GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

Thary特別経済区

2012-01-18 21:32:53 | 工業団地
コンポンチャム州の7号線がベトナム国境に最も近付くのはメモット区で、最短の場所では1kmほどの距離しかありません。その付近でキャッサバを満載したトラックが次々に国境方向へ入るのが見えました。

入口には「Thary Kampng Cham SEZ」との表示があり、何のことなのか分からないので、トラックの後を付いて行ってみることにしました。左手に神戸物産カンボジアの看板があり、ちょっと驚きました。



しかし敷地の中に建物はなく、雑草に覆われた悲しい姿を晒しています。もう一つ塀で囲われた敷地があり、「Thary Import Export・・・Rubber・・」と看板に記されていましたが、こちらも中で生産活動が行われているような気配は感じられませんでしたが、実際のところは分かりません。

後で調べてみると「SEZ」は経済特別区の意味で、ベトナムでは工業団地と呼ばれている(正確に言えば日本人がそう訳して呼んでいる)もののようです。現在カンボジアには8つの州に22カ所のSEZがあるようです。シーハヌークビル州に7カ所、コーコン州に4カ所と多く、ベトナムに接するスワイリエン州にも5ヵ所となっています。

もっとも、コンポンチャム州にたった一つのこのSEZの現状を見た限りでは前途多難という感じです。



道路を進むと遮断機が見え、国境であることが分かりました。しかし、国境ゲートの表示らしきものはなく、税関らしき小屋にカメラを向けていると係官が近寄って来てカメラを取り上げられてしまいました。



人に知られては困るような余ほどのことをしているからかどうかは知りませんが、2日間分の画像をすべて消されてしまうのは困るので、まだこの国境地点では何も写してないことを画像を示して説明し、何とかカメラはそのまま返して貰えました。

表示がないのでカンボジア側は何という名の国境ゲートなのかは分かりませんが、ベトナム側は「Chang Riec」という名で、タイニン省に4つあるカンボジアとの「国家国境ゲート」(2国間国境ゲート)の一つです。タイニン省にはこの国家国境ゲートの他に更に小規模な省政府が管理する「cửa khẩu phụ 」というゲートが10カ所在るそうです。



この看板の「TAVAT Resort」というのはカジノのようなので、ここも国境ゲートのようです。



また、ベトナム国境沿いの農地開発も行われているようで、計画を示す看板がありました。ベトナム人を対象としたものなのでしょうか。計画の全体は1,000ヘクタールほどで、農地としてはかなり小さな区画に分割してありました。



プノンペンの縫製工場

2011-08-01 00:50:37 | 工業団地
プノンペンの工場で起こっていることを知っているのは日本のメディアよりも欧米のメディアの方が遙かに多いようです。ロイターの以下の記事は日本語版ロイターでは見つけられませんでした。

[Cambodia factory faintings put big brands under pressure]
PHNOM PENH, July 22 | Fri Jul 22, 2011 3:37am EDT

カンボジアの首都の縫製工場で一人また一人、Yan Chornaiの同僚たちはうだるような暑さの中の長時間労働と化学薬品の悪臭で工場の床に倒れる。

Hung Wah社で今週だけで約300名もの労働者に起きた突然の病気について原因はわかっていない。工場のオーナーは、Yan Chornaiと同じように病院で治療中の数十名の労働者について何も語らない。

「わたしの周りを見回したとき、皆誰もが倒れ崩れ、怖がって泣いていた」23才のYan Chornaiは、病院のベッドで点滴を受けながら言った。

Hung Wah (Cambodia) Garment Manufacturing Ltd.は西欧ブランド-H&M Hennes & Mauritz AB (HMb.ST)等の衣服を生産しているが、この問題は孤立した事件ではなく、「汗まみれの工場」は、アジアの最貧国に重要な収入をもたらすための経済成長の傾向の一つとも言うべきものである。

また、プノンペンにある別の縫製工場、King Fashion Garmentでも先月初めの2日間に300名ほどの労働者がいまだ原因のわからない病気に倒れている。

幾つかのビックブランドはNGOが1000人以上の縫製労働者-貧しい農村出身の数十万人の彼らは長時間労働で食べるために給料をやりくりしている-が倒れていると指摘している問題について調査に着手している。

カンボジアに縫製工場を持つヨーロッパの企業には、Marks and Spencer Group Plc , Tesco Plc , Next Plc and Inditex , そして世界最大の衣服小売業社のZaraがある。

