GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

籾摺り用具

2016-05-10 23:52:53 | 農業・食品

ナムディンでは、海岸近くにある郷土資料館に行って来ました。村の住民がかつて使っていた農具などを持ち寄って出来た資料館だそうです。昨年、越生へ友人の稲収穫を見に行き、その時籾米を少々持ち帰って自分で籾摺りを試みました。すり鉢とスリコギを使っての作業は容易ではなく、電化される以前の時代に人々はどうやって籾摺りをしていたのか疑問に思うことしきり。

弥生時代に稲作が普及した、と歴史の教科書では簡単に触れられる事柄ではありますが、こんな面倒な作業をしなければならない稲作がそう簡単に普及したとは思えなくなって来ました。隣の人が作っているから自分も真似して・・・などということではなく、新しい生産システムが社会組織として革命的に普及する過程だったのだろうと思います。

左がナムディンの資料館にあった籾摺り用杵、右はニントゥアン省ファンランのチャンパ資料館にあったものです。

 

思い出せば、4年前にラオスに行った時に見た農家の庭先で作業していたものと大して変わりません。

 

改めて画像を確認すると、やはり電気の来てない農家でした。

 

日本では江戸時代になって中国から籾摺り臼が伝わり、玄米の状態にすることが可能となったとのこと。杵で脱穀すると籾殻も米も多く破砕されてしまったようです。この籾摺り臼もナムディンとチャンパの資料館に展示されていました。

ベトナムのカオバン省で今回見た中国製電動籾摺り機。籾米を上から投入しほぼ白米の状態で落ちて来ていました。籾殻も粉々。オバサンは二度通してしましたから一度では籾殻を取り切れないようです。数軒ある集落で共同で使っているようでした。


もち米の炊き方

2014-10-11 19:52:40 | 農業・食品

もち米の炊き方が分からないのでネットで調べると、漬け置きをしないで炊飯器に掛けるとのこと。しかし、試してみると二度続けて芯が残ってしまいました。小さめのステンレス鍋でカートリッジ・コンロに掛けて炊いているので勝手が違うようです。三度目からは5分間漬け置きした後、コンロの火を微弱状態で15分以上掛けて炊くようにしました。普通のコメと違ってまだ水分が残るうちからパチパチと弾けるような音がします。普段はこの音が聞こえると火を止めていました。もち米の場合はその後5分近く待たねばならないようです。とにかく、弱火で時間を掛けて炊くことがポイントかと。

もち米にも何種類かあるようで、昨年10月にモンドルキリで見たのは黒米でした。

    

「オンコー・タナープ」と教えられ、その後でプノンペンのペンシル・スーパーで「オンコー・タナープ下さい」と注文すると今回買ってしまったコメと同じような黒くなく、また形も長くないもち米でした。今年1月にベトナムの市場で見たもち米はモンドルキリの田圃でみたものと良く似てました。

    

26,000ドン/kgなので1.22ドル。カンボジア・リエルに換算すると4,950リエルにもなってしまいます。サエンモノロムで間違えて買ったもち米は3,500リエルでしたから、この黒いもち米は高級品種のようです。それともカンボジア産の黒米なのでしょうか?

ベトナムの知人に聞いた話では、ベトナムのコメは3ヵ月で収穫するのにカンボジアでは4ヶ月とのこと。その一ヶ月の違いが美味しさにつながるのだとか。カンボジアの田植え風景を眺めていると腰を屈めている姿は数少なく、立って腰を伸ばしている時間がとても長いような・・・。農民の勤勉さという意味ではベトナムの田圃の方が勝るようです。

モンドルキリ生活も残すところ後一週間ほどになりました。その期間、隣の猫と一緒にこのもち米を食べ続けることになります。きょうは、もち米のカレーライスにキュウリとオクラのサラダを堪能しました。


