GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

旧正月のマンゴー

2014-01-31 21:21:02 | 農業・食品

きょうは旧暦の元旦。プノンペンで大学生活を送る食堂の娘が帰省していて店で働いていました。市場近くの店も何軒かは店を閉じていて、ここでもプノンペンと同じく中国人やベトナム人の商店主が少なくないようです。朝はベトナムからの電話で起こされるし、そんな訳で多少は旧正月気分になりました。ベトナムのMobifoneは気が付くとカンボジアのBeelineKHによってローミングされるようになり、カンボジアとベトナムの携帯2台持ちの生活を送ってます。

隣の家にはマンゴーの木が何本かあり、まだ殆ど実は生っていませんでしたが、一本の木には数個の小さな実が見えました。まだアボカドの実と変わらぬ大きさで、良く見ると昨日隣の仔犬が咥えてたのがマンゴーの実だったと分かりました。

    

隣の仔犬は最近頻繁に遊びに来るようになり、また他の2匹の姿が見えないので聞いてみると、2匹は寒さで死んでしまったとのこと。いたずら盛りの年頃なのか、鶏を追いかけたり、猫に吠えかかったりしています。昨日は落ち葉をかき集めて腐葉土を作ろうと掛けたネットを掘り返して引っ張っているので威嚇したところ、置いてあった軍手を咥えて走って逃げていきました。

    

仔犬が一日に何度も来るようになったので猫が来る回数は減りました。それでも一日に一度は顔を見せます。フライドチキンは臭わないように容器に入れて持ち帰り、食べた後で骨だけ外に置くようにしたところ、猫は直ぐ食べに来てその後で家に入って足元に頭を擦り付け媚びを売ってから帰って行きます。

    

風が強いため折角の落ち葉も吹き飛ばされてしまうので掻き集めて腐葉土作りをはじめました。草を刈るのも面倒なので鍬で根から掘り起こしていますが、地中からカブトムシの幼虫らしきものが出てきます。幼虫はまた埋め戻すのですが、掘り返した後では必ず隣の鶏が遣って来て折角埋めた幼虫もどうやら鶏に食べられている様子でした。

    

旧正月気分になれたお蔭で掃除をしようという気にもなり一週間振りにモップ掛け。その前に箒で床を掃くと思いの外土埃は少なく、靴の底に付いた枯草などが多いようでした。

    

3部屋でこの程度のゴミなので土足で家に入らなければゴミの多さもベトナムやプノンペン生活と大して違わないものかも。早速サンダルを一足買って室内履きにしました。壁を障子紙で目張りした効果はあるようです。


一月のアボカド観察

2014-01-30 23:24:45 | 農業・食品

アボカドの花が咲き始めたのが11月下旬でした。12月下旬になると実が生り始めました。1月下旬の今は実の数が増えて花の数は少なくなりました。実の成長は大きなもので長さ3㎝ほどになりました。

前庭と裏のゴミ溜めの木では開花パターンが異なる別の種なのですが、開花時期や実の生リ始めた時期はほぼ同時でした。裏庭にあるもう一本は一か月ほど遅咲きで12月下旬に開花が始まったものの今だに蕾が多く、実を目視できたのは一つだけです。

以上のことから推測できるのは一本の木の開花期間が2か月以上あり、実の生り始めから終わりまでも2・3か月あるのではないか、ということです。そして遅咲きの木が一か月ずれるとして約4か月ほど庭のアボカドを食べることが出来そう。

モンドルキ州と国境を接するベトナム側はダクノン省で、やはりアボカド栽培が行われています。ダクノン省の収穫時期が5月から8月となっているので、たぶん同じような期間ではないかと思います。因みに南北に長いベトナムではアボカドの収穫前線も北上するようで、ドンナイ省4月―6月、ラムドン省6月―9月、ダクラック省5月―8月、クアンチ省8月―10月、フートー省9月―10月と言われています。

    