スウェーデンのファッション・ブランドH&Mは、Hung Wah工場で今週何が起こったのかについて国家機関、労働者、工場の独立調査機関と相談している、と述べている。

「私たちのサプライヤーの労働者の健康と安全はH&Mにとって優先順位の高い問題です。したがって私たちは情報を受け取ると直ちに調査を開始しました」と会社はロイターにEメールで語った。

今年の「卒倒」の増大は、昨年28%の成長を遂げ30万人の労働者によって30億ドルを生み出した産業にとって最新の阻害要因となっており、主に中国と台湾の企業である。

縫製業はカンボジアにとって農業と観光業に次ぐ第3番目に位置する産業であり、労働条件と賃金を巡るストライキと抵抗に悩まされて来ており、多くが女性労働者であるが銃と電気スタン警棒で武装した警察機動隊との間での衝突を繰り返している。

昨年9月には95の工場の21万人以上の労働者が、賃金問題でストライキを行った。それは同じように中国の抗議行動-他のアジアの低賃金生産拠点でも賃上げをすべきかどうかを提起した-に続くものだった。

現在のカンボジア縫製業の賃金は月額約65ドルであり、従業員の不満は食品とガソリンの国内価格の上昇に直面して不十分な金額である。多くは、低い安全基準と化学物質に晒され、喚起の悪い過密な環境の中で疲れ果てるまでへの高い曝露と過密、換気の悪い工場の中で過度の残業を行っている。



Pumaの靴を生産する工場での相次ぐ病気に関するロイターによる4月のレポートは、ドイツのスポーツブランドがワシントンのFair Labor Associationによる独自の調査を行ように促した。

それは、2日間に起きた104名の「卒倒」が長時間にわたる化学物質と換気不良、疲労へによって引き起こされたということに「強い可能性」があると結論づけた。

月曜日のレポートのリリースを受けてPumaは素早く行動し、 Huey Cheun工場で働く3,400名の従業員に対して週60時間、1日2時間の残業の労働時間制限プランを作成した。

また、化学物質の取扱と貯蔵についての健康と安全教育、医療関係者の現場への常駐を約束した。

自由労働組合のChea Mony委員長は、政府関係者が工場の状況を適切に監視することに失敗し、労働者の権利と汚職を無視して来たことに責任があった、と言う。

「これらの労働環境を受け入れることはできない。私たちはすべての工場の状況について本当に懸念している」

「これらの問題はすべて汚職に関連している。関係者はこれらを許容することによって恩恵を受けたに違いない。これは組合にとって懸念であり、労働者に有害なことだ」

http://www.reuters.com/article/2011/07/22/cambodia-garments-idUSL3E7HL10J20110722

ワニの涙

2011-05-14 06:18:40 | 工業団地
ワニの剥製を貰いました。DT君の奥さんの実家でワニの養殖をしているそうです。彼も多少出資して何匹か子ワニを買ったとか聞きいたことがありました。ホーチミン市ではトゥドゥックやメコンデルタのロンスェンでもワニの養殖を見たことがあります。彼の出資したワニ養殖は中国への輸出用だとか。

メコンデルタが虎とワニの住む土地であったのはそう古い時代でもなく、ベトナム戦争中にワニに喰われて死んだという話は何度か聞いたことがあります。M・デュラスの「太平洋の防波堤」の時代には黒豹も生息していたようですし。森が田んぼに替わってしまった今日のメコンデルタでは、洪水で逃げ出した養殖ワニが野生化している程度のようです。

それでも日本人と比べればワニが身近な存在であることには違いありません。



1月に工場で2度目の職場放棄騒ぎが起きた後の面談で女子労働者の中には涙を浮かべて謝罪し、職場復帰を希望する人も居ました。「俺は女性の涙は絶対信用しない、何度も騙された。日本でもベトナムでも」と言ってはみたもののやはり動揺しました。DT君は「ワニの涙かも知れませんしねー」と相槌を打ったものの同じように動揺していることは確かです。解雇はしないが辞めて貰う―これ以外に方針はなく、その場で涙を流されてしまっては例え嘘泣きと疑ってはみても言葉が続きませんでした。

70年代の半ば頃、住んでいた川口のアパートの近くで住民運動があり、それの運動を組織していた医者の大行さんが何の時だったか、「ワニの涙って言葉を知ってるか」と言ったことを思い出しました。たまたま「ワニ」とあだ名の付いた金物屋のオッサンが居たからのことですが。