お盆休み明けのサエンモノロム

2014-09-25 21:34:13 | 農業・食品

土日を含めて5日間のお盆休みが終わり、早速エィシーリーダ(ACLEDA)銀行の支店に行ってキャッシュカードの更新手続きをしました。休み中にATMで引き出そうとするとカードが期限切れで使用不可。大した額が入っているわけでもなく、口座を解約して現金を引き出しても良かったのですが、プノンペンでこの口座を作る時には住居届の証明書類とかが必要で手間暇掛かっていただけにそれも勿体ない気がしました。サエンモノロムの町には最近CANADIA銀行の建物が出来ましたが、まだ開店はしておらず商業銀行はACLEDAのみ。カードの発行手数料が10ドルで10日間掛かるとのことでしたが、仕方ありません。この支店の女性行員は接客態度がイマイチというか、感じが良くありません。それでかかつての埼玉銀行の窓口を思い出しました。90年代のベトコンバンクほどではありませんが。カンボジアに支店を開設したサコムバンクの責任者が以前、「一番苦労するのは人事だ」と語ってましたが、カンボジア女性もなかなかどうしてベトナム女性に負けず劣らずの資質をお持ちのようです。

きょうから昼飯を外食で済ませるつもりが雲行きが怪しくなり、庭に植えたマリーゴールドの挿し木などを見ていると隣のオバサンと姪が来て「猫が来てないか」?と尋ねました。子猫が3匹居て、きょう一匹死んだとか。そのショックで母親猫が行方不明になったということかどうかは知れませんが、朝はいつものように家に入って来てイワシのトマトスース煮を食べて早々に引き揚げて行きました。子猫を一匹くれるとの話でしたが、10月以降は此処を去るつもりなので断りました。猫も犬も鶏も自分で飼うとなると一人身にはなかなか大変そうです。もっともご近所の人々は犬や猫をちゃんと世話してる、というようには見えませんが。人間同様に犬も彼方此方の家でくつろいでいるので実際のところ誰が飼っているのかわかりません。きょうも茶色の雌犬が来て猫の食べ残しに首を突っ込んでいました。しかし、この辺の犬は猫と違って餌を与えようとすると直ぐその場を去ってしまいます。人が見て居る場所では何故食べないのか不思議です。バケツの水は遠慮なく飲んでいます。

    

晩飯はハンバーガーで済まそう。と思って夕方バイクで向かったところ店はまだ開いていませんでした。市場は開いているもののまだ新しい仕入れはなさそうなので素通りして氷を買いに店に寄りました。店の前では数人掛で何やら調理している様子。覗いてみるとバッタのような昆虫でした。

      

市場などで昆虫料理が売られているのは何度も見にしましたが、実際調理しているところを見たのはこれが初めてです。最近ナショナルジオグラックスだったで国連が昆虫食を奨励しているとかの記事を見た覚えがあります。栄養価が高いとか、養殖が環境への負荷が少ないとか色々メリットがあるそうです。しかし、調理するのは結構手間暇が掛かる様子。大家族の農村生活でなければ無理みたいです。高齢者の単身世帯が増える日本の社会では難しそう。コンビニ弁当にイナゴの佃煮などが入っているとも思えません。

      

アンコールビールの代理店をしているようなこの店で雑貨品なども買うようになりました。此処に来た当初他の店では結構ボラれたことも多かったのですが、此処は安心できました。ドルで支払うときちんと1ドル=4040リエルとか端数も入れて計算してくれます。冷蔵庫がないのでほぼ毎日氷を1,500リエル分買ってますが、店の家族や従業員それぞれ人によって大きさが違います。店の家族よりは比較的従業員の方が大き目に切ってくれます。特に一番大きいのはこの子供を抱いた彼女。彼女が切ってくれると翌日は買わずに済みます。