ダクラック省では一本の木からの収穫は平均70㎏から100㎏だそうです。今の時期の生り具合を見た限りでは庭の木もその近くまで収穫できるかも・・・と思える状況です。出荷価格が0.5ドル/kgとして一本の木で50ドル。10本で500ドルになる計算です。ヘクタール当たりは185本が限度のようですから、1へクタール植えたとして9,250ドルの収入になるわけですから計算上は悪くない数字です。一人当たりGDPが1,000ドルを切るこの国では。


マンゴーの葉を食む牛

2014-01-29 22:02:42 | 生活

電気を引いてからは次第に夜更かしするようになってしまい、これは拙いと思い立って昨夜は早めに寝ました。お蔭で今朝はまだ暗いうちに目覚め空が明るくなりだしたのは5時半。室内の気温は17度でしたが、それ以降8時頃まで下がり続けていました。それでも明くなると暖かくなったような気になり、近所を散歩してみることにしました。

家が増えつつあるとは言え林や畑の多い丘陵地のため、今になっても地形や道がよく分かりません。まだ歩いたことのない道に折れたところ、隣家の畑に出てしまいました。隣のご主人は相変わらずのTシャツ・短パンに素足でビーチサンダル姿で畑に立っていました。青年3人が畑の小ネギを間引いてました。

     

前回この畑に来たのは1か月以上前になります。その時に見た小ネギは1kg10,000リエルで出荷されたようです。畑の傍に植えられた果樹の葉にはわが家の庭にある果樹のように土埃を被っていることはありませんでした。

    

水牛の散歩に遭遇。大きな糞をアスファルトの道に落としながら悠然と歩いてました。「蒼穹の昴」に出てくる糞拾いを思い出し、これを拾って果樹の肥料にしようか、とも一瞬思いましたが糞入れの籠がありません。

クラクションを何度も鳴らして水牛を道路脇に追いやった乗用車が慎重に水牛の糞を跨いで走り去りました。「KTV」と書かれた看板がこの辺でも少なくありません。カラオケ店のことなのですが、朝から大音量で音楽を流しています。JICAの援助で電気が引かれなければこの騒音も聞かなくて済んだし、仏教寺院やイスラム・モスクのスピーカーから流れるお経の如き騒音とも無縁だった筈、と思ってしまいました。

   

道端にはジャックフルーツの木が目立ちましたが、一軒の家の庭にはカシューの木がありました。バイクで毎日通っている道なのに今日まで気づきませんでした。標高の低いスヌウルのカシューと違って、ここではまだ一つの実も生っていません。

   

「カンボジア先住民製品の店」との看板がある家の庭に大きな牛が繋がれてました。何度か中に入って見ましたが何も製品は置かれていませんでした。この大きな牛は南部で見る品種です。先住民が飼っている牛とは異なるのですが・・・。木の葉を食んでいました。たぶんマンゴーの葉ではないかと思いましたが、まだ見分けられる果樹は少ないのであてにはなりません。


きょうも停電

2014-01-28 21:08:15 | 生活

「留守にする時は井戸のポンプを家の中に仕舞わないと盗まれる」との大家さんの忠告を無視して2週間ちょっと家を空けましたがポンプは無事でした。しかし先週の日曜日、ポンプを回して井戸水を汲み上げていると途中でストップ。センサーが付いていて自動で止まる、などという代物ではないのでトラブル発生です。井戸を除くとポンプが水面上に見えました。乾期で暫く雨が降らないため水位が下がったようです。ロープを伸ばしてポンプを水の中に下ろし、再び電源を入れても何故か汲み上げません。

早々と中国製ノーブランドのポンプが故障したのかと思いポンプを井戸から引き揚げました。こらが結構面倒な作業です。ポンプを吊るしているロープと同時に電気コ―ドとホースを一緒に引き上げねばならずホースがよじれると水が汲み上がりません。井戸からポンプを出して電源を入れてみました。しかしモーターは回らず仕舞い。家の中に戻り、ブレーカーを見るとパイロットランプが消えていました。ポンプを引き上げている途中で停電になったようです。