ワニは捕獲した動物を咬むときに涙腺が刺激され涙を流すそうです。その涙を見て人間があれこれ想像を巡らし解釈するため「ワニの涙」にはそれぞれの地域によって意味は異なるようです。

結局のところワニの涙と疑いつつも涙を流した女性二名は工場に残ることになりました。結果的にはそれを決めた二名の男性が工場を去ることとなったわけで、このワニの剥製には未熟者の男性の悲哀が込められているのかも。


隣の工場

2011-02-26 20:17:50 | 工業団地
お隣の工場のサポタージュは続き、とうとう丸一週間が経ちました。
朝、7時過ぎからバイクが集まり初め、7時半の就業開始時間になるとかなりのバイクの数になります。

工場の門には会社の通告が張られています。賃上げの要求には応じられません。2月24日から操業をするので工場に入って仕事をしてください。仕事をしない場合は労働法85条1項に則り解雇します。というような文面でした。

サイトからベトナム労働法をダウンロードして読んでみると、免職にできるのはただ次の場合に限られる、として以下のように述べられています。

a) 窃盗、贈収賄、秘密漏洩によって企業に重大な損害を与えた場合
b) 規律違反によって配置転換させたれた労働者が再び罪を犯した場合
c) 労働者が月に7日間または年20日間正当な理由なく自らの意思で職場を放棄した場合

この3点のみです。そして雇用者は解雇の後には省の労働機関に通知しなければならない、とされてます。

この規定を厳密に適用すると休日を挟んで来週月曜日が7日目となるわけですからとうとう最終局面を迎えることになります。
この台湾資本のHOA SEN社は縫製工場だけあって2000名を超える労働者が働いているようです。7日間も操業を止めるとなると諸々さぞかし後始末が大変だろうとも思うわけですが、しかし新たにまた数千名を雇用して操業を再開するのも並大抵のことではありません。

見るところサポタージュに参加しないでいる労働者数は1割にも満たないようです。たぶんこの工業団地のどの工場も今までは労働者の要求を受け入れ、賃上げをすることによってこのような事態を収拾して来たのではないでしょうか。

会社側は、工業団地内の他の工場よりも賃金が高いと言われてるだけに、もうこれ以上は上げられないとのことなのかも知れません。

参加した労働者達ももまさか会社がこのような対応をするとは思っていなかったか、後先考えずに参加したかのどちらかではないかと思います。地縁血縁の強い地域だけに不本意ながらもサポタージュに参加した労働者も少なくないようです。日本と同じように皆と一緒でないと虐められるのだとか。

今週は月曜日が停電で休みでしたが、来週の計画停電は行われないことになりました。したがって明日の日曜日は休日。そういう連絡は早くして欲しいものですが、金曜日に訊ねて初めて知らされました。停電の時のみ通知があり、停電がない場合は通知がないのだとか。

Tay Ninh省の工業団地

2010-09-26 16:05:53 | 工業団地
K君から電話を貰い「タイニンの工業団地もめでたく第Ⅲ地区から第Ⅱ地区へ昇格だよ」とのこと。彼の工場があるビンユンの工業団地は現行の第Ⅱ区からハノイやホーチミン市と同じ第Ⅰ区に昇格の予定だそうです。

この第Ⅰ区から第Ⅳ区までの区分は最低賃金制の規定に適用されるもので、毎年1月1日に改定され、この間のインフレ率の上昇分が調整される性格なわけですが、該当地区の区分が変更されると特に上昇率が大きくなってしまいます。もっとも、彼の工場では労働者の雇用確保のためにそれなりの賃金を支払わざるを得ない状況のため最低賃金規定の改定が影響することはないようですが。

ベトナム・シンガポール工業団地やミーフック工業団地を擁するビンユン省の工業団地面積は約8千ヘクタール。タイニン省で稼動してる工業団地はリンチュンⅢとチャンバン工業団地のみで計4百ヘクタールほど。タイニン省の工業出荷額の1/3がこの2つの工業団地の生産によって占められているそうです。

ビンユン省とて、農機クボタやキリン・エースコックの工場があるミーフックⅢ工業団地も道路がやたら滅多ら広いだけで空き地にすべての工場が建ち終わるまでは後20年は掛かるのではないかと思えるような風景です。タイニン省では今年から仏資本のブルボン・アンホア工業団地(約千ヘクタール)の造成が始まりましたが、これらの工業団地に日系企業が誘致されるならば、さぞかし日本の産業空洞化というのは進展することになるのでしょう。