モンドルキリの蜂蜜ショップ

2014-06-14 20:56:15 | 農業・食品

先月末、気管支炎で夜中に咳込むようになり日々激しくなるので堪らずネットで咳止めを方法を検索しました。幾つかのサイトを開くとどうやら蜂蜜が効果的のようなので翌朝早々に町へ蜂蜜を買いに出掛けると最近オープンしたらしい「ハニー・ショップ」が目に留まりました。サエンモノロムのハエの群がる市場で日頃買い物をする身には随分と綺麗な店に見えました。

店の中にはパネルが展示されており、モンドルキリの蜂蜜が先住民であるBunong族のコミュニティによって野生の蜜蜂の巣から採取されていることを知りました。てっきり「養蜂」による採取と思っていたので驚きでした。

    

町では蜂蜜を500mlのペットボトルなどに入れて売っている店が多く、以前一、二度買ったことがあります。確か6ドルだったかと。しかし、このハニー・ショップでは500mlのペットボトル入りは11ドル、瓶入りが250gで6ドルとのこと。エー高い!とは思ったものの瓶にはちゃんとラベルも貼ってあり、「BEST BEFORE 31 05 2015」と賞味期限のようなものも記されています。連絡先も「モンドルキリ・ワイルド・ハニー・ネットワーク」の電話番号が記されていました。

瓶に入れてラベルを貼っただけで何で値段が倍になるのか・・・との思いは残りましたが、そんなことより咳止めが先決。もうこの雨期が始まった時期に蜂蜜の採取地まで行くなんてことも出来ないわけだし、展示パネルを見させて貰っただけでも貴重な経験と思うことに。

この蜂蜜の効果なのか、その翌日から咳は軽くなり250gは3日ほどで無くなりましたが気管支炎の症状も見事に治まりました。その後、安い蜂蜜を求めて彼方此方の店で聞いてみると500mlのペットボトル入りは30,000リエル(7.5ドル)になっていました。一年以上も前にペットボトルに詰められたかのような商品もあり、蓋を開けるとガスが抜ける音が「プシュー」。発酵してるみたいでした。

昨日、比較的新しそうなのを市場で見付け、蓋を開けてもガスの出てこないのを確かめて一本買いました。家に戻って先日買った瓶に詰め代えると何やら不純物らしきものが浮いています。市場で買ったペースト状のパームシュガーなども花が入ってたりするので驚くことはありませんが、一応何が浮いているのかを確認すべく茶漉しに掛けました。

    

どうやら乾燥して固まった蜂蜜の破片みたいなもののようです。ペットボトルに詰める前に一度濾過すれば良いだけのことですが、その手間を惜しんだものが7.5ドルで売られているようです。

養蜂蜂蜜とこの野生採取蜂蜜の値段比較をしても意味がないこととは思いつつ、日本の蜂蜜消費状況を検索してみました。消費量年間約4万トン。93%が輸入で、輸入蜂蜜の78%が中国からだそうです。日本での家庭消費量は22,700トンほどなので一人当たり消費量は年間189gでしかありません。中国からの輸入価格はCIFで175円/kgと激安。25.5%の輸入関税課税後でも220円でしかありません。それが小売り価格だと千円/kg以上になってしまうのは何故でしょう?

 


ベトナムのトウモロコシ輸入

2014-06-05 22:24:24 | 農業・食品

ベトナムの5月農業報告によると今年5月末までのトウモロコシ輸入は昨年同期比2.66倍の223万トンに上るとされています。昨年のトウモロコシ輸入も年間で前年比約40%増の225万トンでしたが、今年は更に増大する見込みです。飼料需要の増大がその理由とされています。

率直な疑問として肉の需要が年間40%も増えるとは思えず、家禽・家畜の昨年の統計を見たところ前年比数パーセントの増加に留まっていました。要するに肉の供給量を数パーセント上昇させるためにはその10倍ものトウモロコシが必要ということなのでしょうか?

