ナムディンでは、海岸近くにある郷土資料館に行って来ました。村の住民がかつて使っていた農具などを持ち寄って出来た資料館だそうです。昨年、越生へ友人の稲収穫を見に行き、その時籾米を少々持ち帰って自分で籾摺りを試みました。すり鉢とスリコギを使っての作業は容易ではなく、電化される以前の時代に人々はどうやって籾摺りをしていたのか疑問に思うことしきり。
弥生時代に稲作が普及した、と歴史の教科書では簡単に触れられる事柄ではありますが、こんな面倒な作業をしなければならない稲作がそう簡単に普及したとは思えなくなって来ました。隣の人が作っているから自分も真似して・・・などということではなく、新しい生産システムが社会組織として革命的に普及する過程だったのだろうと思います。
左がナムディンの資料館にあった籾摺り用杵、右はニントゥアン省ファンランのチャンパ資料館にあったものです。
思い出せば、4年前にラオスに行った時に見た農家の庭先で作業していたものと大して変わりません。
改めて画像を確認すると、やはり電気の来てない農家でした。
日本では江戸時代になって中国から籾摺り臼が伝わり、玄米の状態にすることが可能となったとのこと。杵で脱穀すると籾殻も米も多く破砕されてしまったようです。この籾摺り臼もナムディンとチャンパの資料館に展示されていました。
ベトナムのカオバン省で今回見た中国製電動籾摺り機。籾米を上から投入しほぼ白米の状態で落ちて来ていました。籾殻も粉々。オバサンは二度通してしましたから一度では籾殻を取り切れないようです。数軒ある集落で共同で使っているようでした。