ビンユン省の工業団地はゴム林を切り倒して造成されたとのことですが、先日タイニン省のもう一つの新しく造成が開始されたPHƯỚC ĐÔNG - BỜI LỜI工業団地を見に行くと、周辺はいまだ広大な砂糖黍畑に覆われていました。

写真はチャンバン工業団地内の工場に張られた募集広告、縫製工7百名募集、平均給与240万ドン~300万ドン/月とこの地域の広告ではかなり高額ですが、それでも今のレートでは1万5千円に満たない金額、女工哀史の世界です。





初任給90万ドン

2008-05-29 01:32:26 | 工業団地
ティェンザン省にできた二つ目の工業団地、Tan huong 工業団地に立ち寄って来ました。予め地図で位置を確認することもなく、新しい工業団地だからミトー工業団地よりも遠い所だろうと漠然と思っていたわけですが、これが大間違い。ロンアン省を過ぎたと気付かぬ内に工業団地の入り口に着いてしまいました。

メコンデルタ13省・直轄市と区分される中でもロンアン省は地質学的にはメコン河水系によるものではないため異なるのだ、などと何かの本で読んだ記憶もありますが、ホーチミン市から近い距離にあるためか、このTan Huong工業団地の風景も何処となくメコンデルタの他の工業団地とは異なるような印象でした。

建物が完成し操業しているのは、日系の飼料製造工場とベトナム資本の縫製工場の2社のみで、建設中の建物は中国資本のかなり規模の大きな飼料工場。後は今だ広大なる空き地。

数年後にはこの風景も一変してしまうのでしょうけど、こういう広々とした空間に立つのは気分が良いもので、雨上がりの夕暮れに歩いて工業団地の端まで歩くことにしました。

縫製工場に貼られた工員募集の紙には、初任給(最初の2ヶ月間)最低90万ドン(5600円)でしかも経験者と書かれてました。幾ら何でもこの物価高の折にそれはないだろう、と思うわけですが、既に3日前からトレーニングが始まっているようでした。その上、募集横断幕には「未経験者訓練生、昼食支給、手当て月10万ドン」だそうです。

一人でとぼとぼ歩いていると工業団地内の草を食んでいた牛が恨めしそうな目をして道を開けてくれました。多勢に無勢、一頭の大きさからして小牛すらこちらは体力負けだというのに。それを見ていた牛飼いのオッサンに「車はどうしたんだよ」?と冷やかされました。

迎えの車を待たずに門まで歩くのに何の苦もなかったわけですが、通り掛かりのバイクの青年に声を掛けられ、せっかくなので乗せてもらうことに。日ごろは他人に親切にされるということも滅多にないためか、清々しい気分でした。

サデック工業団地

2008-04-25 04:12:53 | 工業団地
雨期入り前の暑い日が続きます。メコン河に沿って位置するビンロンやロンスエンの街の夕暮れも、すっかり暮れてしまえば蒸し暑さに包まれてしまいます。今週もまたメコンデルタの幾つかの工業団地を訪れました。

メコンデルタの工業団地は、ホーチミン市に隣接したロンアン省を除けば各省にそれぞれ3つほどでしかありません。どれもここ三年ほどの間に造られたもので、操業中の工場も少なくはありませんが、多くは造成途中の工業団地です。

メコンデルタでの水産養殖の拡大とWTOへの加盟がこれを促進しているのではないかと思います。メコン河に沿って造られた工業団地には「水産飼料」「家畜飼料」の社名が多く、また水路に沿った国道の脇では稚魚養殖の池が多く見られます。

サデック工業団地もその一つで、穀物メジャーのカーギル(CARGILL)社の看板がありました。ベトナム人の発音では「カーギュウ」と聞こえます。カーギュウと聞いているときは余り気にも留めませんでしたが、実際に建設予想図の入った看板を目にすると「世界の食料を支配するカーギルだぜ、遺伝子組み換えの穀物をばら撒いてる」との思いが湧いて来て、どうにも複雑な心境です。

国道沿いには「革命戦争慰霊碑」も目立ちます。来週は33回目のサイゴン解放記念日の4月30日を迎えます。何のために犠牲になったのか。などと考えることも必要なのかも知れません。慰霊碑を建てることが残された人間の義務ではなく、何のための戦争であったのかを捉え返して現在と未来の指針を導くのでなければ意味がないように思えました。

昨日は、二年振りでロンスエンの街に泊まりました。夕食の後、車の後輪がパンク。自動車のパンクは20数年振りの経験です。運転手がスペアタイヤを外すのに手間取っていました。ロンスエン・ホテルも新装され、この街も来る度に発展し小奇麗になっています。しかし、気のせいか、それに反比例するかのようにこの地方都市での人との触れ合いが疎遠になって行くようにも感じてしまいした。