トウモロコシ輸入世界一を誇る(恥じる)日本の年間輸入量は1,500万トンほど。日本の場合は実質飼料用トウモロコシの国内生産はゼロですが、ベトナムでは昨年、前年度比4%増の約520万トンが国内生産されています。栽培面積と単収が僅かながらも増加した結果です。したがってベトナムの昨年のトウモロコシ消費は743万トン。ちょうど日本のトウモロコシ消費量の半分ということに。

所得水準が上昇して肉の消費が増える、とはよく聞く話ですが、以前ベトナムで生活するようになって驚いたのは定食屋の肉の多さ。日本で生活していた頃ラーメン屋などで「野菜炒め」を注文すると豚肉はほんの僅かで探してやっと一切れ見つかるほどでしかなかったわけですが。フォーなどの麺類にも牛肉、鶏肉はかなりの量が入っています。ベトナム社会の動物性タンパク質摂取量は90年代ですら日本より多いかのように感じていました。

したがって、中間層が形成され所得水準の向上によって食肉需要が拡大した、というよりは商品経済化された食肉の生産の拡大、そのための飼料原料の輸入の増大として捉えるべきでないのかと思っています。

ベトナムのトウモロコシ生産量が最も多いのは中部高原のダクラック省で栽培面積約12万ヘクタールで60万トン。先月はダクラック省北端にある1,000ヘクタールほどのトウモロコシ畑を見て来ました。

      

ちょうど少数民族の人々が種を植えている時期でした。石が彼方此方にあり、開墾したての余り良い農地とは思えない土地でした。たぶんベトナムでは大規模な飼料用トウモロコシを栽培する土地は残されていないようです。

そのため農業ビジネスに参入したホアン・アィン・ザーライ社(HAG)などは、ラオスに4万ヘクタール、カンボジアに3万ヘクタールほどの土地を確保し、ゴム・砂糖・トウモロコシの栽培を開始しています。

今年のベトナムのトウモロコシ輸入は300万トンを越えることは確実で、300万トンのトウモロコシを栽培するには60万ヘクタールの農地か、あるいは機械化された大規模農業の2期作などが必要とされます。

アメリカ農務省(USDA)の予想では2020年には中国が日本を抜いて世界最大のトウモロコシ輸入国になるそうです。中国はトウモロコシ生産量ではアメリカに次ぐ世界2位で2.1億トンほどになるそうです。それでも飼料需要に満たない-飼料生産のトウモロコシ依存度が問題であるような気がして来ます。

此処モンドルキリの豚や鶏のトウモロコシ依存度はかなり低いのですが。


トゲバンレイシを買って食べた

2014-04-29 20:23:16 | 農業・食品

隣の庭にはこのトゲバンレイシの木があり、そうそろ食べられそうな大きさになっています。そうと気が付いたのは最近のことで、いつ頃どんな花が咲いたのかも知りませんでした。

マンゴーとアボカドにも多少飽きたような気になり、市場でトゲバンレイシを買いました。英語名は「Soursop」、ベトナム語で「Man Cau Xiem」、カンボジアでは「ティエップ・バラン」と呼ばれています。日本語名は「棘のあるバンレイシ」との意味かとも思いますが、ベトナム語は「タイのMan Cau」、カンボジア語は「フランスのティエップ」という意味かと。

ベトナムに居た頃は「Man Cau」こと「バンレイシ」は度々口にする機会がありました。英語でCustard-appleとかSugar-appleと呼ばれていて、味を表現するにはこの英語の呼び名が一番ぴったり来る果物で、カスタードクリームの食感や砂糖のような甘さがあります。

トゲバンレイシは大きさや形状はこれとは異なるものの包丁を入れると果肉の色や種などはバンレイシとそっくりでした。しかし、味はまったくの別物で、とてもSour。口に入れた瞬間、何処か「覚えのある味」だと思いましたが思い出せませんでした。たぶんグレープフルーツなどの柑橘類だったような・・・

    

熟れ具合が分からないので店の人に「きょうでも食べられる」かと聞いたところ、やや大きめのものを選んでくれたので持て余しています。このトゲバンレイシ一つとマンゴー2つで計6,000リエル(1.5ドル)でした。食後のデザートには良いかも知れません。アボカドとマンゴーと一緒にミキサーに掛けてジュースにしたところ、味はイマイチでした。