その後も夕方の入浴時に停電があり、今週日曜日の昼間も停電。そして今日は入浴後に再び停電です。一度、入浴時に頭を洗ってる最中に停電した時は焦りました。バケツ2つとタライ1つを用意しそれぞれに熱めのお湯と水を入れておいてお湯の温度を水を入れて調整しつつ使うわけですが、何処にバケツがあるのかもわからず寒さに震えました。隣の家では日が落ちる前に水浴びしているようです。明るいうちならば気温も高いので寒くなさそうとはわかっているものの夕食後に入浴するという習慣から抜けきれません。

と、書いてる間に電気が復旧しました。モンドルキ州サエンモノロム市の電力はJICAの無償援助によって2008年から初めて24時間の電力供給が可能となったそうで、その辺の事情は日本語で読むことができました。電力供給のお蔭で観光も増え、また国内からの移住者も増えたのだとか。2012年の1月からはベトナムからの電力供給が開始され、電力公社の人から聞いた話ではベトナムからの供給が電力需要の7割を占めているとのことなのでここ1年余りの間に随分と使用量が増えたようです。

25日に請求書が届き納付期限は2月3日まで。土日を除くと6日間しかありません。2011年段階で1,795世帯中電力契約は1,444世帯だそうです。口座振替での納付ができないため、少なくても1日平均240人、1時間30人が料金納付に訪れる筈なのですが・・・。

今回の電力使用量は6kWh、料金は7,800リエル(約200円)でした。この月は半分以下しかここに居なかったせいもありますが、それにしても何かの間違いではないかと思える少なさ。冷蔵庫と洗濯機がないお蔭でしょうか?或は頻発する停電のためなのでしょうか?


今日は暖か

2014-01-27 23:58:14 | 

今週金曜日は旧正月元旦。ベトナムでは今日が仕事納めの事業所が多いようです。ベトナムに居る時は旧正月休みに日本に帰ることが多く、そうすると日本の正月もベトナムの旧正月も知らずに一年を過ごすことになり、何処となく1年の区切りが曖昧でズルズルと年を重ねて来たような気がしないでもありません。

モンドルキリに戻って家の掃除や片付けを続けていますが、未だに終わりません。きょうも板壁の隙間を障子紙を短冊状に切って目張り作業を続けました。土埃を防げば掃除や洗濯の手間も減るだろうとの思いがその動機ではありますが、糊で障子紙を張るとなると壁や桟に溜った土埃を拭かねばならず大仕事になってしまいました。大掃除でもこんな酷い埃や蜘蛛の巣と格闘するのは初めてです。初めてハノイで旧正月を迎えた時、もう15・6年前になりますが、「もうテトが来てしまう、大掃除も終わってないのに」と慌てているかのようなハノイの人の声を聞いたことを懐かしく思い出しました。文化としての正月がとても濃いものだったようです。

先週は日本から持って来た防寒ズボンをはいたりフリースを着たままでないと眠れないような寒さの日がありました。しかし戻って来てからは風が止む日も多く、きょうは朝から暖かで半そでTシャツでバイクに乗る気温でした。昼過ぎに久しぶりに鋤を握り乾いて固くなった土を掘り起こすと喉が渇き、冷たい飲み物を買いに行くことに。落ち葉で堆肥を作るつもりでしたが手に血豆が出来て挫折。草刈もエンジン付きの草刈機を買いたいなどと思い始めています。

隣の青年がきょうはターメリックを採りに来ました。ターメリックとは知らずバサバサ切ってしまったのですが、根が繋がっていたので問題ないようでした。

    

10年ほど前の5月にベトナムで見てターメリックだと教えられた画像を探してみました。

    

葉の形状がだいぶ異なるように見えます。違う種なのか、或は成長の違いなのかは4・5月頃ないなれば分かるかも知れません。此処と同じようなベトナムの高原地帯でしたが、当時使ってたデジカメにはGPS機能がなかったので残念ながらもう一度その場へ行くことが出来ません。

    