メコンデルタの輸出産業

2008-04-13 17:14:08 | 工業団地
ベンチェ省は面積2315平方km人口130万人。沖縄と同じくらいだと思います。埼玉県に住んでいたせいで、100万そこそこの人口を少ないと感じてしまいますが、鳥取や島根に比べればそうとも言えず、全国64の省・直轄市というのもそれなりの合理性があるのかも知れないと思うようになりました。

隣接するティエンザン省やビンロン省の省都と比べるとベンチェの省都TX.Bến Treは商業の発展が感じられず貧弱です。国道60号線が整備され、省の行政機関の庁舎街だけは他の地方同様に威厳を誇るかのようですが、周りの農村風景、人々の生活からは遊離した如何にも行政主導の街作りと言った感じでガッカリさせられます。

ベンチェと言えば、椰子の実。フェリー近くの土産物店にはココナツ・キャンディーやココナツ・煎餅が並んでいます。ココナツは飲料としてココナツ・ジュースがサイゴンのスーパーでも7000ドンほどて売られていますが、多くは胚乳のココナツ・ミルクが油脂として加工食品、化粧品等の原料となるようです。実の外側を包む繊維質部分はココナツ・ファイバーとしてカーペットや自動車シートの内材にも使われ、また殻の固い部分はココナッツ活性炭としてそれぞれ輸出されます。

ベンチェ省の耕作面積中4万へクタールがこのココナツ栽培で、水産養殖も4万ヘクタール。各種果樹は4万ヘクタール弱だそうです。その他、米作、砂糖黍、野菜類ということになるようです。もう少し正確な数値を調べようと省統計局に立ち寄るつもりでしたが、計画投資局で長らく待たされてる間にすっかり忘れてしまいました。

たぶん、米や果実の作付け面積は年々減少し、輸出用の作物が増えているのだろうと思います。輸出の伸び率から見れば水産養殖が顕著のようです。海に面してもいるため貝や海老の養殖も盛んで、同時に魚養殖用の立地にも恵まれています。

資本金50億円のベンチェ水産株式会社の昨年度利益は2.5億円。メコンデルタ各水産会社の投資計画を見る限り養殖面積は急増中です。養殖が増えると同時に必要とされるのが飼料で、おそらく養殖出荷額の70%ほどが飼料代ではないでしょうか。

そんなわけでメコンデルタの国道1号線には飼料会社の広告看板が目立ちます。ベンチェ工業団地への最大投資も鶏肉加工輸出で名を馳せるタイのCPグループによるもので、12.4haの用地に4500万ドルを投資し飼料工場を設立する予定です。

画像は、立ち寄ったカントーの飼料工場。一日50万トンの生産能力でCPグループの工場の20分の1以下です。メコン河から養殖飼料の原料となるキャッサバを荷揚げしていました。

VN-Index急伸

2007-09-30 20:23:40 | 工業団地
昨夜も散々降った雨が、きょうも昼からダラダラと降り続いています。気温も28度を下回り扇風機も必要ありません。久しぶりに掃除をしてついでに扇風機の羽を取り外して洗いました。ウンザリするほどの埃がこびり付いてます。雨期ですらこれですから堪りません。鼻毛が伸びるのも当然。

このところベトナムの株価も伸びています。証券口座の開設手続きを申し込んだのが8月初旬。「外国人の場合、他社は一ヶ月以上掛かりますがウチは3週間で完了します」との説明を信じたわけではありませんが、手続き終了の連絡が来たのは1ヶ月以上過ぎてからのことでした。ウチは40名を超える分析スタッフが研究してますから大丈夫ですよ。絶対儲かる株を特別に秘密で教えてあげます。担当者は、この業界の胡散臭さと熱帯的楽天性を差し引いてもまだお釣の来るタイプ。日本語対応なのですが、意思疎通は簡単ではありません。意味不明な言葉が多いので、言葉を変えて聞き返すと、彼には僕の日本語が意味不明。彼に分り易い日本語表現が分りません。

郊外の工業団地で税関の手続きをしてる最中に電話があり、証券会社の女の子が誤発注してしまったので200株買って欲しいとのこと。何でそんなことを頼まれるのかとても不思議ですが、相手は頼んでいるという様子でもなく、「絶対お買い得の銘柄ですから」と儲け話として振って来ました。だったら前もって何で言わなかったの?訊き返すのも時間の無駄。口座に残高ないから無理と答えると、大丈夫です、確認しましたとの返事。そんなわけないけども・・・と思っていると「私が現金で払いますから」と意味不明の言葉が続きます。わけが分らないので翌日証券会社まで行くことにしました。