マンゴーの収穫期、価格暴落

2014-04-23 11:25:10 | 農業・食品

ちょうど10年前の4月末、ベトナムで連休にラムドン省の田舎にバイクで出掛けたことがありました。カシューナッツや胡椒の実が農家の庭先や道路に干され、マンゴーの実がたわわに生っていたのを覚えています。これらの作物が実際に生っているところを見たのはその時が初めてでした。

日本でも郊外では秋になると民家の庭に柿が生っている風景を子供の頃に見た記憶があります。ちょうどベトナムやカンボジアでマンゴーが植えられているように。柿も品種によって実が熟す時期が異なり、秋から冬に掛けて数か月間食べることができました。庭の柿や静岡の田舎から送って来た柿、時には近所の他人の庭になっている柿を失敬して食べたりもしてましたが。それだけに未だに「柿を買って食べる」というのには何処か抵抗感が残ってしまいました。

たぶん、農村人口の多いベトナムやカンボジアでは庭のマンゴーを採って食べる人々の数は膨大なものかも知れません。商業用に栽培されるマンゴーは化学肥料や殺虫剤を使うため庭のマンゴーの方が安全、という認識も今は増えているようです。

サエンモノロムの町でもマンゴーの価格は比較的安く、日頃は「1キロ幾らですか」?と値段を聞くこともなく1・2個を野菜と一緒に買っています。たぶん多くはベトナム産のマンゴーではないかと思っています。隣の家のマンゴーもだいぶ大きくなって来たのでこれからはモンドルキリ産のマンゴーも並ぶようになるかも知れません。隣の家でも「有機栽培」ですが、どちらかというと単に手間や経費を掛けないというだけのことで、経済効果を考えて大規模に栽培しているわけではありません。

今年はベトナムの商業的に栽培されているマンゴー価格が暴落しているとの記事が増えています。中部カィンホア省では1kg8,000ドンから1万ドンだった出荷価格が、ここ半月で5,000ドン(26円)から6,000ドン(29円)に下落したとのこと。仲買人はこの価格でも運送費が高騰しているため赤字になるので買いたがらないのだとか。

日本では幾らぐらいでマンゴーを買えるのかと思って検索してみると、沖縄産や宮崎産のアップルマンゴーだと1kg1,000円で買えるものは見当たらず、安くても1,980円。一個660円もするマンゴーを日本人は食べているのでしょうか?

ベトナムやカンボジアで柿を買って食べたことが何度かありましたが、渋みの残るものが多くてとても「売り物」とは思えないものでした。干し柿以外には食べない方が無難かも。しかし、マンゴーは安くても美味しい。アボカドは1kg買ってサラダやジュースにしていますが、ジュースにすると糖分が少ないので味気なく、甘味を付けて飲み易くするために半分マンゴーを混ぜています。パンに挟んでフルーツサンドイッチにしても美味しいし、使い道には困りません。

メコンデルタのマンゴー価格は更に悲惨な状態で1kg3,000ドン(14.5円)とかつてない暴落だそうです。日本では高級品種の高いマンゴーが増え、ベトナムの安いマンゴーは益々安くなって買い手が付かない。このマンゴーを巡る矛盾した状況は何故なのでしょうか?


