIPなので超ドル安レートです。
気は揉んだもののどうにか無事国境を越えることができました。日の暮れ始めたラオスの国道13号線を少し走ると「コーンパペンの滝」入口の看板が見えました。それを左折すると直ぐに料金ゲートがありましたが、既に人影はなく、「無料で見て行ける」と浅ましい思いに駆られたものの視界の利く明るさではありません。
国道を走る車もバイクも見当たらず、ヘッドライトを点けると虫がビシビシ顔に当りました。心細さもあって最初に見付けた「YENSABAI HOTEL」に泊まることにしました。エアコンなしなら一泊6ドルとのことで、エアコンの必要な気温でもないのでそれでOKしました。しかし、温水シャワーないので慌てて13ドルの部屋に換えて貰うことに。Wifiもないホテルでしたが、お陰で9時前に眠ることができました。