窓口でDさん居ますか?と訊くと、あっ○○さんですね、知ってますよ。昨日ITA買った人ですよねー。「じゃ君が100株の注文受けて300株買い注文出した人」?とは訊く気にもなれませんでした。無いはずの口座残高は前回出したBHS株の買い注文が成立してなかったためでした。しかも200株の話がステートメントを見ると300株になってます。何で300株になっているのかの説明もなく、上機嫌のDさんは、「いやー良い株を買い増したねー。感謝してくださいね。年末には絶対ダブルです。倍になってますよ。そしたら私に何割か払ってくださいね。エーと・・・」

週末のベトナム株はほぼ全面高。HCM証券市場への上場企業は110社を超え、ハノイ市場も80社を超える上場ラッシュです。値上がりを予想してたSTBとBBCは既に高くなり過ぎて買えません。訳もわからずに買わされたITAはThủ Đức区の方ににある工業団地の開発会社だとか。調べてみたら場所はまったく別方向。水産会社だと教えられた会社も不動産会社だったし、まったく頼りになることこの上ありません。やはりと言うべきでしょうか、ITA株は他の株が値上がりする中、翌日しっかり値を下げていました。

ミーフック工業団地

2006-09-15 02:47:02 | 工業団地
バイクを飛ばしてビンユン省へ工業団地見学に行って来ました。ここゴーバップからだと30分ほどで国道13号線、VSIPの近くに出ることができます。片側3車線の広い道路です。広さの割には自動車の交通量がまだ少ないので、国道1号線をビエンホアに向かうより快適です。ヘルメット着用の取り締まりもないのか、ノンヘルのバイクも少なくありません。2頭立ての牛車が道路を横断しました。滅多に見ない巨大な牛です。中部や南部で見る牛はハノイの牛より小さいのですが、この牛はハノイの牛よりも遥かに大きいものでした。

国道を10km近く北上するとビンユン省の省都トゥヨーモットです。他の省都の殆どがそうであるように省都と呼ぶには違和感が残ります。省庁所在地というのが正しいのかも知れません。ここから更に10kmほど北上した所にミーフック工業団地があります。総面積377ヘクタール。3期分までの合計は1740ヘクタール。3交代8000人規模の工場が100個建つとすると80万人の労働者が働くことになる規模です。2010年までのビンユン省の工業団地計画は全体で1万3千ヘクタール。労働集約型の工場ばかりだとするととてつもない人口になってしまいます。工業団地というよりは工業都市の誕生で、実際ここには新たな生活関連施設が誘致されているようでした。テニスコートにサッカー場、野外コンサートホールやスパーマッケト。外国人用のアパート、高級分譲住宅等々。

実際足を運んでその場に立つと、時代の流れとはこういうものなのか、と思ってしまいました。この新しい都市は一体どのような文化を作り出すのでしょうか。日比谷野音を小さくしたようなこのコンサートホールでは何が上演されるのでしょうか。西側にはサイゴン川が流れ、ゴム林が広がっています。ここに住んで夕日を眺めるのも悪くないな、と思いました。

きのう訪れたホーチミン市内の工場で、玄関に入ると事務員の女の子が迎えに出てきてくれました。顔を見てお互いに驚き。5年前に日本レストランで一緒に働いてた女の子でした。明るく、まじめで、しっかりしていて可愛いく、日本語も上手なので「息子の嫁に」したいと思ってしまうタイプです。久々のその再会で気分が良かったのか、家に帰って来る時にバイクに乗ってるところを近所のカフェの子に見られ、嬉しそうに手を振られたので、冷蔵庫に残っていた最後のポーッキーをプレゼントしてしまいました。4人いるところに1箱、一人だけに渡したわけですから、今朝コーヒーを飲みに行くと他の子から執拗な抗議。「私のほうが可愛いのに、何で私にはくれないの」という感じで、正にその通りです。返答に困り、T君に「この娘と結婚しちゃえば・・・」と言ったところ、T君は「しっかりしていそうだから分かっちゃうよ。ダメだよ」とのこと。カフェに連れて行くのも逆効果のようです。先ずはT君にギターを持たせ、工業団地のステージに上がらせるように仕向けるべきなのかも知れません。