ジャックフルーツ・ジュース

2014-01-25 17:04:37 | 農業・食品

先日、ベトナムでアボカドを1kg3万ドンで買ってしまい、2日ほどは夕食時に食べました。小さい実が7つあり、一週間毎日食べるのも飽きるのでジュースにしようと一昨日、ミキサーを探しに行きました。何時も買い物をする金物や建材を売る店の奥の棚に何種類かのミキサーが置いてあり、マレーシア・パナソニック製が38ドルとのこと。何とコーヒー豆も挽けるようになっています。12月にプノンペンで買った20ドルのコーヒーミルが無駄になることに。持ち合わせがなかったので購入は昨日。

ジュースにするのに問題なのが牛乳。プノンペンと違ってタイから輸入される普通の牛乳はここでは売ってません。あるのはVINAMILKの砂糖入り粉末還元乳で110ccパック。仕方なく48個入りのカートンを買ってしまいました。コンデンスミルクにした方が良かったみたいです。ちょっとばかり学校給食の脱脂粉乳を思い出す味がしました。

きょうもお隣さんからジャックフルーツを貰い、前回より大きかったので1/4ほどを自分用に残して大家さんの家に持って行きました。4歳になる末の子が母親から奪い取り、嬉しそうに抱えていました。きょう25日は電気料金の請求書が届く日なので大家さんの家に届いてないかと思って立ち寄ったわけですが、貰い物をしたら手ぶらでは帰さない、という信条なのか店で売るために作っていた芋の煮つけをくれました。

    

そう言えば子供の頃、まだ祖父が生きている時は小さな畑を作っていて初物が獲れると祖母が「隣の鈴木さんに持って行って頂戴」などと言われ、野菜の入った籠を渡されました。鈴木さんのオジさんは年配なのに赤いセーターでも着ているようなお洒落な感じの人で当時の近所の大人の中では目立って印象に残っています。自分より4学年ほど年上の女の子が居て、美人で上品で何とも近寄りがたい存在でした。鈴木さんのオバさんは野菜を受け取ると必ず籠にお菓子か何かを入れて返してくれました。

当時の日本と今のカンボジアとは人々の心情に変わるものがないかのようです。しかし、残念ながら今は隣に美人のオネエサンは住んでいません。

ジャックフルーツと砂糖入りビナミルク110ccをミキサーに掛けたところ、繊維質が多いのかドロドロのペースト状で飲むというよりスプーンですくって食べる感じになりました。本来は食べずに捨てる部分をも入れてしまったせいかも知れません。しかし味は問題なく美味しいものでした。


薪割り

2014-01-24 22:08:10 | 生活

国道沿いのカシューの木を眺めていると道路の向かい側で子供が薪割りをしているのが見えました。仕事に夢中でズボンがずれ下がって半ケツ状態。近づくと人の気配を察してかズボンは引き上げられました。庭先での薪割り仕事はしばしば目にします。子供や女性の姿が多いようで、頼まれもしないのにお節介にも手伝ったりすることも度々。この時も庭のカシューやアボカドを見せて貰っていたのですが、流石に子供では無理だろうと思える大きな株に斧を振り上げた時には代わって斧を握りました。

14年前、ベトナムの中部フエで半年ばかり暮らした時、郊外では薪が主要な燃料として家庭で使われてるのを見て驚いたことがあります。「まだ薪を燃やしてるんだ・・・」と思ってしまい、小学生低学年の頃に薪での風呂焚きをさせられたことを思い出しました。前近代的遺物を見る思いだったのですが、その時は勿論14年後に自分が薪で湯を沸かす生活を送るようになるなどとは想像も出来ませんでした。今や薪ストーブなどは化石燃料を使わないという意味でエコロジカルなトレンディーの趣さえあるようです。

そのような信条で薪を使っているわけではなく、できることならぷのプロパンガスボンベでガスコンロを使いたいわけですが、ガスコンロを置く台を調達できずにいるためです。

    