カシューナッツの殻むき

2014-02-25 22:13:55 | 農業・食品

道に落ちていたカシュナッツを3粒ほど拾って持ち帰り、炒って食べてみよう、と思っていました。確かベトナムに居る時に「買ったのより自分で炒ったカシューナッツの方が遥かに美味しい」と聞いたことがありました。その時は自分で炒るつもりもなく聞き流していたので、どうやって殻を剥くのか、あるいは皮を剥かずに炒ってしまうのかも分かりません。

カシューナッツの殻は燃やすと火力が強く、メコンデルタの工場のボイラーなどで籾殻などと一緒に燃料として使われているのを何度か目にしました。したがって殻のまま炒るのは危なそうなので殻を剥いてみるとにしました。

      

拾ったナッツはこの3つ。殻の色が青っぽいのが気になりました。出荷時に見たのは確かこげ茶色をしてたような記憶があります。2日ばかり天日干ししてから加工所へ持って行く、と10年ほど前に聞いたことがあるので一応、天日干しもしてみました。

娘が小学生の頃使った切出しナイフ―それ以来20年ほど引き出しに眠り続けていました―の刃をナッツの殻に差し込みました。さほど固くはないのですが、種を抑える左手を切りたくないので、思いっきりスパッとは力を入れられません。

    

切れ目から液が出て来たので乾燥が足らなかったのか?と一瞬思いましたが、水分というよりは油でした。上手く殻が剥けないので殻の外皮を削ってみました。この油分の多い「蜂の巣」状の内皮部分は厚いところで3㎜ほどあります。指はベタベタになりました。

    

ベトナムで10年前に撮った画像を改めて見ると、この手袋は油汚れ防止用であることに気付きました。

ベトナム・カシューナッツ協会によると昨年のカシューナッツ輸出は26万4千トン、16億6千万ドルで8年連続世界一位。このカシューナッツ殻オイルなどの副産物輸出を含めると20億ドルになる、とのことですからこのオイルも重要な輸出「資源」のようです。

輸出企業のサイトを見るとオイルの用途は多様で、船舶の防錆用塗料として使われたりもしているようです。何かでこの液に触ると漆と同様にかぶれると読んだ記憶もありますが、実際のところ昨日はかぶれの症状はありませんでした。数日前に重曹を素手で触って肌が荒れてしまったのですが、このオイルに触って却ってスベスベした感じです。真菌性の皮膚感染症にも効果があるとのことなので、水虫、インキンタムシになったら試してみようかと思います。


ブラジルの干ばつとベトナム製糖業

2014-02-21 23:08:20 | 農業・食品

昨日のブルームバーグ日本語版に「ブラジルの干ばつでコーヒー高騰-2日間上昇率、11年で最大」との記事があり、ブラジル東北部の干ばつを初めて知りました。前回ブルームバーグに載ったコーヒー価格の記事を読んだのは11月頃で、確かコーヒー価格が下落してポンド当たり100セントを割り込むか、という状況でコーヒー農家は大赤字というものでしたが、それから3ヶ月で今度は価格「高騰」の記事です。ニューヨーク市場では2月に入って140セント台に上昇した後、19,20の2日間で21%の高騰を見せて177.7セントとなり、きょうは160セント近くまで戻ったようです。

コーヒーのみならず砂糖や大豆価格もブラジルの干ばつの影響で上昇しつつあるとのことです。ブラジルの干ばつは1年以上にも及ぶものらしいのですが、大豆も砂糖も国際価格が上昇を始めたのは2月に入ってからです。砂糖の国際価格は2011年をピークに供給過剰によって下降し続け、ベトナムでは砂糖産業とサトウキビ農家の厳しい状況の記事が昨年は続いてました。

ベトナムの砂糖産業が厳しいのはタイの砂糖が密輸されるからでもありますが、たぶん国際価格が下落すると密輸が増える関係にあり、そもそもベトナムの製糖産業の原価率の高さが原因のようです。自営農が多いベトナムでは一戸当たりの作付け面積が小さく、農地の多いタイとは比較にならないようです。更にベトナムの砂糖国産化10年計画を始めたのは1995年頃で各省に一つというほどの製糖工場が乱立された経緯もあります。2015年からはアセアン域内からベトナムへの砂糖輸出関税はゼロとなる予定で厳しさは増します。実質的には密輸が合法化されるだけのことかも知れませんが。