家の台所スペースは、40ドルで電動ドリルを買って水を使えるように配管し、ステンレス流しも買いました。が、それを設置する台がここでは売ってません。取り敢えず塩ビパイプを切って組立ました。主に燃料はカセットボンベ。ベトナム同様に人々はカセットにガスを再充填して使っています。韓国製のカセットボンベが1個1ドルで売られており、4個ばかり買いました。思いがけなく早く使い終わってしまい、5回目にはボンベを振って確認したところガスが半分ほどしか入っていません。どのボンベも同様で、文句を言うと「わかったわかった」とばかり充填してくれました。

    

再充填料は一本につき2,000リエル(0.5ドル)。この町の多くの家ではガスボンベやカセットコンロに薪や炭も併用して使っているようです。


スヌウルのカシューナッツ

2014-01-23 22:28:21 | 農業・食品

ロクニンの町に着いたのは12時過ぎで銀行は昼休み。時間を持て余したので近くにあった市場を見て回りました。ロクニン県だけで人口が11.5万人とモンドルキリ州の2倍近くもあるためか市場の品揃えはサエンモノロムの市場よりかなり豊富でした。それに物価も安めで、定食は1ドル弱で内容も充実。

    

米の種類も多く、もち米だけで黒米はじめ4種ほどありました。プノンペンのスーパーで売られていたもち米は2ドル/kg。ここでは26,000ドン(1.2ドル)/kg。ロクニンでの主要農産物は、ゴム、胡椒、コーヒー、キャッサバだとここで聞きましたが、「ビンフック省特産カシュウ―ナッツ」と書かれたものを見つけたので買ってみました。

    

加工所がロクニン県Loc Thien村にあるようです。たぶん近隣で収穫したカシューナッツをローストした国内向け製品だと思います。薄皮が付いているののですが、それが何故だかわかりません。10年前にラムドン省でカシューナッツの加工所を見学させてもらったことがありました。女工さんが実を一つずつ割る作業でした。殻を割っても薄皮が残るようには見えませんでしたが。

    

今ではもっと近代化されているのでしょうけど当時は随分使い古された足踏みの装置が使われてました。カンボジアでも昨年、コンポントム州に加工所が建設されたとのニュースがありました。その写真でも薄皮が残るようには見えません。個人的には薄皮を剥きながら食べる方が好みです。

モンドルキリへの帰る76号沿道の民家ではカシューナッツを干している家を見かけました。まだ花が咲いたばかりなのに・・・と不思議に思い何度もバイクを止めてカシューの木を眺めました。カシューは実の成長よりも先に種が大きく生るようです。花が多く残っている木でも早いものは種と実が姿を現していました。

    

民家のある場所ではカシューの木も多く、しかし民家が消えると新しく植えられたゴム林が続きます。クラチェ州スヌウルとモンドルキリ州との州境を越えるとKaev Seima地区。ここでもカシューが植えられているとのことですが、ベトナム同様に胡椒への転作が進んでいるそうです。


ホアルー国境ゲートからロクニンへ

2014-01-23 00:25:17 | 交通

昨日、国道76線を南西に下りスヌウルの手前74号線を南に折れ、ベトナムとの国境を通過してビンフック省ロクニンまで行って来ました。ベトナムの銀行に立ち寄らねばならない事情があったわけですが、モンドルキリから日本人が通過できる一番近い国境ゲートはこのロクニン県のHoa Lu International boader gate(カンボジア側はクラチェ州のTrapaing Sre Boader gate) になります。モンドルキリ州と接するベトナム国境ゲートは二つあるのにども二国間ゲートのためベトナム人とカンボジア人以外は通過できず、150㎞も走らねばならないわけです。

それでもプノンペンまでの距離380㎞に比べれば遥かに近いし、この国境ゲートからHCM市までは150㎞なので、サエンモノロムからホーチミン市まで300㎞となり、プノンペン―ホーチミン市間の277㎞と大して変わらないことになります。たぶん何時の日にかはホーチミン市―モンドルキリを結ぶバスなども運行されるようにはなるのでしょうけど、10年以内にはなさそうです。

2011年の5月にベトナム側から自動車でカンボジアに入ったことのある国境ゲートなのですが、バイクでカンボジアからベトナムで入れるかどうかが問題でした。カンボジア側からバイクで出国するのは大丈夫なのですが、ベトナム側のお役人がバイクでの入国に何を言うのかはかなりの程度担当者の気分次第という側面あります。ドンタップ省とロンアン省では失敗しているだけに駄目なら引き返す覚悟で出掛けました。

国境ゲートにはキャッサバを積んだトラックがカンボジアからベトナムに入り、ベトナムからは雑貨品を載せたバイクがカンボジアへ入っていました。ベトナム側の立派な建物とは対照的にカンボジアの出入国事務所はいたって簡素で出国も入国も同じ窓口。事務手続きの量からすればこの方が遥かに合理的ではあります。

バイクをベトナム側の建物の脇に止めて、事務所に入りました。大きくて閑散としたベトナム側の建物の中で他に通過手続きをする人間は見当たらず、パスポートの全頁をチェックされ、それでもすんなりと入国スタンプを押して貰えました。次に手荷物検査用センサーの所には担当者がおらず、どうしたものかと迷っていると担当者が来て「リュックを開けてここに並べろ」とのこと。「こんな屈辱、ベトナムでも初めてだぜ・・・」との思いでリュックに詰めた着替えを机の上に取り出しました。ふと、成田や羽田で入国の際に関税でスーツケースを開けさせられている途上国からの旅行者の姿を思い出しました。

手荷物検査が終わりホットしてバイクを取りに向かうと、バイクの脇に手荷物検査をしばかりのその係官が立っていました。「こりゃ拙い」と思って暫く間を置こうと思いましたが、公務員のお兄さんは携帯電話で長電話の様子。仕方なく何食わぬ顔でバイクにキーを差し込み、振り向かずにその場を立ち去りました。

国境を越えて真っ直ぐ進む道が国道13号。12㎞ほど走った最初の町が目的地のロクニン県のTx.Loc Ninh。この町にはサコムバンク、ACB、アグリバンクのオフィスがあります。ロクニンという地名には聞き覚えがあり、ベトナム戦争時の激戦地で最初の戦闘は47年前の1967年だそうで、1972年の戦闘では米空軍の支援を受けた南共和国軍が戦闘に敗れて基地を放棄したとのこと。

国境から町までの間にはゴム林が広がっていました。おそらく40数年前は原生林が生い茂った風景だったのでしょうけど。ただのベトナムの田舎町としか感じられない町ですが、立ち寄ったゴム林の横にあるカフェのオバサンから、50年前に両親がクチから此処に移り住むようになったという話を聞いてからは少し違った景色が広がりました。

来週からテト休みに入る町には旧月用の花が並べられていました。


ジャックフルーツ

2014-01-20 21:56:19 | 農業・食品

昨日は帰るのが遅かったので町でフライドチキンとハンバーガーを買って持ち帰りました。隣家の猫は臭いで分かるのかフライドチキンを持ち帰った時には必ず現れます。鶏の骨が好物みたいです。間も無くして隣家の青年が来たので、てっきり前日掘ったキャッサバを持参したのかと思い、生憎胃の調子が悪いので有難くはないのに・・・などと思っていたところが、持って来てくれたのはジャックフルーツでした。

ベトナムに来た当初は好んで食べた果物ですが、ここ10年ほどは食べる機会がありませんでした。久しぶりに食べてみると、発酵した臭いとべとべとした甘さ―そんな印象が残っていたものとは違っていて美味しく食べられました。ほんの少しだけ食べて後は大家さんの家に持って行こう、とラップに包んだのですが、結局全部自分で食べてしまいました。

    

何故か痛かった胃もスッキリして大助かりでした。食後の果物は良くない・・・などという説もあるようですが、この時ばかりはジャックフルーツが消化促進作用として働いたことは間違いなさそう。胃薬を買うより毎日果物を食べた方が良さそうです。

    

庭にあるジャックフルーツも11月にはこんな大きさでしたが、今は20㎝ほどに成長しました。