カンボジアでゴムプランテーション投資を行っているベトナムのホアン・アイン・ザライ社はラタナキリ州で先住民との間で幾つもの係争事件を起こして「有名」ですが、ラオスでは砂糖生産も行い、ベトナムのビエンホア製糖社が精錬して中国へ再び輸出するとかでベトナム砂糖協会と対立していました。かつては中国からもベトナムに砂糖が密輸されてた時代もあったわけですが、農民から農地を奪い上げて工場建設を進める産業革命期の「農民追放」を思い出させる中国の現状はベトナム米の最大の輸出先ともなっています。

ベトナムのサトウキビ農家と製糖産業に明るい未来はあるのでしょうか?ブラジルのサトウキビ生産量を数値として見ると愕然とはしますが。しかもブラジルのサトウキビ生産の内製糖工場向けは45%程度で多くがエタノール生産のようです。そう言えばベトナムのビンフック省では伊藤忠だったかと合弁でバイオエタノール生産工場が建設されたもののエタノールの買い手が見つからず工場は閑散とした状況にある、との記事もありました。

今年になってベトナムの株価は回復を見せ、2月に入ってからは業績不振のラムソン製糖社(LSS)の株価すら上昇しています。これも砂糖価格の上昇を見込んでのことなのでしょうか?


鶏卵10個5,000リエル

2014-02-20 00:07:06 | 農業・食品

風は強いものの午前中は薄雲が広がり気温は低めでした。腐葉土作りの穴をもう一つ掘るのには都合の良い天気です。落葉を集めてネットを掛けておいたのですが、ネットでは発酵する様子もなく、折角米糠を買ったので土を少し掘り返してブルーシートを被せることにしました。アボカドの木の近くのため大きな枯葉が落ちています。しかし、落ち葉の数は今はそれほど多くはありません。

土を掘るとカブトムシに似た幼虫が必ず出て来ます。それと同時にきょうは蟻の幼虫がどっさり。これが全部成虫になるのかと思うと恐ろしく、暫く作業を中断して隣家の鶏が来るのを待ちました。

15分ほどすると雛を引き連れた雌鶏が来て足で柔らかい土を蹴散らし、雛たちが虫を突き始めました。ちゃんと蟻の幼虫を食べてくれたかどうかは分かりません。人が近づくとその場を離れてしまいます。隣の鶏たちには毎日の巡回コースがあるようで、穴を掘ったり枯葉を集めたりすると必ず蹴散らして行きます。

    

プノンペン周辺ではやや規模の大きな養鶏場も増えているようでしたが、この周辺では専ら農家の放し飼いが多いようです。隣の家には雌鶏が5・6羽いるみたいで、たぶん雄鶏は一羽を残して成長すると鶏肉として自家消費。

    

近くの藪で見た野鶏の雌。カンボジアで飼われている鶏の雌は色が濃い紫がかった黒っぽい色が多く、野鶏とは異なる種のようです。

サエンモノロムの市場ではどうも蠅のたかった肉を買う気になれず、それに冷蔵庫もないので鶏卵を買う機会が多くなってしまいます。何度かバラ買いをしたところ家に着くと1・2個は割れてしまうので、最近は10個入りパックを買うようになりました。5,000リエル(約120円)ですが日本の鶏卵と比べるとかなり小さめ。製造日も記載されているのでばら売りよりも安心かとも思えますが、よく見ると記載はベトナム語で「Son Lai Thieu 」とありました。Binh Duong省のLai Thieu。サイゴン川を挟んでホーチミン市12区と接している町。Go Vapに住んでいる頃、Binh Duongの工業団地に行く時に何度も通った町です。

プノンペンのスーパーではCPカンボジアの鶏卵も置いてありました。確かに、ここからプノンペンまで行くことを思えばベトナムのLai Thieuの方が遥かに近いわけです。そうとは分かっていても、毎日鶏の姿を見ながら暮らしているのにベトナム製の鶏卵を買うというのは何処か間違っているような気がします。